明日また陽が昇るなら −カウンセラーもり あずさ(もるも)のブログ−

今が全て、来世は無い -B'z "X"より-

とても暑い日が続いていますね。

 

でも風も吹いていて、去年よりだいぶ緩やかな暑さの気がするのは私だけでしょうか?

 

明日は午前中の後半にテニスをする予定ですが、暑さにやっつけられないように

水分たくさん持って行こうと思います。

 

さて、今日は久々に聞いてやっぱり良いと思ったB'zの”X”について。

 

2005年に発売されたアルバム「THE CIRCLE」の2番目の収録曲です。

 

1曲目はイントロなので、実質最初の曲と言っていいでしょう。

 

初めて聴いた時は、たぶん他の方も同じように感じたと思いますが

 

”一寸先はえーっくす!!”

 

・・・これ、あのバンドのあの名曲と同じ・・・

 

・・・「X」のところでコーラス隊がシャウトしているところが超似ている・・・

 

冒頭からオマージュ疑惑全開ですが笑

 

それだけでは決して片付けてしまえない名曲でして

 

冒頭のZeppelinを彷彿とさせる印象的なギターリフ、

 

人間の業をあますところなく伝えきる歌詞。

 

稲葉さんの歌声もサビ前まで終始おどろおどろしいモード。

 

そしてサビの決め台詞

 

「来世は無い 今だけがどこまでも続く」

「終わりまで味わいつくせよ」

 

・・・でました、稲葉さんの神様仏様否定!

 

「愛まま〜」から始まり、稲葉さんは宗教的な価値にはあまり重きを置きません。

 

大事にしているのはあくまで人間の気持ち。

そして、今この瞬間。

 

だから「今だけがどこまでも続く」し、「終わりまで味わいつくせよ」なのでしょう。

 

稲葉さんは神様仏様を信じない代わりに、人間の業をどこまでも肯定します。

 

この歌の主人公は快楽を求めバスに乗ってしまったようですが、

 

その「快楽」とは自分の好きな道を追求することなのかもしれないし、

 

あるいは恋愛(道ならぬ恋愛を含む)なのかも知れない。

 

はっきりとは描かれませんが、それでもはっきりしていることは

 

「もう後戻りは無い」

 

過去は決して変えることができない、なので、死ぬ瞬間まで今を生ききるしかない。

 

そんな人間の真実を描き出す、実はとても哲学的な歌詞です。

 

そして、稲葉さんの歌詞を貫くもう一つのテーマも表現されています。

 

「暗い世界 自ら光れよ」

「無限の可能性 未知の未来 神さえ予測不能」

「己が今を変える」

 

これらが伝えたいのは「主体性の大切さ」

 

自分の心持ちや行動が未来を作り、変えてゆくという

稲葉さんお得意のモチーフですね。

 

そしてもう一つ

 

「最愛の者からはいつか便りが来る」

 

このフレーズが伝えたいことは「自分以外の他人はコントロールできない」

 

なので、自分のことを思ってくれたらラッキーくらいの気持ちで

 

「希望を秘め 何も待たないで」

 

ちょっとは期待しつつも、でも決して振り回されないで、と諭してきます。

 

稲葉さんの歌詞は他人との距離感を重んじるスタンスが強く、他人は他人であって決して

コントロールできないことを、いろんな歌詞で伝えています。

 

例えば「MY LONELY TOWN」の冒頭の歌詞

 

「明かりの下に集まったなら 笑い語り合う仲間」

「でもきっと誰も互いのことを分かりあうのは不可能」

 

曲の冒頭から「人と人が分かりあうのは不可能」と言ってのけます。

 

他にも例はありますが、稲葉さんは相手に依存すること、寄りかかること、理解した気になることを

とことん嫌います。

 

この「X」でもその信念は貫かれていて、最愛の者に対してすら

「いつか便りが来る」くらいの期待値と距離感で思っておけ、と主張します。

 

他人に決して心理的に依存しないこと、そしてその「他人」には神様仏様すら含むこと。

 

そして己が自分の意志を持ち、混沌とした世界(=「X」)を生き抜けと主張します。

 

こうして、歌詞自体はいつもの稲葉さんの世界観が貫かれているのですが

 

ただ、いつもはどこかに逃げ道(「いやー、でも人間って弱いもんですからー」的な)を

作っているものですが、この曲に限ってはそれが無い。

 

その厳しさにおいてはスタンスが他の曲とは異なっていますね。

 

おそらくこの曲が、輪廻転生をも意味している「THE CIRCLE」の実質的なスタート曲であり、

 

人間の業を正面から受け止める、その世界に引き込んで行くために

 

あえていつもの小市民的な「人って弱いもんですよね〜」のノリを排除したのでしょう。

 

そのおかげもあって、神秘的かつ哲学的な仕上がりになっています。

 

その後に続く「パルス」も主人公が衝動を奮い立たせようとする曲で、やっぱり人間の欲望や

業という本質に働きかけています。

 

この二曲で一気に人間の生き様や業を炙り出して置いて、

 

次でいきなり「愛のバクダン」をばらまくという笑

 

ここで一気に愛情全開ワールドに切り替わります。

 

続く「Fly the Flag」も割といつもの稲葉さんらしい世界観でして

「世界はボクを待っているから、名もない旗を掲げて(=自分の意志や主張を明確にして)

一生懸命生きよう」という割と小市民的な歌詞です。

 

その次の「アクアブルー」に至ってはイケてない彼氏にあてつけで浮気する彼女という

これぞ小市民代表!みたいなワールドが広がります。

 

そうかと思ったら次の「睡蓮」では仏教的な人間の業が慈愛と共に描かれる・・・

 

こうした世界観の激しい転換もまさに「THE CIRCLE」というタイトルが表す通りでして

 

その展開も見事だし、その輪廻転生する世界観の冒頭にセットされている「X」という曲の

すごさに、書いていて改めて感心しました。

 

そう考えると、冒頭のオマージュ疑惑もただのお愛想に思えてきますね笑

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日、熱中症には気をつけてテニスしてきます。

同じく明日外に出る方、運動する方は暑さ対策をしっかり行ってくださいね!

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