Mikioriginal

退屈に殺られるよりは 興奮に殺られたいんだ

桃色の肩重い

2010年03月01日 22時18分38秒 | Weblog
私はあの時、確かに手を伸ばした。

そして触れた。

だが、手を離した。

そして考えた。





「確かに、この作品は名作かもしれない…
だが、だが…」



私の目の前には、周りに比べて少し桃色がかった棚がある。

そこに佇み、私は思いを巡らせていた。

その棚には、棚の色に負けないほど煌びやかなパッケージをした物が並んでいる。


その中からどれを選ぶべきか、それが私の夜の楽しみを決めるのだ。


しかし、数多くのストーリー達が私を迷わせていた。

この中でどれが一番なんて、分からなかったからだ。



争うこともしないで、彼ら(彼女ら)はしゃんと胸を張っていたのだ。



だが、私は意を決した。


これに決めた!




だが、私はまたも戸惑ってしまった。



私がまさに手にしようとしたそれは
3部作だったのである。





ぬかった。





まさかここでこれを購入しようとしたら、
私は3つ揃えないといけないのか…?






様々な思いが逡巡した。




明日今日よりも素直になれて溢れる思いが止まらなくなるとか



君に出会えてよかった…切ないけれどよかった…とか



もう一度巡り会えたらその手を離さないよ、もう二度と迷わないさとか




いや、それは嘘だが、私はそこで答えを出した。






「今日は歩いて帰ろう」





そして私は「恋空」を買うのを諦めた。
コメント
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