苺の楽園

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A further betrayer

2006-05-07 22:39:26 | その他

双極に居合わせた者、皆己の見た事聞いた事を疑った。
それはどこからが仕組まれた事だったのだろうか。
答えはきっと―――――最初から全てが仕組まれた事だろうが、そう信じたくは無かった。



五番隊隊長、藍染惣右介。
彼の目的がルキアの殺害にあると知った一護は、チャドや織姫達を置いて瞬歩を使い一足先に双極へ向かった。
たどり着いた双極では、恋次がルキアを己が身で庇っていた。
一護と恋次が共同戦線で藍染に斬りかかったが、あっけなくやられた。
2人共なんとか意識は失ってはいなかった。
意識のまだある2人に対して藍染は敬意を表するとばかりに事の顛末を語り出した。

藍染の望んだのは、浦原喜助が造り出し壊せないからと防壁をかけルキアの魂魄の奥底に埋め込んで隠した『崩玉』を己が手中に入れる事だった。
浦原の過去の研究からそれを取り出す方法をも見つけたと藍染はいとも簡単にルキアの魂魄内から崩玉を取り出した。
そしてもう用済みだとギンにルキアを殺させようとしたが、寸での所で駆け付けた白哉に庇われ助かる。

そして気付けば、今動ける全隊長・副隊長そして旅過のチャド・織姫・雨竜・岩鷲に空鶴・じ丹坊と勢揃いしていた。
藍染は夜一と砕蜂に、ギンは乱菊に、東仙は修平に斬魄刀をつきつけられ後が無い様に見える中、藍染はニヤリと笑った。
「何がおかしい!」藍染の笑いに夜一は睨み聞いた。
「…ああ済まない。時間だ。」
藍染がそう言うと、今まで藍染の近くで倒れていたはずの一護が立ち上がった。
「「「黒崎(くん)(一護)!?」」」織姫・雨竜・チャドは慌てた。
皆が慌てているのを気にせず一護は藍染に不適な笑みを向けた。
「一護、お主藍染にやられたのではなかったか?」夜一は、藍染から目を離さずに一護にそう聞いた。
一護が立ち上がった事で夜一に隙が出来た。
その隙を突いて、藍染は一護を抱えフワリと夜一・砕蜂と距離を取った。
藍染は一護を降ろすと、手を取り跪き手の甲に恭しく口付けた。
「一護様、貴方様の御心のままに。」
藍染の行為にニヤリと冷徹な笑みを溢した。
「いち・・・ご・・・?」ぼそりとルキアが名を呼んだ。
やはり未だに理解が出来て無い様だ。
「まだ分かんねーの?よーするに、俺達はあんたらの敵だって言ってんだよ♪」
いとも可笑しそうに、そして楽しそうに告げた。
一護が口にした衝撃の事実に皆言葉を無くした。
それもそのはず。
隊長である藍染・市丸・東仙の裏切り。
それに加え、旅過である一護の裏切りという信じ難い事実の発覚なのだから。
「ああそうだ。ルキア、お前の存在は色々な面で役立ってくれてよ。ありがとう。」
一護はルキアを冷えた眼差しで見据えて言った。
「一護様。」
「ああ、そろそろだな。」藍染にそう答えた。

突如上空がひび割れ、そこから大量の大虚が出てきた。
そしてそのひびから一護と藍染・ギン・東仙を守るかの様に光が降り注いだ。
一護、藍染達は足元の岩と共に上空へ浮かび上がった。
ネガシオンに包まれた彼らは何人たりとも犯す事が出来ない。
死神達は、ただ見送るしかなかった。
「なかなかに楽しかったよ。じゃーな。」
一護は虚圏へ消え去る瞬間、後ろを振り返って邪悪な笑みをして言った。
「黒崎(くん)(一護)!!」虚圏へ消え去る一護を何とか呼び止めようと友人たちは叫んだ。
が、一護はそれを無視して去った。
残された者達は皆、閉じていく虚圏への入り口をただ見上げるしか無かった――――――。

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