彼女の名前はpeco。
そう。smileがsmileと名付けられたのは彼女が居たから。
私は松本大洋が大スキで、彼女の名前はピンポンの主人公からもらった。
窪塚洋介主演で映画化にもされたからご存じの方もいると思う。
スマイルはペコの相棒の名前。
呼ぶたびにpecoのことを思い出せるように名付けた。
pecoは私が初めて買ったチワワだった。
そして、出会ってわずか二ヵ月でお星さまになった。
pecoはうちにきてすぐに発症した。ジステンパーだった。
悪徳なペットショップで、一回目の発症を注射で抑え付けて、売りに出した。ジステンパーは一回目の発症は薬で抑えられる。
そしてその約一ヵ月後に二回目の発症があり、死に至る。
最期のとき、立てなくなってるのに、私の姿を見て一生懸命前に進もうとした姿。
人間に傷つけられても健気に人間を信じてるその強さ。
大スキだった。
たくさん泣いたし、いっぱい悔しかった。
医者には次の子のためにpecoのものはすべて処分するように言われた。
家にpecoの居た足跡はなくなった。
smileは、やさしくてあたたかいブリーダーさんに大切に大切に育てられて、我が家の家族になった。
犬を商売道具としか見てない人もいれば、身を削られるような思いで手放す人もいる。
やっと話せるようになった。悲しみが消えたわけじゃないけど、私たちに会えたことがpecoにとってしあわせなことだったんだと思う。だって、愛情をいっぱい伝えられたから。