ありがとうの朝。

通勤途中で毎朝会う、
小学生の通学路交通整理のお爺ちゃんは
前歯が上下３本くらいしかない笑顔で
「おはよう！いってらっしゃい！」と言ってくれる

この日も、「おはようございます」の言葉を
こちらも準備していたが、

お爺ちゃんは違った・・・

「お姉ちゃん、ガム食べる？」

不意打ちにテンパる夫人
「おはよぅ、おぉ？ガム？」


ガムね！朝の通勤にぴったり！
と思って、渡されたのは
未開封のミンティア・カルピス味（夫人の好きなやつ）だった



桃）お姉ちゃん！っていったらおやつもらえるよ！


お爺ちゃんからしたら、ミンティアもガムのうちよね
お爺ちゃんからしたら、ぎりぎりお姉ちゃんでいられるのね



桃）ほらね♪
ブ）おぉ～、すげー！

びっくりしたものの、笑顔でお礼を伝えた



そして気分よく電車に乗った

３人掛けシートの真ん中に立った


３人掛けシートの端で
網棚に荷物と上着を置いたまま（座ってるのに！）
足を広げて新聞を読んでいるおじさん


おっさん（最早）の目の前には
おしゃれなジャケットと腕時計を身につけた、
夫人と同世代くらいの男性が立っている



夫人の後ろには、イケてるおれが、座っている


イケメン（最早）は、真ん中の席の上、
つまり夫人が立っている前の網棚に仕方なく鞄を置いている
夫人は置く場所がないため、鞄を肩にかけたまま読書を始めた


が、２駅過ぎたところで、夫人の肩から鞄がずり落ち



２分経ったから、そろそろ、おれにも食わせろよぉ



それに気付いたイケメンは
「あ、すいません！鞄乗せますよね！」と、自分の鞄を足元に置き
夫人の鞄を網棚に乗せてくれた



それに気付いた夫人は、もやしを一本、おれにくれた


イケメン：「場所、使ってしまって気付かずにすいません」
夫人：「いえ、だってねぇ・・・（おっさんを見る）」



もやし一本で、すいません！もっと食べますよね？って
聞いてこない、夫人・・・ぶぅぶぅ！



夫人：「鞄を立てて一緒に置きましょ、うふ」



小皿を持ってきて、一緒に食べましょ、ぶぅ



とかなんとか言ったと思う
本に目を戻すけど、同じ行から進まない・・

さわやかな、でもこっ恥ずかしいような
不意にやってくる、この小さな出来事のおかげで
お爺ちゃんやイケメンと笑顔をかわすのって
なんだか照るわぁ

ねぇ？（笑）


明日も同じ車両に？当然乗るわよねぇ（笑）



明日も同じ席に？当然座るのだ、ぶぅ


とまぁ、1時間ちょっとの間に
お爺ちゃんとイケメンに
「ありがとうございます」と言えた、この日は
きっといい日に違いない


お爺ちゃんへのお礼は来週に続く・・・