本拠地『
大船渡屋台村』から我々チームの第一会場、陸前高田市『集いの丘商店街』に移動。
レンタカーの窓から傷跡を目の当たりにしながら・・今尚、至る所に傷跡が残る。
剥き出しにされた傷跡は遠くからでも一瞬にしてゾクッと身体に何かを走らせる。
ましてや目の前にしてしまうと自分の持つ想像力を超えてしまう。
見ていられなくなる。しかし、見なければと・・・
『集いの丘商店街』まではあまり時間は掛からなかったと記憶する。
15~30分以内には到着していたかと。
さて会場はというと。。。
遮るもの。一切なし。これぞ炎天下
The炎天下
我々チームは13時からの音出し。その前の時間帯と言ったら太陽が最も高い位置にあるわけだ。
暑いったら暑い
自分の出番前にキーボードを使用する出演者がいらした。
我々が運んできたキーボードを待っていた様子だ。
その方の演奏を観ながらあれやこれやとスタンバる。
ん?鍵盤数さっきのと変わらない?サスティンは接続してるみたいだ。良かったよかった。
あと他には・・そう、少し食べておこう・・
同じチームのお一人は店舗に入って食べる様子だ。
あまりしっかり食べてしまうと時間的に本番でゲップが出る可能性大。
出店の「あげたこ」にしよう
量を調整できる
購入
さて。
ん?椅子の高さ。自分の身長だと足りないと見た。
高さ調整のために持参したグッズもあったが、もしもの時の隠れ技に使おうと、
ペットボトル500mlを苦し紛れに思いつく。また「あげたこ」の出店で購入。
お店の方にペットボトルの開封前の使用目的を説明すると、
より適切なペットボトルを一緒になって真剣に選んでくれてちょっと嬉しかった楽しかった
今度は、
さっき運んできたキーボードケース。ん?中身入ってるぞ?
なんだなんだ舞台で使ってるのは運んできたものでなかったんだ。
出番2組前くらいだったか、
「先程の演奏者が電源とサスティンを次の会場に持って行くそうですどうしましょう
」
と司会の方が言ってこられた。
「え”。。。
」
実は出発当日のことである。部屋を出る2時間程前にマイスターから電話が入っていた。
てっきり「キーボード持って来て
」という電話かと思ったが、
「まだ鍵盤が手元に届いていない。どんな機材が届くか判らないが
最低電源さえあれば大丈夫だろう持参して欲しい」という内容だった。
その電話を頂いて、サスティンも持って行くことにしたのだった。
良かったよかった。
出番1組前。
「スタンドと椅子の高さ決めちゃいましょう」と会場を仕切る方から合図が出る。
キーボードカバーから本体を出す。
やはり・・52鍵くらい。。。でもサスティンは接続できる。良かったよかった。
椅子の高さ調整グッズはあえなく却下されたが
調整終了。
いよいよ出番。ステージでセッティングをしていると・・
?????電源アダプタがキーボードの接続口に合わない?????
「え”。。。
」
演奏を次の方に回してとにかくステージから降りる。
会場を仕切る方の「こちらで手配します」携帯電話で話す声が聞こえる。
同時にPAの方々が忙しく動いて下さっているのが判る。
仕切る方もPAの方も現地の方々。
これが使えないとなると第二会場の今夜の『屋台村』でも唄えないことになるが、
いぃじゃない、いぃじゃない
スタッフの仕事だってきっとやること沢山あるはず。
まてよ自分はそれでいい。でも他に使用する演奏者がいたはず・・いやいた。
それに、実は今朝。到着してからここへ移動するまでの数時間の間に
ご近所に住んでいるというおじさまと結構長い時間お話をしていて、
「君も出演するの?今夜行くよ!」と言って下さっていたことを思うと。。。
気持ちは半信半疑。
すると
先に回って頂いた方の演奏がまだ終わらない10~15分位の間にキーボードが届いたのである!
88鍵の電子ピアノであった。
今の今までお部屋で誰かが弾いていたのかも知れない。
姿が目に浮かぶようだった。体温が伝わってくるようだった。
もう言葉が出なかった。
それを坦々と車から運び出し組み立てて下さっているPAの方の背中。
言葉が出なかった。
ステージに上がる。
主催者側で鍵盤を現地で用意するとおっしゃって下さっていたとは言え、
自分の楽器を自分で責任持てなかった自分に対する嫌悪、
普段から少ない鍵盤に対応してこなかった自分に対する嫌悪
そして現地の方が自分達のおかれている状況の中でこのピアノを調達して下さったことを思うと、
しっかり弾かなきゃ、唄わなきゃ、報いようと思えば思うほど、
手元が狂う。
そして4曲目、最後の曲に用意していたKiroroのBestFriend♪
とうとうこみ上げ涙で声が出なかった。
BestFriend♪の歌詞はきっと感じ取って頂けるものがあるかも知れないと選んだのに、
今ここで唄っている自分に向けての言葉にもなってしまった。
こみ上げた。
「ありがとう・・ありがとう・・」と連呼する歌詞に只々こみ上げてしまうのだった。
どの思いが先だったのか後だったのか思い出せない。一気に色んな思いが溢れた。
でも演奏が止まることだけはするまい
ピアノだけは弾き切ろう
踏ん張った。
自分を救ってくれた電子ピアノ。PAさんのお家から運んで下すったと察した。
どうやらトラブルは各会場(全7箇所存在する)毎に解決するのが当日の掟の様子。
さて今夜の『大船渡屋台村』はどうなるのか。これまた半信半疑。
半信半疑のまま、移動時間をむかえる。
我々チーム全員の演奏が終わり、本体だけになったキーボードをレンタカーに積み直し、
『屋台村』方面へ戻る。今夜のお宿へ。
今から移動すればチェックイン可能時刻に何となく達する?ちょっと早い?くらい。
レンタカーの中ではチームの方々に自分の涙の訳を説明。
びっくりさせてしまった様だ。ごめんなさい
そういう訳なのだ。
チームでよかったよ。話をしようとすることで感情が整理されたと思う。
皆さん穏やかに静かに聞いて下さる。まぁ何を言ったらいいのか判りませんよね
優しい方々でよかったよ。
ありがとうございます。
続く。。。