吹く風ネット

次の現実(死後の世界2)

 死後の世界の続きです。
 以前書いた記事をめくっていたら、こういう記事が見つかりました。死後の世界-輪廻転生編といったところです。
 『六本足哀歌』
どのくらい時が過ぎたんだろう
気がつけばぼくはこの家の中を
六本足で歩きながら生きていた。
戸棚の裏に巣をかまえて暮らし
お腹が減った時にだけゴソゴソ
食べ物のある場所に歩いて行く
そういう生活を繰り返している。

戸棚裏の巣の中は優しい家族に
囲まれた平和で幸福な世界だが
表の通りに出るとそこは戦場で
用心しながら歩いて行かないと
二本足生物に見つかってしまう。
奴らはぼくらの姿を見つけると
しつこく襲いかかってくるのだ。

仲間が奴らに殺られている様を
一度目撃したことがあるのだが
それはそれは残酷なものだった。
奴らの一撃を浴びたその仲間は
頭は取れかかり、手脚はもがれ
内臓が横腹から飛び出していた。
そんな無残な姿になりながらも
逃げようともがいている仲間に
奴らは更なる一撃を加えたのだ。

生まれてこのかた一度たりとも
二本足に悪さをしたことはない。
ただ本能に従ってこの家の中を
六本足で歩いているだけなのだ。
どうしてぼくらはそういう目に
遭わなければならないのだろう。


 おわかりと思いますが、この記事の主人公は、二本足の生物から害虫と呼ばれている生き物です。いつも二本足からスリッパ攻撃を受けている彼らの現実は、きっとこんなもんなんでしょうね。

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