吹く風ネット

床屋の犬

 床屋に行くと、いつも小さなお座敷犬が、ぼくを出迎えてくれる。ただ、出迎え方は乱暴で、必死になって吠えまくるのだ。しばらくすると寄ってきて、足をなめたりするのだが、それでも動きには敏感で、ぼくがちょっとでも動くと「ウー」と言って牙をむく。

 しかし落ち着きのない犬だ。ジッとしていればいいものを、いつもウロウロして何かをクンクン嗅いでいるし、入ってきたお客に対してはいちいち敵意を見せるし、店主の姿が見えなくなるとヒンヒンヒンヒン寂しがるし、店主が姿を見せると大げさに尻尾を振って喜ぶし。

 ぼくが犬を好きになれないのは、おそらくはその落ち着きのなさにあるのかもしれない。猫も落ち着きのない動物だが、人慣れしている飼い猫であれば、人を見ても知らん顔しているし、飼い主がいてもいなくても表向きは喜んだり寂しがったりしない。

 とはいえ犬が嫌いなわけではない。好きになれないだけなのだ。親戚の犬は適度にかわいがっていたし、近所の犬にも友好的に接してきた。ただ、幼い頃犬に追われたことがあって、それが軽いトラウマになっているらしく、どうしてもマイナスの感情で捉えてしまうのだ。逆に猫に対しては、そういった嫌な経験を持ってないので、プラスの感情で捉えられるのだと思う。

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