長靴

１，
　長靴を履いていたのは小学６年生までだった。中学以降はまったく履いたことがない。雨の日も雪の日もスニーカーだった。社会に出てからもオフの時はスニーカーだし、仕事の時は革靴だ。

２，
　雨の日に履いた靴を乾かしたりすることはまったくない。びしょ濡れになったまま、ずっと玄関に放っておくのだ。

　革靴は悲惨だ。そのせいで革がふやけてしまい、変形する。あげくのはてにカビが生え、短い一生を終えるわけだ。

　そういう時、「雨の日に長靴を履いていたら、もう少し長生きできただろうな」と思う。が、長靴を履く気はさらさら無いので、今もそういう生活を繰り返している。

３，
　実は、ぼくは長靴が嫌いな人間なのだ。

　長靴を履くと、いつもどちらかの靴下が靴の中で脱げてしまう。かかとのところがダブついてきて、気がつけば靴下の履き口がかかとまで下りてきている。こうなると、何度靴下を戻してもだめだ。
　また、長靴は履き口が広いので、いつも靴の中に水が入り、たまってしまう。靴下は下がるは、グチュグチュするは、で長靴の中は大変なことになる。それが許されないのだ。

　今後もし農作業をするようなことがあれば別だが、ふだんの生活の中で、長靴が登場することはないだろう。