ビールの話

2002年6月19日

　ぼくとビールの付き合いは長い。１歳の時に親父の晩酌の相手をしていたらしいから、もう４３年（２００２年当時）の付き合いになる。
　その１歳の頃から３０代半ばまで、ずっとぼくはキリンビールを飲んでいた。他の銘柄のビールを口にするようになったのは、社会に出て飲み歩くようになってからだ。しかし、家で飲むビールはやはりキリンだった。
　別にキリンにこだわっていたわけではない。ただ、当時うちに出入りしていた酒屋さんが、いつもキリンビールを置いていくから、自然にキリンを飲んでしまうことになったのだ。
　だから、それがおいしいかどうかもわからない。小さい頃から飲みつけているから、「ビールはこの味」と勝手に思い込んでいるだけのことだった。

　それから数年後、ぼくは初めて「おいしい！」と思えるビールに出会った。キリンの『一番搾り』である。そこに本物の麦の味を感じたわけです。
　ぼくは『一番搾り』のとりこになり、買い置きビールもそれに変えた。　飲み屋に行っても、
「ビールは何にしますか？」と聞かれた時には、
「あれば『一番搾り』をお願いします」と言っていた。
（余談だが、それまで飲んでいたビールの名前が『キリンラガー』であることを知ったのは、『一番搾り』が発売された時だった。）

　しかし、それは短い期間だった。ひょんなことから飲んだビールをえらく気に入ってしまったのだ。それはアサヒの『スーパードライ』だった。
　実にあっさりしていた。のどが渇いた時には、このビールが一番いい。そう思ったぼくは、以来このビールを愛飲することになった。もちろん今も、焼酎を飲まない時は、このビールを飲んでいる。

　２０年経った現在、『スーパードライ』は、というかビールはまったく口にしておりません。痛風になったら困るからで、今はもっぱら『黒霧島』でございます。
　先日ＮＨＫの『あさイチ』で、博多華丸大吉さんが、
「芋焼酎の炭酸割りはおいしい」
　と言っていたので、さっそくコンビニで炭酸水を仕入れて試してみたところ、なるほどおいしい。ということで、先日コストコにガソリンを入れに行ったついでに、大量の炭酸水を買い込んだ。
　当分『黒霧ボール』は続くだろう。