『女子柔道部物語』、20代前半から、ぼくはずっと小林まことさんのファンで、デビュー作『1・2の三四郎』以来彼の作品はほとんど読んでいる。その新刊が昨年末に出たので、さっそく買って読んだ次第です。
『サザエさんの東京物語』は、ドラマ『マー姉ちゃん』の影響だ。マー姉ちゃんの原作『サザエさんうちあけ話』は、マンガの部分はともかく、半分マンガの混じった文章の部分がわりと読みにくい。そこで、何か活字だけのものはないかと探していたところ、この東京物語を見つけた。さっそく仕入れて読んだのだ。
古典、実に面白いんですよ。特に宇治拾遺物語が。過去の記事に、そのことに触れた部分がある。
今は昔、宇治拾遺物語を読んでいる時に、ぼくは『かはつるみ』という言葉を見つけた。
「どういう意味だろう?」と思ったものの、「読んでいくうちに、わかってくるだろう」ということで注釈は見ず、言葉の意味がわからないまま読み進めていった。
途中まで読んでいって、ようやく意味が理解できたぼくは、思わず叫んだ。
「何じゃこれ!」
以来ぼくは古典の虜になった。
「どういう意味だろう?」と思ったものの、「読んでいくうちに、わかってくるだろう」ということで注釈は見ず、言葉の意味がわからないまま読み進めていった。
途中まで読んでいって、ようやく意味が理解できたぼくは、思わず叫んだ。
「何じゃこれ!」
以来ぼくは古典の虜になった。
ある貴族が、法会でを催した時の話。一生不犯を誓った真面目な僧を選び、その法会で鐘を打たせようとした。ところがある一人の僧の様子がおかしい。撞木を振り回してばかりいて、鐘を打とうとしないのだ。皆がおかしいなと思っていると、その僧が震えた声で、
「かわつるみをやっていても、一生不犯ということでよろしいのですか?」と聞いた。そこにいた人たちは笑いだした。ある侍がその僧に、
「あなたは、かわつるみを何回ほどやったのか?」と尋ねた。すると僧は、
「ゆうべもちょっといたしました」と答えた。そこで法会会場は大爆笑の渦に包まれ、僧は恥ずかしくなって逃げ出した。という話だ。
宇治拾遺物語は仏教の説話集なんですよね。昔の人は実に大らかでいい。それを知って以来、ぼくは古典ファンになった。
(『かわ(は)つるみ』という言葉、もうおわかりかですよね。もしわからなかったら、ネットで調べてみて下さい)
なお、いつも読んでいる古典は、先の今昔や宇治といった説話集や、徒然草などの随筆集が主で、『〇〇物語』といった長編ものはほとんど読まない。その理由は持続性がなくなったからだ。
朝から晩まで本ばかり読んで、活字の虫と言われて周りからかわれていた若い頃に、もし古典への興味があったとしたら、読んでいたかもしれない。しかし元々辞書を片手に読むといった面倒なことはやらないので、やはり読まなかったに違いない。
持続力がないといえば、以前は二十分もあれば読み終えていたコミックも、今は途切れ途切れで、なかなか読み終わらないのが現状だ。おそらく集中力も低下していっているのだろう。