新名眼科 院長日記

海洋放出

政府は東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を24日に始めます。

処理水の元となる汚染水は、1日あたり約90トン増え続けています。

福島第1原発の敷地内にある1046基(約137万トン分)のタンクの98%が埋まっていル状況です。

来年には満杯になる見通しです。

今から放出しても完了するのは30~40年後の見通しです。

 

敷地内には、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」と呼ばれる装置があります。

装置の中にはフィルターのようなものがあり、ほとんどの放射性物質の濃度を国の基準値未満に下げたものが処理水です。

ただ7割が基準を満たしていない処理途上水で、再処理が必要です。

 

処理をしてもトリチウムは残ります。

トリチウムはベータ線と呼ばれる放射線を出します。

その力は弱く、紙1枚で遮ることができます。

空気中では約5ミリ、水中では約0.006ミリしか進めません。

このため、放出前に処理水をさらに海水で薄めてから放出します。

国の基準では、トリチウム水1リットル当たりの濃度が6万ベクレルを下回らなければいけません。

これはこの濃度のトリチウム水を生まれてから70歳になるまで毎日約2リットルずつ飲み続けても、被ばく線量が1ミリシーベルトに達しないということから来ています。

1ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)が許容している1年間の被ばく線量です。

海に流すと風評が懸念されるため、東電は国の基準の40分の1(1500ベクレル)未満になるよう大量の海水で薄めてから海に流すことになっています。

原発があれば必ずトリチウムは放出されます。

第1原発の年間放出量は22兆ベクレル未満ですが、中国の泰山第3原発では143兆ベクレル、フランスのラアーグ再処理施設では1京ベクレルです。

日本に建設中の日本原燃再処理工場(青森県六ケ所村)では年間上限が9700兆ベクレルで、第1原発の400倍以上になります。

環境省や原子力規制委員会は、海洋放出の間、放出口近くや福島県沿岸で海水や魚をモニタリングし、トリチウムなど放射性物質の濃度を監視することになっています。

モニタリングに異常があれば、緊急遮断弁が作動してただちに放出を止めるということです。

事故の時も、「直ちに健康に被害が出る程度ではない」、「メルトダウンはない」など、不誠実な発言が多くありました。

どうかモニタリング結果も誠実に対応して欲しいと思います。

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