7月13日(金)、14日(土)大阪国際会議場で開催される第39回日本動脈硬化学会総会(座長 大阪市立大学教授 上田真喜子先生)のシンポジウム”S11 頸動脈プラークの病態・画像診断と脳梗塞の予知”に応募しましたので、抄録を掲載します。
頚動脈硬化形態の新しい定量的分類と脳梗塞発症との関連性
Difference in carotid aretry surface structure at stroke risk
【目的】函館動脈硬化研究(HASCLE)は頚動脈超音波を用いた心血管イベント発症の多施設前向きオープン研究として現在進行中である。今回は、症例対象研究として頚動脈硬化形態を新しい定量評価法に基づいて4つに分類し、危険因子および脳梗塞病型の違いとの関係を検討し、さらに前向き研究の結果の一部についても報告する。
【対象と方法】HASCLEは2000年11月より症例登録を開始、21ヶ月間に登録された1447例(年齢67.±10.8歳、男676例)を対象とした。危険因子として年齢、性別、血圧、コレステロール、HDL、中性脂肪、糖尿病、脳卒中の既往を用いた。超音波は総頚動脈球部より左右計8ヶ所の内膜中膜複合壁厚(IMT)の平均値(MEAN)、さらに分岐部より外膜面の距離25mmに相当する内膜面のトレースした線分長を壁不整指標(IR)とした。MEAN、IRの両者が全標本の中央値より小さい場合をNormal、MEANのみが大きい場合をPlaque、両者が大きい場合をIrregular、MEANが大きくIRが小さい場合をDiffuse とした。脳梗塞はアテローム血栓、ラクナ、心原性に分けた。症例対象研究には多変量ロジスティック回帰分析を用い年齢・性別調整を行った。
【結果】観察期間内のイベント発症のうち脳卒中は56%に認められ、その内訳はアテローム血栓35.7%、心原性21.4%、ラクナ21.4%であった。MEANとIRの中央値は各々0.875mmと25.15mm、頚動脈硬化分類の比率はNormal 22.2%、Plaque 20.9%、Irregular 26.5%、Diffuse 13.3%であった。脳梗塞の有無ではPlaque(オッズ比1.70)やIrregular(1.86)よりもDiffuse(2.15)に関連性が最も高かった。
【総括】IrregularではなくDiffuseな病変が脳卒中とより強く関連している可能性が示唆された。
頚動脈硬化形態の新しい定量的分類と脳梗塞発症との関連性
Difference in carotid aretry surface structure at stroke risk
【目的】函館動脈硬化研究(HASCLE)は頚動脈超音波を用いた心血管イベント発症の多施設前向きオープン研究として現在進行中である。今回は、症例対象研究として頚動脈硬化形態を新しい定量評価法に基づいて4つに分類し、危険因子および脳梗塞病型の違いとの関係を検討し、さらに前向き研究の結果の一部についても報告する。
【対象と方法】HASCLEは2000年11月より症例登録を開始、21ヶ月間に登録された1447例(年齢67.±10.8歳、男676例)を対象とした。危険因子として年齢、性別、血圧、コレステロール、HDL、中性脂肪、糖尿病、脳卒中の既往を用いた。超音波は総頚動脈球部より左右計8ヶ所の内膜中膜複合壁厚(IMT)の平均値(MEAN)、さらに分岐部より外膜面の距離25mmに相当する内膜面のトレースした線分長を壁不整指標(IR)とした。MEAN、IRの両者が全標本の中央値より小さい場合をNormal、MEANのみが大きい場合をPlaque、両者が大きい場合をIrregular、MEANが大きくIRが小さい場合をDiffuse とした。脳梗塞はアテローム血栓、ラクナ、心原性に分けた。症例対象研究には多変量ロジスティック回帰分析を用い年齢・性別調整を行った。
【結果】観察期間内のイベント発症のうち脳卒中は56%に認められ、その内訳はアテローム血栓35.7%、心原性21.4%、ラクナ21.4%であった。MEANとIRの中央値は各々0.875mmと25.15mm、頚動脈硬化分類の比率はNormal 22.2%、Plaque 20.9%、Irregular 26.5%、Diffuse 13.3%であった。脳梗塞の有無ではPlaque(オッズ比1.70)やIrregular(1.86)よりもDiffuse(2.15)に関連性が最も高かった。
【総括】IrregularではなくDiffuseな病変が脳卒中とより強く関連している可能性が示唆された。