スイス公文学園 (KLAS) を知りたい!

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スイスからの「生の声」をお届けします!

試験の Monday

2017年08月14日 | 日記
週末を終えて、月曜日のレザンは「普通のレザン」になりました。
明るい日差しに澄んだ空気、心地よい乾いた風が吹き抜ける高山の村で過ごす夏です。



先週の寒気、その前の猛暑を過ごして、
今週は月曜から水曜まで、夏学期の定期試験。
生徒たちは自習のために開放された食堂に集まり、
試験と試験の間の休憩時間、みんな仲良くお勉強中です。
(カメラを向けると「気絶中」の演技も見せてくれましたが。笑)





試験が終われば、木曜日はロック・コンサートのリハーサル、
金曜日には夏学期の学習成績を生徒たちに渡して、夜にはコンサート本番。
土曜からは8日間の夏休み。
KLAS では、6月に40日間の Long Vacation を終えていますので、
この時期の休業は短めです。
「Short Break=短期休業」と呼びます。

Short Break には、生徒は思い思いの場所に個人旅行に出かけます。

「試験勉強、あと少しがんばれ!夏休みはそこまで来ている!」
心の中でつぶやく国語教師なのであります。







雨の Friday

2017年08月11日 | 日記



寒いです。
現在、外気温 8℃。
今週に入り、当地スイス・レザンでは、
すでに秋の気配を感じます。

8月半ばですが、
これも標高1300 m の山岳地域、
欧州高山性気候のなせる気候状況ですね。

来週月曜から始まる定期試験。
本日が今期最後の授業日です。
週末にかけて、生徒たちが風邪などひかないように願っています。


Dorm Life

2017年08月09日 | 日記
KLAS は全寮制学校です。
英語では「Boarding School」と呼びます。

本校の寮は100名を超す10代の若者が寝起きする生活の場。
(表題、英語圏の習慣で「Dormitory」を略して「Dorm=ドーム」と呼びます。)
生徒たちにとって寮生活とは、
自分たちの生活を管理し指導する保護者から離れての暮らしです。
当然、何らかの監督体制が必要なわけですが、
KLAS では、男女寮共に専属の職員が寮内に居住、常駐しています。

とはいえ、寮監督職員(男子寮の職員は「寮父」、女子寮の職員は「寮母」と呼びます)にも、
休養は必要なわけで、週の半ばの火曜と水曜は、彼らの休日。
その間に彼らに代わり寮を監督するのは、
日中教壇に立つ、教員の仕事です。
日本で言う「宿直勤務」です。
(英語ではこの仕事を「Night Duty」と呼びます。 2017年1月24日「夜のオツトメ」もご参照ください)


男性教員は男子寮、
女性教員は女子寮にそれぞれ泊まり込み、
夜間の監督に当たります。

輪番制で、およそひと月に一度この役目が回ってきますが、
昨晩、私は今期2度目の宿直の当番として勤務しました。

上記のように、未成年者の生活の場では、当然ながら様々なことが起きます。
過去にこのページで紹介した卒業生の言葉を読めばお判りになると思いますが、
本校の「人間教育」の最大の点は、この寮生活にあります。
卒業生たちが異口同音に語ります。
「寮生活で、自分を確立できた」と。

学級も学年も出身地も違う複数人が暮らす寮居室では、
常に他者を意識して時間を過ごさねばなりません。
彼らが体感するのは「自分の周りには他者がいる」という至極当然の事実ですが、
その当然の事実を理解しているか否かが、
若者の成熟を促す上で重要な鍵となるのです。

例えば価値観の相違から衝突が起きても、
その他者とどうやって話し合い、
どうやって折り合いをつけ、時に妥協し、時に主張し、
いかに解決の糸口を見出すのか、生徒たちはそのことを学んで行きます。
そして、そのような「揉まれ合い」を経験して3年間を過ごすと、
最後にはお互いを認め合い尊重する態度を身に付けるのです。

さて、私の昨晩の宿直勤務でも、
色々と対応を迫られることがありましたが、しかし概ね平和な一夜でした。

夜の学習時間後、宿直室でラーメンをすすりながら将棋をさす若者たちを眺めながら、
彼らの食欲に毎度驚かせられつつ、
何とも愛らしい彼らの姿に目を細める国語教師なのであります。





(写真は過去の記事からの再掲です)


試験前です

2017年08月07日 | 日記
来週の月曜日から、
夏学期の定期試験が始まります。
試験1週間前の授業では、生徒たちの集中力が違いますね。

担当する現代国語では、
10th(高校1年生)は児童文学者・清水眞砂子氏執筆の評論文「驚くという才能」、芥川龍之介の短編小説「羅生門」
11th(高校2年生)は女流文学者・鷺沢萠氏執筆の随筆文「『私』という『自分』」、林京子の小説「空き缶」
をそれぞれ扱っています。

芥川の心理描写。
林京子の長崎での被爆体験。
それぞれに多感な高校生の心に一石を投じる名作です。

特に後者は、
長崎での被爆を10代の少女時代に体験した筆者の想いが綴られた胸を打つ秀作。
8月9日を迎えるこの時期に学ぶ意義を感じて欲しい、そう感じています。

生徒たちの試験での頑張りに期待しています。


Japanese Festival 2017

2017年08月05日 | 日記


Japanese Festival が終了。
大成功の楽しい1日でした!




舞台発表の模様は動画でおたのしみください!




舞台鑑賞に集まった生徒たち。
これから始まる熱演への期待にワクワクの表情。









シェフからの「オモテナシ」は唐揚げに味噌汁!最高!














日本の縁日を再現!伝統のおもちゃで遊びました。






金魚すくい、水風船釣りも好評でした。




焼きそばの屋台も大繁盛!(ちなみに値段はひと皿 0 円です 笑)






茶道部が抹茶を振る舞ってくれました。超美味!


好きな文字を書道部の達筆たちが毛筆で書いてくれます。



カナダからの留学生が、自分たちで書いた漢字や作文を展示。
3週間の日本語学習の成果、素晴らしいですね!





楽しかった夏のひととき。

フェスティバル主宰者の国語教師は、
その成功への安堵から帰宅後ソファーに倒れこみ、
そのまま意識を失いました。。。笑

夏祭り in Switzerland

2017年08月03日 | 日記
たびたびお伝えしている通り、
KLAS 夏学期の最大行事、Japanese Festival。
いよいよ明日、本番を迎えます。
生徒の実行委委員会を組織してから3ヶ月、
着々と準備してきました。

カナダからの訪問生に日本の夏祭りを体験してもらおう、
という目論見から、
ステージでは様々な日本文化を紹介。
後半のカフェテリアでは、
シェフが腕によりをかけた「唐揚げ定食」を提供。
生徒たちが野外で調理する「焼きそば」の屋台、
「金魚すくい」(金魚はプラスチック製のおもちゃですが 笑)
「水風船釣り」に「かき氷」
も出店します。

楽しい1日になること、間違いなし!です。



Water Slide Noodles

2017年08月02日 | 日記
表題を読んで、何のことだか分かりますか?

日本では夏の風物詩とも言える「流しそうめん」
夏の4週間、カナダから訪問してKLAS で生活している留学生や、
西洋人職員など、日本文化になじみのない人々にとっては、
「麺が水に流れる?なんじゃ?そりゃ?」
という感覚ですね。

しかし、みんなで大騒ぎしながら、
水に流れる麺を食すこの行事、
大変楽しい夏のひと時ですし、
何より、みんなで食べるのって、
オイシイのです。

男女寮生活委員会とレクリエーション委員会が、
毎年企画して行っている、夏の定番行事.

今年も大成功です!










クモン・スタイル

2017年08月02日 | 日記
本日のランチには典型的スイス料理が供されました。
建国記念日の次の日であることから、
シェフの粋な計らいですね。

メニュー・ボードに掲げられたのは、
「溶かしたチーズ+トースト、クモン・スタイル」
ハム・トーストの上に乗せたチーズをこんがりと焼いて溶かし、
ホワイト・ソースと半熟の目玉焼きでいただく、超絶の美味です!
一度、みなさんも食べに来ませんか?



花火の恋

2017年08月02日 | 日記
10代の頃、
意中の異性を誘う時、
どんな「言い訳」を使っていましたか?

私の場合には都市部の育ちだったことから、
「映画の切符」を使っていたように思います。
言うなれば「映画の恋」ですね。

KLAS の所在するレザンにも映画館はありますが、
昨今のネット環境のせいか、
映画に異性を誘う生徒はあまりいませんね。

代わりに彼らが使う「手」は「散歩」です。

「明日の○時に散歩に行こう」
と電話をかけるのが常套手段。

そして、昨日の建国記念日。
夜の帳が静かに降りる時刻に、夜空に咲いた華麗な花々。

毎年のことながら、生徒たちは、数日前からドキドキの時間を過ごします。
「誰と一緒に花火を見に行くか」に心を砕いているのですね。

建国記念日の花火を言い訳に「恋の花」を咲かせられるか否か、
まさにドキドキの日々。

「そんなことより勉強しろ!」
それが私ら教員の言うべき正論であるのは承知していますが、
悲喜こもごもの生徒たちが、大変愛らしい様子なのも事実です。
今年の「花火の恋」が何輪咲いたのか、詳しくは知りませんが、
これも青春の1ページなのです。












マラソンとおにぎり

2017年08月02日 | 日記
建国記念日を祝う当地レザンの最大のイヴェントは、
お伝えしている通り、
「Aigle - Leysin 山岳マラソン」です。
標高差1650mを駆け上がり、800mを駆け下る、
21kmのクレイジー・ハーフ・マラソンです。



KLAS からは36名が Runner として参加。
21kmの部は21名、11kmの部は15名の参加です。

走者を応援する生徒を募集したところ、
8名の生徒+1名の教員が名乗りをあげてくれました。

彼女ら(応援する生徒は全て女生徒でした)のやる気に敬意と感謝を表すため
国語教師は、今朝、少し早起きをして、
10個のおにぎりを作りました。

握り飯一つで限りなくしあわせになれる10代の若者って、ホントに素晴らしい。



例年通り、
タイコやタンバリン、カウベルなどの「鳴り物」を運んでの大声援。
大草原で大声で叫ぶのって、なんて気持ちのいいことなのでしょう。






中間地点での応援の後は、
ロープウェイ(Télécabine「テレキャビン」と呼びます)に乗って、
山頂へ。
Runner を先回りして、2度目の大声援。
中間地点で全てのランナーを見送ってからの登頂だったので、
山頂で声援を届けることができたのは、
全ランナーの約半分のランナーに対してでした。





村に戻って、ゴールしたRunner たちとの時間はサイコー。
ジュニア部門は、KLAS生 の1、2、3位独占!
(3位のK.K 君は、レース後とっとと帰ってしまい、表彰式には不在 涙)


応援していた生徒の半分以上が帰ってしまっていたのにこの賑わい。
参加者全員が残っていたら、写真に入りきらなかったかも 笑



現在、夕食後の午後8時過ぎ。
2時間後には、スイスの誕生日を祝う花火が打ち上がります。
実は KLAS では、この花火にもドラマがあります。
そのお話は次回のお楽しみです。。。

充実の夏

2017年07月31日 | 日記


先週末からの本校の様子をお知らせします。

土曜日
11年生と12年生は欧州最高峰 Mont Blanc の麓の街 フランスのChamonix へ
10年生は世界的 Jazz Festival で知られる Montreux、国際五輪委員会本部のある Lausanne へのエクスカーション(遠足)
夕食後には、レク委員会主催の「Movie Night」と題した映画会。
細田守監督の名作「Summer Wars」を上映しました。

日曜日の夕食には食生活委員会主催の「Mixed Table」を行いました。
普段一緒に食べている生徒とは別の生徒と食事を共にしよう、という企画です。

そして、
明日、火曜日は8月1日=スイス建国記念日
KLAS からは35名がマラソンの Runner として参加。10名が山頂で応援します。

水曜日は流しそうめん大会
金曜日は Japanese Festival

「充実し過ぎ」のスイスの夏です!



7月の月

2017年07月28日 | 日記
すでにここでお知らせしたように、
来週火曜は建国記念日。

そしてそして、
水曜には「流しそうめん大会」
金曜日には「Japanese Festival」

上記のそれぞれの行事について、詳しくは後述しますが、
在外全寮制高校の生徒会主担当の私に課せられているのは、
全てを滞りなく、事故なく、問題なく終わらせること。
ムムム、考えれば考えるほど大変なタスクですねえ。。。
しかし、全ては愛する生徒のため、頑張るしかない!

そんなプレッシャーの中、
金曜の夜の自宅のバルコニーから、ふと見上げた空に蒼い月。
その美しさに、しばし息を飲みました。



なながつの 月に寄せるは 愛し子の 夏の盛りの 青き春かな





スイスの誕生日

2017年07月28日 | 日記



来週の火曜日、8月1日。
スイス建国記念日、国を挙げて祝賀の一日です。
当地レザンでも、様々な催しものが企画されています。



朝6時の祝砲で一日が始まるこの日、
一番の盛り上がりを見せる目玉企画は、
有志ランナーが麓の街 Aigle から標高 2044mの高峰 Berneuse 頂上までの高低差1600m を駆け上がる、
Aigle - Ai - Leysin 21km Marathon です。

本校からも生徒職員、数十名ががランナーとして参加しますし、
サポーターとしてほとんど全校の生徒が応援に駆けつけます。
私は毎年、ランナーの通過地点にラッパやカウベルなどの「鳴り物」を持参し、
生徒と一緒に大騒ぎしながらランナーを応援しています。

2016年 中間地点の Prafandaz にて



ゴール地点ではランナーたちの感動のゴール。
それを迎える KLAS の仲間たち。
まさにスイスの誕生日を祝う一大イヴェントです。

2015年 全ランナー+ゴールを出迎えた仲間たち


また、夜10時には、
学校から数百メートルの場所で花火が打ち上がります。

2014年 Plan Praz での花火






生徒たちにとっては、この花火も一大イヴェントなのですが、
そのお話は後日改めていたしますね。

カッコイイお兄さん、ステキなお姉さん

2017年07月27日 | 日記
今週、本校を数十名の中学生が訪問しました。
「公文サマースクール」と銘打ったツアー団体が本校を訪問しているのです。
将来の入学生として迎える可能性のある中学生に、
KLAS での学校生活を体験してもらい、
KLAS という学校を少しでも理解してもらおうという趣旨で企画されたツアーです。

滞在中の中学生たちのお世話をし、学校生活を紹介し、学校やレザンを案内し、一緒に食事し、一緒にハイキングする。
そんな「サマースクールお世話役」の仕事は、
生徒会役員と夏学期の2ヶ月間の生徒会活動を臨時に補助する「生徒会ヘルパー」にお願いしています。

生徒会役員もヘルパーも、募集すると応募は多数になるため、
全校の選挙によって選ばれた生徒たち。
「なぜ、自ら望んで仕事をやりたがるのか?」
そんな声が聞こえてきそうですね。

この「お世話役」に関してのみならず、
本校の生徒は概して「誰かのために仕事をすること」に対して、非常に積極的です。
「先生、そんなメンドクサイことやりたくないよ」
などの言葉は、少なくとも私は聞いたことがありません。
体育祭も文化祭も卒業を祝う会も
実行委員を募集すると、上記と同様に応募は殺到します。
毎回、選挙で人選せざるを得ない状況になるのですね。

スイスの山の上での田舎暮らし、親元を離れての寮生活。
「コンビニ」も「ゲーセン」もない中で、
「自分たちの生活を少しでも充実したものにするために、なんでも楽しんでやっちゃおう!」
そんな思いが彼らの中にあるからだと理解しています。

そしてこの「お世話役」の生徒たち10名のうち7名が、
実は中学生の時に「サマースクール」に参加して本校への進学を決意した生徒たち。
「KLAS 生ってかっこいい!自分もあんな高校生になりたい!」
中学生の時にそう思っていたと語ります。
そんな思いから自ら志願して「お世話役」になった生徒たちなのです。

何年か前には中学生として本校を訪問していた生徒たちが、
今度は「かっこいいお兄さん・素敵なお姉さん」になる番です。

このような「成長体験」を得るには、16歳〜18歳の年齢は絶妙な時期なのだと感じています。


Welcome Party

2017年07月20日 | 日記
先週のバンケットの後、レクリエーション委員会主催の初行事、
「Welcome Party」が行われました。
新入生とカナダ、日本からの訪問生を文字通り「Welcome」するためのパーティーです。

漫才、ダンス、バンド演奏、クイズ大会など盛りだくさんの内容。
パーティーの最後には「Award」の発表。
生徒にアンケートを取り
新入生と訪問生から
「最も面白い人」
「最もコミュニケーション力のありそうな人」
「最も花火を一緒に見に行きたい人」
などを選び、発表するのですね。
(「『花火を一緒に見に行く』とは?」多くの方はこんな疑問をお持ちですよね。その疑問にはいずれお答えしますね。)

スイスに到着して1週間の新しい仲間を迎えるための時間は、
楽しく温かな空気に包まれて幕を閉じました。