弔辞

先月の22日に弟子のシッペを亡くしたばかりなのですが

今月の22日に音楽仲間でギタリストのNINOこと二宮義裕君が
亡くなられました









ひと月で仲の良かった仲間を二人も亡くすのは本当に苦しいことでしたが

ニノは最後まで痛みに耐えてがんばり続けて
奥さん子供を愛し抜き
本当にたくさんの元気を周りにくれていました

心からご冥福をお祈りします


人生初めて弔辞などという役割を賜りまして
昨日はほとんど寝ずにニノに対する手紙を書いていました

長過ぎてしまってカットしようと思ったら
編集画面がどうしてもエラーになってしまって
まぁこれはこれでいいのではないかと自分で納得して
ニノに語りかけました
ていうか前日から何回喋る練習をしたか・・・
ニノは本番は「もうさっきから何回も聞いたから！」
とつっこんでいそうです

私の気持ちに対するけじめとして
このブログに記しておこうと思います

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ニノ

病気がわかってから闘病生活ちょうど1年がたちました
それからあまりにも早くあなたが旅立ちすぎて
気持ちの整理もまだつかないし
ただ寝ているだけで呼べばまた起きそうな
あなたの姿をみて信じることはできず
こんなに若くして逝ってしまったことが残念でなりません


ニノと私の出逢いは
クーペ＆Shifoで営業している府中四谷のGANBAROUに
来てくれたことから縁で始まりましたね
勝己興業の社長がギターをニノに習われていて
近くにこんな店があると紹介してくれたことが出逢いのきっかけでした

こんなにギターがうまいプロが店の近くに住んでいたなんて
と驚きと同時にとても嬉しかったのをきのうのようにおぼえています

 お酒が大好きなので焼酎を飲み過ぎると酔っ払って嬉しくなり
誰かれかまわずハグする癖があって、
クーペさんにお前も俺も日本人なんだから！
俺は絶対ハグしない！とかたくなに幾度と拒否されて
その癖が治ったこともありましたね。今ではいい思い出です・・・

ニノがGANBAROUを慕って毎週通って演奏しに来てくれるように
私もニノという存在がとても大切なものになっていきました
私は作曲をする立場としてあなたのその才能と音楽性に強く惹かれました
こんなに素敵な曲を作るひとが側にいたなんてと嬉しく思い
相棒がいたら鬼に金棒だと
将来一緒に曲提供などで仕事をしていこうと本気で思っていました

2012年にCDを一緒に作る事になり
「もう大丈夫」のデモを持ってきてくれて
「しほさんに歌ってもらいたいメロディができました！」
と持って来てくれた曲がとってもいいメロディで
そんな素敵な曲を私の声に合わせて生み出してくれたことが
本当にありがたかったです

そのメロディにクーペが詞をつけて完成した曲が
まさか闘病中だったニノが
「自分の作った歌に今の自分が励まされているなんて」と言った言葉を
忘れることができません

私の作曲していた別の曲でどうにも出来なくて行き詰ってしまって
やけになってあきらめかけて投げやりになってしまったときに
ニノがすかさず助言をくれて
「いいからすこしずつやってみよう」と声をかけて進めてくれたときが
ありましたね
ニノがあの場所にいなかったら形にならなかった命が
その一言のおかげで生まれたのでした
あなたのそういう見えないさりげないやさしさが本当に嬉しかったです
それが「分かち合おう」という歌になり
曲の通り気持ちを分かち合いながら作ってくれたこと
あのときの感謝を直接伝えないまま今になってしまいました
本当にありがとうね

沖縄のツアーに一緒に行けたことがとてもいい思い出です

伊江島という島は泥棒も海から逃げれないという事で
犯罪がない島で車も家も鍵をかけないといういわれがあるおだやかな離島で
そこに空家の平屋に泊まる事になり
4人で宿泊しましたね
間取りもまだ覚えていないまま酔っ払って寝る事になり
ニノは几帳面だから「チェロが盗まれたらいけない！」と
みんなの知らない間にすべての窓とドアに鍵をかけてくれて
電気も消してくれたのでしたね
脳梗塞の後遺症を持つクーペは
もよおして夜中に起きてトイレを探すのですが
全ての電気が消えて真っ暗な家の中のどこにトイレがあるのか
見つける事ができず
ようやく玄関にたどりついたのですが
開けようと思ってもドアがあかずあたふたしていて
結果間に合わなかった・・・という事件がありましたね
その後にニノが起きてきて電気をつけて
「くーぺさんどうしましたか？」
「クーペは　ううん。。なんでもない　寝ていいよ」
というしかできなかったそうです
そこで初めてニノがとても几帳面でとても慎重な人なんだということを
初めて知ったのでした

翌日暴露して何日もそのネタで腹をかかえて大笑いしたことが
今では忘れられないいい思い出になりました


ニノ
いなくなってしまって本当に淋しいよ　
最後の2日間の苦しみは本当に大変だったね
真理さんのんちゃんを心の底から愛していて
真理さんを一生自分で守るんだと決めて
結婚したと言っていたね
最後まで守っていたかったんだね。。
それだけがが悔しくてたまらないことだと思うよ。
痛みに耐えても真理さんが気がかりで、
愛しくてたまらなかったニノを思うとせつなくてたまらないよ。

お父さんお母さんよりも先に逝ってしまうこと
本当に残念に思っていると思う
だから必死に痛みと苦しみをがまんして
最後まで耐えて耐えていたんだね
本当によくがんばったと思います
ゆっくり休んでください

大事にしていたギターをGANBAROUで預からせていただきます
大切にします
12月13日のライブはゲスト出演が決まっていてチラシもできたのに
渡せないままになってしまいました
ニノのスペインをみんなで演奏します
たぶんあなたは「俺がいないとだめだ」とダメ出しを出して
いることと思いますががんばるね

残してくれた曲たちは今度退院したときに
録音する約束だったね
必ず形にしてNINOのCDを作るね
たくさんの人に聞いてもらえるように
ニノの生きた証を伝えていきたいと思っています

本当の弟のように思っていたよ
ニノ
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてほんとにありがとう
やすらかにね
また会おうね

合掌

2014年10月26日　岩水志保