2歳を過ぎたセタが車窓からカワイイ犬を見つけ、走る車の中で30回転している時、10歳にならんとするオレオが静かに息を引き取りました。オレオはお座りと命ずれば半日でもその場にいるような繁殖犬です。生涯で18匹子供を生み、盲導犬として活躍してる子供もいます。肝腫瘍で腹水が溜まって何にも食べないし寝たきりなんだけどと、かみさんから電話があった時、とにかく丹精込めたスープを作り一晩中なでてあげるしかないと答えました。そんな情報を聞きつけて社会人になっている我が息子・娘がどうやってお金と時間を都合つけたのか最期を見ようと愛知、神奈川、十勝からやってきました。しかし私の助言が効を奏したのかそれから1ヶ月介護の日々をかみさんは送りました。一度口にしたものは次は口にしなかったそうです。オレオ最初で最後の自己主張です。オムツはしなかった。2階と１階を担架をつかって移動した。最期はチェーンストーク呼吸だった。９年分をこの１ヶ月でなでてあげた。かみさんはさぞ介護疲れしているかと思いきや妙に晴れ晴れとしているのです。あなたの時の要領はわかったという顔なんです。
栄養士さん調理士さんの送別会を家でしました。プロを招いてご馳走するのは勇気がいります。丁寧につくること。おいしくつくろうと思って作ること。我が師匠・栗原はるみの教えにそってのぞみました。今、当院で一番チームワークが良いのは栄養かもしれません。最近栄養からのヒヤリハットが少ない理由がそこにあるようです。
今年は雪が少なく、早いところではアイヌねぎが採れそうです。そうはいってもまだ道わきや日陰には雪が残っています。ほっておけば解けるのは時間の問題なのですが、これが待てないのです。家の前の氷割をした、物置の農機具の手入れをしたといって高齢者が痛みを訴えてやってきます。ヒトはせっかちな動物です。
おいしいから半分あげるねとかみさんからもらったブロックベーコンが冷蔵庫で眠っていました。食べようと思ったらカビにおおわれていてカビの部分を切り取ったら中身はわずか。外でセタがこちらを見つめているので大量のカビの部分を与えてみました。愛犬家のNの顔が浮かびました。とんでもない飼い主だ。セタかわいそうと声がどこからか聞こえてきた気がしました。セタはオレの好きなのはこの味さと言わんばかりにむさぼり、空になった皿まで雪の中に持っていってしまいました。翌日も翌々日もセタはいたって元気です。
４２年ぶりに母校に足を踏み入れました。檜山北高の公開講座で手作り加工品の実習です。当時はなかった立派な食品加工室で行われました。コンビニへ行けば簡単に手に入るソーセージ、パン、ジャムを手作りするのです。ブルーベリーは高校生が作って採ったものです。各行程が繊細で手間暇かけないといけないのですが、講師の先生の指導が良いのと大勢でつくる楽しさか、あっという間に終わりました。年に１回しかないというのがおしい。
