[神主神気浴記]

田舎町の神職が感得したご神気の事、ご相談をいただく除災招福の霊法の事、見聞きした伝へなどを、ほぼ不定期でお話します。

参拝と神気浴

2008-07-28 | まじない うらない いのり
夏休みに時間を作ってゆっくりと神気浴を計画される方、旅行先で出合った神社へ参拝する方への参考です。

下乗
 神社の参道入り口の立て札に、「下乗」こう書いてあるのを見たことがおありでしょうか。「ここで乗り物を降りてください」という意味です。古くはここで馬を下りなさいというサインです。多くは一、二の鳥居の前に立っています。
 鳥居の内側はご神域です。神主さんたちは鳥居をくぐる時は一礼してくぐります。出る時も、出た後に社の方に向かって一礼します。

一の鳥居 
 鎮守の森が目に入ったときから、ご参拝モードに入ってください。やがて最初の鳥居、一の鳥居の前に来ます。立止して、鳥居の奥が見えても見えなくても直視します。鎮守の森全体や奥に見えるお社に視線を送り、ご参拝に来たことを心の中で念じます。それから一礼して鳥居をくぐります。そこからがご神域です。

二の鳥居
 参道は左側を進みます。ゆっくりと慎みの気持ちで、他人の家に上げてもらったときの廊下の歩き方です。ぶらぶら、ずかずか、きょろきょろとは歩かないと思います。なお、真ん中は神様がお通りになるところと思ってください。
 神さまに一歩一歩近づく、この気持ちで参道を歩むのがご神気浴の第1のポイントです。歩みながら少しずつ心の邪念や雑念を消してゆきます。身にまとわりついた汚れが剥げ落ちていき、心のポケットが空っぽになっていくイメージを意識してください。一直線に長く延びた参道には意味があることに気づかれるはずです。

手水舎
 お水舎が見えましたら、その前で立止し一礼してお作法に従って、手と口を水で清めます。
 右手で柄杓を取ります。水を一杯汲み取り、左の手のひらに掛けます。柄杓を左手に持ち替えて、右の手のひらに掛け、また柄杓を右手に戻して、左手で水をすくい、その水で口をすすぎます。両手で柄杓をまっすぐに立て、残った水を柄杓の柄に掛けて上下させ水を切ります。柄杓を戻して一礼して離れます。これらを柄杓1杯の水で行ってください。
 注意すべきことは、柄杓に直接口をつけないこと。口をすすいで吐くときに、左手で口を隠すことです。

社頭
 鳥居があれば、そこからは神さまの領域です。神さまのお庭先ですから拝座の内です。神さまとお話が可能です。ますます歩をゆっくりとさせご社頭にお立ちください。
1.日々のお蔭様に感謝を告げる。
2.現状を吐露する。願わない、聴いてもらう。
3.自分の努力する気持ちを伝える。否定語は一切使わない。
4.神威を待つ気持ちを持つ。
5.疑いの心を捨てる。
 お水舎で清めをせずに社頭に立ちますと、他の人が祓って落としていったものを拾ってしまうことがあります。お水舎があれば必ず手水を使ってください。

神気浴
 参拝の後、お社の周りを回れるようになっている所ならば一周してください。回りながら神様とコンタクトをとるイメージを持ち続けてください。回れないときは、境内に15分以上とどまり、神気が降りてくるのを待ちましょう。
 よい気が流れる空間、心地よい気がかもし出される空間を探してください。立ち止まったり、腰を下ろしてみたりすると、気持ちがスーッとしてくるような場所です。やがてすがすがしくなってきて、身体全体が浄化され、そこにいるだけでイライラやトゲトゲが取れてきます。その場の気を心身が感受し、魂が浄化されるのでしょう。気に服し、気を感受するご神気浴です。
 いろいろなお宮さんを訪ねていますと、自分がすんなりと入っていける、同化できるお宮さんに出会います。一箇所だけでなく、何々のときは何処何処へ行く。あるといいですね。


http://blog.goo.ne.jp/seiguh/e/3a72a55e66c3e99a7babfefc7ae8bde9
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巷の神々

2008-07-07 | まじない うらない いのり
 チマタノカミをご存知でしょうか。道俣神(記)といいまして、道の守り神、道路の分岐の守り神とされています。この神さんを八街彦・八街姫と呼ぶところもあります。いわゆる道の神さんです。ところが、案外道祖神と混同してる方が多いと思います。こちらの方は、塞の神(さえのかみ)、外部からの疫病や、厄災の侵入を防ぐために、村の境や集落の辻に祀られた神さんです。正式には来名戸(くなと)の神といいます。
 自分の日常にはあまり関係ないと思うかもしれませんが、車のハンドルを握る方はとてもご厄介になってる神さんです。車を新たに購入して、神社でお祓いをしてもらいますと八街彦・八街姫・来名戸三柱の神さんに交通安全をお願いしています。

 さて、むかし信仰を集めた路傍の神は、今でもむかしの村の境、むかし道の辻、橋のたもと等で、さまざまな姿を見せてくれています。自然石、加工石に刻んだ文字碑、神像、お地蔵さん、石の祠、道標をかねたものなどです。道路の拡張、宅地開発などで、多くは姿を消したことでしょうが、むかしあった場所、またはその近くに集められて並んでいる姿に出会うことがあります。その場の空気の柔らかさにほっとするひと時が味わえます。でも、新興住宅地では、自分のペットのマーキングの場所にしている人がいるようです。その地域の人の心が見えるようです。

 むかし道が、むかし山だった新興住宅地の手前で途切れているときは注意してください。石像をよく観てみると、仏さんをお守りしていたり、送る人の道しるべだったりします。むかしの葬送の道なのでしょう。地名、周辺の山との関連、行き止まり、むかしの街道との離れ具合。なんとなく判るようです。路傍の神仏の道筋はペットの散歩道にはしないことです。
 むかしの集落の入り口と判る所以外は、身をかがめて「(お庭先)失礼いたします」と念じて通ります。ちょうど七夕・お盆の季節です。迎え火・送り火はをする人達。海や川へ灯りを流す人達。古しむかしの名残です。
 
 
 

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