タイムトラベル駅長のブログ


~あの日・あの場所 旅情の彼方~
鉄道写真を中心に、タイムマシンに乗ってちょっと懐かしいあの頃へ
出発進行。

北陸鉄道・加賀一の宮駅の在りし日(1986年12月)

2009年11月02日 | 北陸鉄道
ブログ開設後2回目の旅。今回のタイムトラベルは、惜しくもつい一昨日の10月31日限りで「廃止」されてしまった駅、石川県は北陸鉄道石川線の「加賀一の宮」駅へ。



 私がかつて現地を訪れたのは、1986年の12月29日。この年の12月といえば、世間ではビートたけしが弟子と共に講談社に殴り込みをかけたフライデー襲撃事件があり、同じく12月28日には鳥取県の国鉄山陰本線・余部鉄橋で風に煽られた回送客車が40mもの橋下へ転落するという大事故も起こったばかり。
 映画「トップガン」が日本公開されたのもこの年末で、この年の日本シリーズは新人類と呼ばれ活躍した入団1年目の清原や、工藤、渡辺久信ら好投手を擁した西武ライオンズが広島カープを制して日本一になっています。

 それでは23年前のあの場所へ、出発~! 

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 高校の冬休み、暮れも押し迫った大晦日の前々日に、家の大掃除の手伝いもせず青春18きっぷを手に私はふらっと出かけてしまい、家族には顰蹙を買っていたハズ。
 東海道線・北陸線の鈍行を乗り継ぎ、14時過ぎに辿り着いた加賀一の宮駅は、石川県白山市(当時は鶴来市)にあり、全国に2000社ある白山神社の総本社とされる白山比(しらやまひめ)神社への下車駅です。
 この駅を境に北の区間の路線は石川線、南の区間は金名線と呼ばれていました。「金沢」と遠く太平洋側の「名古屋」とを結ぶ、という意気込みでつけられた線名のはずが、部分休止、廃線、さらに先日の部分廃線によって、全く見る影もなくなってしまいましたが、民間会社が本気で名古屋まで結ぼうと思ったかどうかはともかく、当時はそう唱えることで地元の理解やとりあえずの建設資金を得やすかったんでしょうね。



 訪問時の2年前、1984年の12月から、この加賀一の宮駅より16.8km先の終点・白山下駅までは運転休止扱いとなっていました。でも線路の残るその先へは普通に電車が走り出しそうな雰囲気。
 写真を見ると、ひと昔の電車では当たり前のツートンカラー、今は懐かしいオレンジと白の旧塗色。現在は東急電鉄と京王電鉄からのお下がりステンレス車が走るのみで、やはり隔世の感が。
でもこの古色蒼然とした立派な駅舎には、銀色の電車は絶対に馴染めないなあ。
 Nゲージやジオラマなどで、どうにか手元に残しておきたくなる風情たっぷりの1シーンです。(鉄コレでもそれなりにできそう?)



夕方に備え、2両に増結。


駅名票。 隣の「てどりなかしま」駅方面へは、営業休止中につき列車の運転は既にない。


 それにしても、自分の住む町から鉄道が失くなってしまう、というのは一体どれほどの心境なんだろう。



加賀一の宮駅舎。円筒形の赤いポストと、公衆電話ボックスは駅前のお約束でしたね。



加賀一の宮~中鶴来にて。 駅から徒歩数分のところには、こんな雄大な風景が存在していました。



記念に車掌氏から買ってみました。12月29日、初乗り120円。


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