sawako blog きなこと昼寝 

la siesta con KINAKO
きなことさわこの一日

麻痺?

2007-11-10 12:34:30 | 思うこと
ドレスデン国立歌劇場 来日公演「タンホイザー」第3幕のみ参加中。
昨夜はゲネプロ 神奈川県民ホールにて・・

初日のサウンドチェックは行ったら 楽器がない!
打楽器は2人で行っているが、楽譜は3人のパート。
「誰がシンバルやるのですか?オケ中でやってくれるのですか?」
「おかしいなぁ・・・オケの打楽器は今日は来ないんだよ」
ドレスデンのステージマネージャーのおじさんオロオロしてる
3幕の練習始まっているが、まだ楽器ない。
でた~~~(@ @;) これぞドイツのオケ。ハハハ・・久し振りだなこういうの。
全然驚かない。こういう仕事は当日起こるこの手の問題を楽しめるぐらいじゃないとできない。

「タンブリンとトライアングルは一人でやってください。もう一人はシンバル」
「いや、タンブリンは下手(左側)トライアングルは上手(右側)って書いてあるので一緒にやるのは無理では?」
「う~ん そうか~」(←副指揮者スコアを出して読み始める。遅いっつーの!)
で・・結局私が2つの楽器を(ヒョエ~)上手でやることになったが、やってみるとアンサンブル的に良くなくて「打楽器の場所が違う!」(指揮者叫んでるし)
昨夜は左右交代。
ゴタゴタ続きでしたが、舞台裏なんてこんなものですよ・・ハハッ

昨夜はゲネプロだったのでどうしても序曲は聴いておきたいし、早く行って客席で聴く。
あぁ~~そうだ。この軽さ(音・響き)、忘れてはいけないものだけど、やはり忘れかけている。
ベルリン留学中に最初に受けた衝撃、そして最も大切なこと。この響き。

でもいつも思うのは、音楽解釈の違いだとか、演奏のテクニックとか以前に、普段生活しているその土地の空気の違いを大きく感じる。
アジア特有の湿気を多く含んだ重い空気の中で生活し、だからこそそれに合った食べ物があり、粘り気のある美味しい食べ物を口に入れ、ベタッとした発音の言葉を話し、農耕民族の血が流れ、歩き方をする。
当然のことであり、我々は日々その生活をする。
街には音、雑音、物が溢れ帰り、情報の量とスピードは留まることなく加速する。

自分もオーケストラに在籍していたから言うことだけれど、日本のオケは大体
音が大きい。(どのオケもそうじゃないけれど)
何故こんな大きい音出さなければいけないのか、いつも疑問だった。
響きだけあればいいのに。。美しい音を出していればどんなに小さな音でも通るんだから。。
大きい音を出すから、余計にどんどん音を重ねて大きく大きく絶叫するようにさえなる。ある種の「麻痺」か?
「麻痺」しなければやっていけないのか?と悩んだ事さえあった。
うん、マヒしたら楽なんだろうな~と思った。
それは日本という、東京という、雑音の重なり合う生活にも原因はあるように思う。仕方ない、ここで生活しているのだから・・それに日本好きだし東京好きだし。
携帯電話、メールに依存し、慌しい生活を送る。
昨日の自分はまさに、移動中 仕事中にエキストラ探しや楽器の発注、主催者との打ち合わせまでこなしていた。反省・・・。

音楽家なんだったら、その中で意識して静かに集中して 雑音や余計な情報を排除し、「美しい響き」を追求する方法を探し、やらなければいけないのにね。
そしてなんでもその「せい」にしないで、大好きな日本で心静かに生きることが
大きな課題かな。
イカンイカ~ン!昨夜の音を聴いてハッとした。
乾いた空気に伝わる羽が舞うような発想のこの音。。
大きい音なんていらないのだ。
思い出させてくれてアリガトウ!
それだけでも昨日は十分な一夜だった。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
11/13 (とし)
2007-11-17 01:01:35
タンホイザー、行きました
11/13は私の誕生日でして、自分への誕生日プレゼント
としてチケットを買いました

2階席中央で見ました

385さんが出てるとは思いませんでした><

昼間は上野動物園に生まれて初めて行き、
生まれて初めてアメ横に行きました(汗)
上野って、本当に文化会館とのお付き合いしかなく、
あの公演口改札と横断歩道しかしらないに
近かった...反省...

ばらの騎士とサロメも行くことを計画中です
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おめでとうございます! (sawako)
2007-11-17 23:38:50
まぁ!お誕生日おめでとうございます
素敵なご自分へのプレゼントですね!いいな。
今日もやって来ましたタンホイザー。。
としさんのmixiには厳しい感想だったように思いますが・・・。お客様って厳しいですね。
動物園行けてよかったですね~
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