徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

銀河旋律 (2011年)

2014年09月21日 | 舞台


キャラメルボックスのいわずと知れた代表作。2011年版完全トリプルキャスト、に心惹かれてDVDを入手、土曜日の夜に3本を一気見しました。(1作品=60分少々なので徹夜にはなりませんでしたが、結構なボリュームでした!!)


ところでこの『柿本家サーガ』シリーズ、私はどこかで一度(映像ですが)見たことがあります。大森さんがおばあちゃん役でしたので、多分『広くてすてきな宇宙じゃないか』ではなかったかと。1992年か99年?その時の柿本役はもちろん、西川さんでしたので、今回の3人(どなたも大好きな役者さんですが)の競演は想像がつかない、ちょっとドキドキ、結構わくわく、1皿で3回美味しい的な楽しみがあったのも「一気見」の理由です。





≪あらすじ≫ 公式HPより
タイムマシンが実用化された時代。「ニュースプラネット」では、今日もタイムトラベラーが引き起こした事件について伝えていた。その最中、ニュースキャスター・柿本光介は軽いめまいに襲われる。柿本の過去がまた改変されたのだ。
柿本と高校教師・はるかの過去が変えられたのは、これで二度目。それは、二人の仲を引き裂こうとする、はるかの元同僚・サルマルの仕業だった。サルマルの企みを阻止しようとする柿本。しかし、翌日、またしても過去が変えられてしまう。柿本は、すぐにはるかに電話をする。しかし、はるかは一年前にサルマルと結婚していた。はるかを取り戻すため、柿本は地位も名誉も捨てて、過去へとさかのぼることにする。



≪キャスト≫ 敬称略

■ BLUE 
柿本:大内厚雄
はるか:岡内美喜子
ヨシノ:坂口理恵
アリマ:大森美紀子
タケチ:小林千恵
オオツ:稲野杏那
クサカベ:井上麻美子
ヤマノウエ:石原善暢
サルマル:西川浩幸



■ RED
柿本:阿部丈二
はるか:實川貴美子
ヨシノ:岡田さつき
アリマ:石川寛美
タケチ:林貴子
オオツ:森めぐみ
クサカベ:原田樹里
ヤマノウエ:筒井俊作
サルマル:岡田達也



■ GREEN
柿本:畑中智行
はるか:渡邊安理
ヨシノ:温井摩耶
アリマ:伊藤ひろみ
タケチ:左東広之
オオツ:鍛治本大樹
クサカベ:多田直人
ヤマノウエ:小多田直樹
サルマル:三浦剛



名前が飛鳥時代の歌人や皇族から採られているのにニヤリ。そして劇中で和歌が効果的に織り込まれているのにも「ほほぅ」と思ったり。ですが正直に言いますと、タイムトラベル系の小説や舞台はほとんど読んだり観たりしてこなかったので、実はちょっと苦手意識があります。「そんなバカな」と、頭の片隅で冷静にツッコミしてしまったり、展開に無理があるところはどうしても「いやいやそれはどうなのよw」と気になってしまったり…(^^;その辺も含め、劇場ではなく、週末の晩にのんびりビール片手に映像を観る分には面白いものです。

主役・柿本のお芝居対決が楽しみだったので、コメントは軽め+そこを中心に。
キャスト表を見て、かなり悩んだ挙句に「青→赤→緑」の順番で行ってみました。

ところで何故「青」「赤」「緑」と名前がついていて、何故この振り分け方なのか?!戦隊モノ?(^^;それぞれの役者さんのイメージカラーと言われれば、そんな気もしなくもない…ですが。





BLUE
まずは大内さんのBLUEから!派手過ぎないけれどもちゃんと華がある存在感、役柄の「民放系のニュースキャスター」らしく見えました。話の荒唐無稽さはさておき(やっぱり言ってるw)そのクールな出で立ちとは裏腹に熱い男、変えられてしまった運命を取り戻そうと全力で走り回る柿本の一挙手一投足に「キュン死…!」←してていいのかwと自分にツッコミ入れてたり。いやもう、スーツ姿がひたすらカッコいいvその中でふっと垣間見せる悩みや迷いの表情、情けない姿がまたオトナの男っぽくてグッときます(オトナの男過ぎて、はるかのことで全て投げ打つ感が「え~w」と思わないでもなかった)…ヨシノさんステキだし(坂口さんだしw)他の共演者とのバランスの良さ、イメージ的な納得度合いを含めて、3つの中では一番「いいな」と思ったバージョンです。


RED
次に阿部さんのRED。同じくバッチリ決まるスーツ姿なのですが、何故か柿本がキャスターではなく「仕事のできるサラリーマン」にしか見えない…髪形のせい?(苦笑)相変わらず、とっても「よく考えられた」お芝居に安定感はあれど、華やかさがもうちょっと欲しいなあ、とも。その身近な感じで油断してw見ていたら、いっちばん最後のシーン「あなたに会うのをずっと待っていました!」でカメラに向かって直球であの真摯な眼差しと良い声の台詞!いやはや。何と言う「ど・ストライク」!ハート撃ち抜かれましたねw 『鍵メソ』を思い出して「早くリハビリ終わって一日も早く舞台に復帰してください、既に冬公演が待ちきれません!!!」と思わずTVに向かって愚痴る私でしたw岡田さつきさんのヨシノさんは姉御!って感じで、良いカップルにも見えました。


GREEN
最後、かなりハードルが高くなったところに大トリのGREEN。再生して…舞台が明るくなった瞬間「えっw(^^;」ここ笑うところじゃないのに!そして止めを刺したのが男子高校生トリオが叫ぶ「TVで見るよりちっちゃ~~~いwww」(腹筋崩壊)すみません、この時点で既にワタクシ、畑中さん=柿本がキャスターとは違う何かに見えていたようです。GREENはコメディ色強めだったのか?!「モフモフな可愛さ」先行で、どうも「トキメキ度合い」が今一つ…このあと巻き返しが来るか?!それともこのままモフり状態で終わるのか?!と思ってましたが…う~む。そもそも柿本が可愛いって、反則じゃないか?!orz ここのヨシノさんは温井さん、3バージョン中でいちばん若い?せいか、言動が自分にもどこか覚えがあるような既視感、「妙にリアル」なんだけど、柿本を子ども扱いできるほどの「お姉さま」って感じはなくて、やや落ち着きませんでした…。


しかし、共通して言えたのは「どのバージョンの柿本も、声がステキ!v」舞台役者さんの命は声だ!と常々思っておりますが、私はキャラメルではこのお3方の声がすごく好きでして。聞いてるだけで耳福~vな1時間でもありました。





余談
「スーツ萌え」としては、三人三様のスーツの色合いやシャツやネクタイとの合わせ方がまたジワジワきましたw2ボタンなのか、3ボタンなのかで印象も変わるし、黒色がかったグレーなのか、明るめのグレーなのか、青みがかったグレーなのか…見ていて飽きない楽しさでした。あと、1シーンだけ羽織って出てくるコートの色や丈もちゃんと違うし、持っている携帯(ガラケーですが)の色も違う…「そこ見るとこじゃないw」と言われそうですが、こればっかりはお家DVD鑑賞ならではの気楽さです。

キャラの造形的に、はるかよりもヨシノさんのほうが印象が強かったせいもありますが、3本のうちでは大人の女性感ナンバー1、坂口理恵さんのヨシノさんが好きですね。はるかにしても、ヨシノさんにしても、同じ台詞で同じシナリオのはずなのに演者や絡む相手が違うとこうも変わるか、というのは連続して見比べる楽しみでもあります。ちなみにお天気予報のアリマさんは石川さん一押しでお願いします。声!!声が!!さすがwww

高校生3人組は、文句なしでREDに太鼓判。男子も面白かったけど、あの女子高校生のパワーは…あんな高校生いたっけ?!と自分の過去を振り返ってしまうほどwそもそもリアル高校生に日常接する機会はほとんどないので、実際あんなもんなのか、それとも「20年位前のステレオタイプイメージを誇張したもの」なのか、迷うところですw

そして悪役のサルマル氏。岡田さんはやはり「思い切り悪い役」が似合うことこの上ないのでちょっと物足りなく、三浦さんは逆に「ごく普通(どうしても良い人っぽく)」に見えてしまい、それぞれ個性的ですが…う~ん、もう少し見ないとわかんないかな、と。一方でこの役のキモである「横恋慕感」がハンパなかったのは、やっぱり西川さん!台詞回し(滑舌)に関してはもう仕方のない部分があると割り引きますが、それでも!「薄気味の悪さ」「黒幕」という意味での存在感は、この方しか出せていなかった気がします。出番は少なくてもゾクリとしました。ボーナストラックでの菅野さんにはひたすら楽しませていただきましたがwww


☆ 


同じ柿本でも全然違う3人を堪能できたように、作品として一長一短でもあり、一作品ごとに唯一的な面白さもあり…なかなか経験できない、贅沢な芝居3本一気見でした♪買って損はなかったです!