アメリカ兵

ミーティングの際に口にした上司の言葉が気に入らなかった。。。
思いやりのない言い方は嫌い。
それに対して、上司が嫌に思えた私自信も嫌で、ムカムカ気分だった。

郵便局で、順番を待っていたらお爺さんに声をかけられた。
「どこから来たの？」「日本からです」

「そう思ったよ」
ん？ナンパかい？戸惑う私に会話は続き、

「昔、日本に住んでいた事があってね。1945年前後の数年、、、君は産まれてないだろうが」と。

日本にアメリカ兵として、日本に滞在していたと言うお爺さん。
私はてっきり日本嫌いのお爺さんに、文句でも言われるのかと思ってしまいドキドキしてしまった。
しかも、終戦前後って、、、。“あ～嫌味でも言われるんだろうな”って構えてしまった。

ムカムカしていた事もあり、ネガティブにしか取れなかった私に、お爺さんは

「モリオカって所知ってる？本当に素晴らしい所だよ。雪景色が言葉で表せない程、とっても綺麗なんだ。サッパロ（札幌）も素晴らしい所だったな。日本に降る雪は真っ白なんだよ!!」

日本の素晴らしさを日本人の私に伝えようとしていた、彼の目がキラキラしていた。
構えてた自分が情けない。。。。ごめんね。

「あ～、思いだすな。。あれ以降、訪ねる機会がなかったけど、日本は素晴らしい国だよ。君達はなんてラッキーなんだ。」

なんだか、涙がでそうになった。。。。お爺さん、ごめんなさい。

日本について少し会話をした。
「あなたと話が出来て良かったです。SAYONARA!!　覚えてますか？日本語？」

「もちろん覚えているよ、KONBANWA! ARIGETO(アリガト）! And SAYONARA　今日は君たちと話が出来て幸せな気分だ。SAYONARA」 と手を振って郵便局を去っていった。。。

日本に対して素敵な印象も持ち続けているアメリカ兵がいたんだっという事と、この人なら終戦後に日本人に対して“対人間同士”として付き合える人だっただろうなって思った。

 

言葉の使い方次第で人に与える印象も変わる。

素敵な人から素敵をたくさんもらいたい。
私も素敵をたくさん伝えたい。

人から与えられた“ムカムカ”はこのお爺さんとの会話で消去され、彼に心を少し綺麗にしてもらった様な気がした。

私もそんな人になりたい



★T★

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