在宅診療の現場より

さくらホームケアクリニック 兵庫県川西市

神戸漢方フォローアップセミナーに参加してきました

2015-04-29 21:51:32 | 院長

4月26日(日)、『神戸漢方フォローアップセミナー(於 スペースアルファ三宮)』に行ってきました。

久しぶりに漢方の勉強会に参加することができました。しかも講演内容は非常にわかり易く、大変有意義な時間でした。

富山県で開業されている谷川聖明先生が講師を務めてくださいました。

漢方の基本から実際の処方に至るまで、

従来の症状別・臓器別漢方処方ではなく、漢方医学的な考え方を教えていただきました。

漢方を大きく陰と陽・虚と実の4つに分類し、

まずは患者さんの体調がどのカテゴリーに当てはまるかを決定、

気・血・水のパラメータと、腹診・舌診・脈診からさらにどの漢方を処方するかを絞っていく、

処方が合わなければ試行錯誤で処方を決定していく、

なるほどと、私のような漢方初心者でさえ漢方学的なアプローチができる(気に?)なりました。

西洋医学的アプローチが

 問診・診察・検査⇒診断⇒治療方針・処方の決定だとすると

漢方学的なアプローチは

 問診・診察⇒処方⇒トライ・アンド・エラーで処方を決定していく、ことだと思います。

漢方には検査や診断(病名を決定)というプロセスがない分、処方の選択肢は広くなり、正しい処方の決定・打率向上には経験が必要となります。

日常診療では西洋薬の限界を感じることが多々ありますが、

漢方という選択肢・引き出しを持つことで、患者さんに恩恵がありますように

今後も勉強していきたいと思います。

さくらホームケアクリニック院長 久保雅弘


第1回 川西市中央地区会で講演しました

2015-04-29 20:47:27 | 院長

2015年4月25日 アステホールに於いて

『第1回 川西市中央地区会ー川西市の地域医療の現状ー機能分化と連携』の会合で講演をさせて頂きました。

医師会の先生方が参加して下さいました。

【骨子】

医療制度の変化はここ10年以内に劇的に変化し、現在のように気軽に医療を受けることが困難となる時代が到来すると考えます。

①超高齢社会とそれに伴う医療費の増大により、医療制度の劇的な改革が必至となる

②医療制度の改革により、医療機関の診療および在宅での診療・介護も変化せざるを得なくなる

  病院の統廃合により病床数が半減し、急性疾患以外の入院は困難となる

  診療費は上昇し、患者負担は増大する

  外来通院は現在のような月に1回ではなく、2~3ヵ月に1回となり、調子が悪くなった時に臨時で受診するようになる

  診療所の経営は厳しくなり、外来通院診療だけではなく往診が必須となる

③その大きな医療制度の変化の中で、地域医療および在宅医療と介護を維持するのは非常に難しくなる

  それでも地域医療および在宅医療・介護を維持していくにはどうしたら良いのか。

  医療制度改革によって無駄をなくし、合理化し、さらに限られた医療費を適正に分配する必要がある

  地域に新しい資源ネットワークを創出していく

  地域医療および在宅医療・介護を堅守するには、医師会をはじめとして介護・福祉・地域住民が一丸となる必要がある

  と訴えました。

  医療・介護・福祉から見放された『難民』を川西市から絶対に出さない、そのためには多くの方の力と知恵が必要です。

  『氷河期』ともいえるこの時代を全員で乗り越えましょう!!!

さくらホームケアクリニック 院長 久保雅弘