駅へ行くのに、私は大通りを避け、なるべく裏道を行く事にしている。そのほうが歩く道すがら色々な発見があるからだ。道の途中に、通称ゴミの家がある。家はボロボロで、なにやら冷蔵庫やクーラーなどの廃品から部品を取って売っているらしく家の外までガラクタがはみ出していて、本当に大型ゴミ置場のようである。一年中饐えた臭いがし、その前を通る人は必ず顔をしかめる。そして、驚いたことにその隣は八百屋だし、もう片方の隣は白い洋風の一軒家である。よく、裁判も起こさずやってるよなあと人ごとながら感心する。朝、チャリンコを飛ばしてその家の前を通ると、そこの住人、ホームレスにしか見えないじいさんが朝日を受けながらしゃがみ込んで、シケタ煙草を吸っていて、その隣には同じように汚い白い猫が静
かに座っている。人に人相があるように猫にも猫相があるんだなあと、その猫を見ると思う。じいさんにそっきりなのだ。汚らしさと目付きが。私がそのようにじっと見ているから、時々目があう時がある。そんな時はいや~な気分になり、煙草なんか吸ってないで早く部品を取って片付けなよ!じいさん!と心の中でつぶやく。そんな、やっかいで、わずらわしいゴミの家が、ある日きれいさっぱり片付けられていた。入口には木の板が打ち付けられていて、ここにゴミを置かないで下さい。家主.と書いてある貼紙があった。ゴミと共にじいさんが消えていた。ここにゴミを捨てないでって、自分が拾って来たんじゃ...と思った時、もしかしたら心ない人達がゴミの家をいいことに、不法投棄していたのかもと思った。じいさんは
それを片付ける気力も体力もなく、日に日にゴミだけがうずたかく積まれていたのかもしれない。そうだとしたら、じいさんも可愛そうだったなあと。あんなに目障りで汚らしい存在が、じいさんのそこに生きていた存在であり、それがない今、たしかに道はきれいになったけれど、なんとなく寂しい気がするのは私だけだろうか?あの汚らしい猫も姿を消してしまった。隣の八百屋もなんとなく寂しそうだ。やっかいだった分だけ、人間の存在があったなあと、ちょっと心がつんとした。
かに座っている。人に人相があるように猫にも猫相があるんだなあと、その猫を見ると思う。じいさんにそっきりなのだ。汚らしさと目付きが。私がそのようにじっと見ているから、時々目があう時がある。そんな時はいや~な気分になり、煙草なんか吸ってないで早く部品を取って片付けなよ!じいさん!と心の中でつぶやく。そんな、やっかいで、わずらわしいゴミの家が、ある日きれいさっぱり片付けられていた。入口には木の板が打ち付けられていて、ここにゴミを置かないで下さい。家主.と書いてある貼紙があった。ゴミと共にじいさんが消えていた。ここにゴミを捨てないでって、自分が拾って来たんじゃ...と思った時、もしかしたら心ない人達がゴミの家をいいことに、不法投棄していたのかもと思った。じいさんは
それを片付ける気力も体力もなく、日に日にゴミだけがうずたかく積まれていたのかもしれない。そうだとしたら、じいさんも可愛そうだったなあと。あんなに目障りで汚らしい存在が、じいさんのそこに生きていた存在であり、それがない今、たしかに道はきれいになったけれど、なんとなく寂しい気がするのは私だけだろうか?あの汚らしい猫も姿を消してしまった。隣の八百屋もなんとなく寂しそうだ。やっかいだった分だけ、人間の存在があったなあと、ちょっと心がつんとした。