北イタリア美術巡り 建築編 2

2016-10-10 21:53:25 | 美術館
西洋建築はちょっと難しい気がしていたのですが
ひょんなことから パッラーディオという
イタリアルネサンス建築の巨匠のことを知り
その建築群があるビッツェンツァという町に足を運びました
ミラノからパドバに行く列車を途中下車しました
駅に荷物預かりがあると思いきや・・・・なかった・・・
建築群のある市内まで 重いトランクを引きずって参りました
欧州はほとんどが石畳・・・・いやはや翌日筋肉痛になりました

パッラーディオはギリシャやローマの建築を深く学び
その上に独自性を持った建築を作り上げていった人でした
オーダーのことや建築の構造計算などは まったくわからないですが
とにかく見た目がすっきりして シンメトリックな几帳面な完璧さを感じました

いちばん有名なシニョーレ広場のバシリカをご紹介します
よく見ると二段になっている列柱の間隔が違うのですが
丸い窓?を空けたりすることで 整然とした外観を作り出しているそうです



パッラーディオ博物館もありました
彼の業績をたたえて作られた博物館でした
今までの建築素材はすべて大理石のような石でしたが
彼は木材にスライスした?石を張り付けるなどしてコスト削減を考えたそうです
古代建築を基礎に独特の斬新なアイデアを持った人だったようです
そしてそれらは巨大な現代建築の基礎的な考えとなっていったそうです
英語とイタリア語なので詳しいことまでは理解できませんでした (涙)



こちらは キエリカーティ宮
まるでレース模様の宝石箱のようでした




また 彼は劇場も設計しました
オリンピコ劇場と言います
古代ローマ円形劇場を発想のもとにして設計されたそうです
舞台上パースペクティブを駆使した町を再現しています
実際に客席に座ってみてみると 奥行きにある世界が
舞台の奥に広がっていました










オリンピコ劇場の前庭も素敵でした

ちなみに パッラーディオの建築群は世界遺産登録されていて
ガイドをつけた熱心な建築ファンが少なからず見受けられました
ただ ものすごい数の観光客ではなかったです
ビッツェンツァ郊外にある別荘が
パッラーディオの設計した建築の中での最高傑作なのですが
そこに行く時間はありませんでした



ベネチアにもパッラーディオの設計による教会が二つありました
本島から見える美しい教会二つがそれです
パッラーディオはサンマルコ広場から見て美しく見えるように設計したそうです

まずはジューッデカ島にあるデレントーレ教会を紹介します
これは彼の死後1577年から1592年にかけて建設されました



この島に教会をたてるためのコンクールが行われ
それに優勝したのがパッラーディオだったのです
バシリカ式をもとにして造られています
ゴシック建築の十字にクロスする構造の難点を克服し
この教会を自らの理想の教会像としたそうです
正面のペディメント(三角の破風)二つも
すっきりと四本の柱内に収めることに成功しました



堂内の天井も 私たちが見慣れている教会の天井とまったく違っていました
すっきり簡潔に・・・そんな思いがパッラーディオの思想の根底にあるのかな
・・・と ど素人の私は考えたりしました



もう一つは サンジョルジョ島にある マッジョーレ教会です
こちらもボバレットで近づくときにはドキドキするほど美しかったです
この教会は ティントレットの最後の晩餐があることで知られています
上のデレントーレ教会との正面の違いを比べてみてください
(よくわかんないけど^^;)どのようにして
デレントーレ教会が 四本の柱の使い方やペディメントの配置を
簡素化させていったがわかるような気がします・・・よね(言い切る自信がない)




どちらが好みかと言えば 甲乙つけがたく・・・とにもかくにも 
両教会ともラグーンに美しく羽を休める白鳥のように見えました


最新の画像もっと見る

コメントを投稿