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2021/09/10

2021-09-10 11:18:00 | 日記




夏と花火と私の死体

作者 乙一
発行日 1996年
発行元 集英社

本作は、乙一のデビュー作。執筆当時、作者は久留米工業高等専門学校に在籍し、16歳であった。作品の世界観に地元福岡の風景を用いたが「昭和の風景がよく書かれている。」と評価された。第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞集英社)を受賞。文庫本の小説には『優子』も収録されている。

ストーリー
九歳の夏休み「わたし」は友達である弥生ちゃんにあっけなく殺される。弥生ちゃんは自分が殺したことを隠し、兄の健くんに相談する。そこで健くんは「わたし」を隠してその時頻発していた誘拐事件に偽装することを提案する。大人たちの追及から逃れながら死体を隠そうとする幼い兄妹を、死体の「わたし」の視点で書いたホラー小説。

登場人物
五月(さつき)
「わたし」。弥生に殺害された少女。密かに健を思っていたが、弥生にその事実を知らせてから殺された。五月は途中から死んではいるものの物語の語り役を担っており、徹頭徹尾五月の言葉で描写されている。五月の消息が不明になり、捜索隊に発見されかけたが健によって結局五月の死体発見には至らなかった。
弥生(やよい)
五月の友人であったが、五月が健に好意を寄せていることを知り、五月を殺した。また健には事故だと嘘を吐き、五月の死体を遺棄することを強く願った。健が好きな緑に似せて髪を長くしているが兄妹という立場のせいで思い合えないことに不満を感じている。冷静沈着な健と比べて臆病な行動が目立って描写されている。
健(けん)
弥生の兄。緑に好意を抱いている。緑に五月の死体を発見されかけた際は酷くおびえていた。また前述の通り性格はいたって冷静沈着であり五月の死体遺棄の際にも大きく活躍した。弥生が健を思っていることには気づいていないようではあった。
緑(みどり)
弥生と健の従姉。アイスクリームの工場で働いている。髪が長いのが特徴的であり、顔が端整であることなど美人であると描写されている。
66(ろくろく)
村に住みつく野良犬の白い雑種犬。獰猛な性格だが、緑だけに懐いている。五月の靴を持っている。


健も緑も死体を隠蔽しようと思えば簡単にできたはずなのに(頭脳派)、わざわざ見つかりそうなところ(かと言って見つからない)に隠しておくのは、その方がスリルだからと思う。サイコですかね~

弥生ちゃんの死体隠し中に何度も本当に見つかるっていうギリギリのところまでもっていて、その都度健くんが機転を利かしてうまく回避していく。最初のうちはそれが運が良かったからと思ってたのも、何度もギリギリセーフを見てるうちに、これは健くんがいわゆるサイコパスだからっていうのに気づいた。

サイコパスの特徴、「ありえない嘘をついても平然としている。残虐な殺人を犯しても、全く反省することがない。口達者で社交的なため、面白くて魅力的に見える。性的に奔放で、色恋沙汰が絶えない。過去の言動を平気で主張する。自分の非を認めようとせず、何か問題が発生すると他人のせいにする。」

作中健くんは誰一人殺してはいないけど、ただ言動をみてるとやったことがあるかもしれないし、なくてもこれからやるであろうのは簡単に想像できてしまう。

読み終わったときは、なんだ意外とあっさり終わったねぐらいだった感想が、時間経つにつれて自分の想像がプラスされじわじわと恐怖が広がっていく。

読みながら自分の脳内に文字で作られた場面たちが、読み終わったあとから、自分の想像力によって無限に広がって、まるで映画のように…

また一本おもしろい映画をつくってしまった…
なんちゃって、



2021/09/04

2021-09-04 22:17:00 | 日記
読書メモ

連続殺人鬼カエル男

中山七里

発行元 宝島社
発行日 2011/02/18
ジャンル ミステリー

あらすじ

埼玉県飯能市にあるマンションの13階で、フックでぶら下げられた女性の全裸死体が発見された。そばには

「きょう、かえるをつかまえたよ。」

という一文で始まる、死体の惨たらしさとは対照的な、まるで幼児が書いたかのような稚拙な犯行声明文があり、現着した埼玉県捜査一課の渡瀬古手川は薄気味悪さをおぼえ、検死を担当した光崎藤次郎や、テレビでも活躍する犯罪心理学の権威・御前崎宗孝はその異常性に言及する。そしてそれからわずか4日後、同じ飯能市内で廃車工場のプレス機に圧し潰された第2の犠牲者が犯行声明文と共に発見されると、マスコミは捕まらぬ犯人を「カエル男」と名付けてセンセーショナルに取り上げ、埼玉県警には2000を超えるタレ込みが寄せられる。その中に名前があり、過去に性犯罪や殺傷事件を起こし、なおかつ飯能市に土地勘がある者からあたっていくと決めた渡瀬と古手川は、4年前に幼女を監禁・絞殺したものの、カナー症候群と診断されて不起訴のまま措置入院し、現在は保護司・有働さゆりの保護観察下にある当真勝雄を訪ねる。当真はさゆりのピアノによる治療を受け、歯科医院で雑用の仕事をしながら穏やかに暮らしていた。調査対象として接しなければならないと思いながらも、さゆりやその息子の真人、そして当真にも好感を抱いていた古手川だったが、初対面からわずか2日後、真人がカエル男の第3の犠牲者となってしまう。怒りに我を忘れそうになる古手川を諫めながら、渡瀬は状況を冷静に見つめ、3つの殺人が全て飯能市内でアイウエオ順に行われていることに気づく。埼玉日報の記者・尾上善二もこれに気づき、事態を詳らかにしてしまうと、市役所、精神患者の収容施設など、ありとあらゆる場所に異常犯罪虞犯者リストを求めた市民が押し寄せ大パニックとなる。しかしカエル男の犯行は止まらず第4の殺人が発生。ついには飯能警察署内で市民による暴動が起こり、渡瀬と古手川も身動きがとれなくなってしまう。当真らの身を案じた古手川はなんとか警察署を抜け出し救助に向かうが、そこでなぜこの4人が殺されたのか、その本当の共通点に辿り着く。