山を降りてまた山の中の人気の無い神社で一服。ココにはなんかいるであろう神々しさが漂う。自然の声を聞く。幻覚か幻聴かわからないけどソレは確かにこう言ったのだ。
「・・・・・・」
ふ~ん。これが神のお告げなのだろうか?よくわからないまま山を下りいつもの寂れた温泉センターへ。ココは落ち着く。いついっても空いてる。昭和の匂いとバブルの香り。子供の頃、親に連れて来られたんだけど当時は活気があったな。今は・・・。でもココ独特のにおいがワクワクしてた幼心を呼び起こす。お風呂に入り仮眠室で昼寝。キャンプの朝は早かったからカズも眠かったんだろう。あの言葉の意味を考えながら深い眠りについた。
何時だろう?もう外は暗いみたい。もう一回風呂入ってビール飲んで施設を後に。
何処へ行こうか?
帰りたくない病の二人はこの後二、三日は帰らなかったと思う・・・
カズは言った
「バイクで北海道へ行こう!」
オレは
「カリブ海が見たい・・・」
そんな非現実的な事を口走りながら帰路についた。
あれから数日が経ち、今頃になって
「これからフェリーで青森から北海道だよ~」
とカズから連絡が来た。やっぱ行ったか(笑)次はバッツに囲まれながら連絡をくれるそうだ。
その時オレは・・・
日本のカリブにいたぜい!!
あぁ~もう最高だ!昼間からビール飲んで海沿いをお散歩。暗くなるまで歩いたね。夕焼けと空の青のグラデーションが最高だったけど写真は撮らないでその瞬間をしっかり目に焼きつけてきた。夜になってその街は別の顔をのぞかせる。
チャンダンの香りと、窓から見える最上階の夜景と、テキーラ”マリアチ”の独特な後味の悪さを喉に残しながらカリビアンナイトは更けてゆくの・・・