あ、安倍礼司放送内容チェック

放送内容を書きこみます。

12月3日放送内容②

2007年03月22日 19時41分30秒 | 2006年12月
N  「安部礼司は、仕事の疲れと炊飯器を抱えたまま、いつものように自宅近くの

   コンビニに寄ったのである。



○コンビニ・店内



店内に入る安部。



店員 「いらっしゃいませ」



安部 「ふぅ・・・。あっ刈谷」



刈谷 「ふうーうわぁ。あ、安部総理大臣」



安部 「なんか、でっかい荷物持ってるなあ」



刈谷 「ああこれ?任天堂のゲーム機Wiiさ。君のその大きな包みは」



安部 「あ、これ?炊飯器」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっ出ちゃったねえ。流行に敏感な人は、

   どっちかってね」



安部 「いいだろ。誰だってご飯は食べるんだから」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっ、うい~ねえ~そのなんとも平均的な答え。

   けっして、嫌いじゃないよ」



店員 「あーすいません、そこ入り口なんで、荷物置かないでもらえます?」



安部・刈谷「すみませーん」



大場N「先月発売されたプレイステーション3は、ブルーレイディスクやCellプロセッサ

   などあらゆる新技術を導入することにより、次世代ゲーム機として注目を集めてい

   ます。発売元の、ソニーコンピューターエンターテインメントは、プレステ3を

   コンピュータでありゲーム機であると位置づけています。

   そのライバルとされる任天堂のゲーム機Wiiは、同じ次世代ゲーム機ですが、

   何より安い!プレステ3のおよそ半分の金額です。あなたは、どっちにする?」



店員 「ちなみに、私はプレステ3、朝4時に並んで買いました。あ、お客さん、荷物

   ここに置いて」



安部・刈谷「はーい」



   刈谷、荷物を置く。



刈谷 「よいしょっと。なーんか、この店で会う時の安部君は、いつも元気がないねえ」



安部 「そんな事ねえよ」



刈谷 「フフフフッ!」



安部 「なんだよそのツッコんでほしい的な含み笑いは」



刈谷 「いやあ、何でもない。フフフフフッ!」



安部 「変な奴だなあ。さあて、いつものように発泡酒とヨーグルトを買って、いや、

   今日は、明日の朝用のパンでも買おうかな。いや、入浴剤も切れてたんだ。

   て何でコンビニって色々買っちゃうんだろう」



刈谷 「気が多い所は、アンタのおとうちゃんにそっくりやなあ~」



安部 「誰の真似だよ」



刈谷 「選べない。気が多い。それ不幸を招くかもよ」



安部 「え?何だよ、その全て知ってるかのような発言」



刈谷 「家政婦は見た!」



安部 「え?」



刈谷 「再現しよーう!」



   火サスのテーマ曲が流れる。



刈谷 「神保町は三省堂の二階にある喫茶店、ピッコロ。

   2人の女性が向かい合って座っていた。一人はまぁこんな感じでこうなっていて

   まああとここがビヨーンと」



安部 「ゼスチャーじゃ分かんないって」



刈谷 「平均的な会社大日本ジェネラルのアイドル倉橋優」



安部 「最初から名前言えって」



刈谷 「そしてもう一人は、あのね、ここがね、この鎖骨のところが」



安部 「だから、ゼスチャーじゃ分かんないって」



刈谷 「どこだかの洋服屋さんの店長をしていたあーなんて言ったっけあのーそのー」



安部 「まっまさか」



刈谷 「加奈さん」



安部 「てお前が言うなよ!ほんとかよ」



刈谷 「どんな会話していたかっていうとねえ」



   火サスのテーマ曲から、古畑任三郎のテーマ曲に切り替わる。



   刈谷、優と加奈の二役をする。



刈谷 「(優)あべれーじくんはー、わたしのことがすきなんですけどー、

   (加奈)そ、そんな、安部さんは、安部さんは」



安部 「嘘だろう?」



刈谷 「(優)優はー、あべくんとやくそくしてるんだからー、

   (加奈)加奈りんだって、加奈りんだって!」



安部 「加奈りんとか言わないし」



刈谷 「あーっはっはっはっはっ何か火花散ってたよー」



安部 「デタラメ言うなよ」



刈谷 「いやー今日ばかりは、ちょっと嫉妬したなあ」



安部 「え?」



刈谷 「自分が争いの中心にいる。ビジネスじゃいつもの事なんだけど、

   女性となると話は別だなあ」



安部 「別に、そんなんじゃ」



刈谷 「安部君、選ぶってのはさあ、選ばれるってことでもあるんだよ。

   捨てるってのはねえ、捨てられるってことなんだ」



安部 「なんか、分かったような分からんような」



刈谷 「君には荷が重いかな?」



安部 「そ、それでさあ、その後どうなったんだよ」



刈谷 「それがさあ、聞いてくれる~?僕が二人の席に割り込んで座ってさあ、

   ホットケーキ頼んだらさあ、何と何と、2人ともいなくなっちゃったんだああ。

   ああ、これってさあ、これって、おじゃまんが山田くん?

   これって、嫌われ松子の一生?うあ~ああ、うわーうわうわうわ、ホットケーキ

   食べるまで、待ってくれてもうい~じゃない!」



   古畑任三郎のテーマ曲終了。



安部N「そうか。加奈さんやっぱり来てくれたんだ。なんだろうこの嬉しいような、

   恥ずかしいような気分。優ちゃんと会ったって聞いて、感じる複雑な思い。

   ああ~どうしよう。俺、こんな思い経験したことないよ。

   ねえ、誰かいい仲介業者、知りませんか?」
○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部(夜)



N  「深夜のオフィス。デスクナイトが2つだけ灯っている。残業しているのは、

   我らが安部礼司と、そして倉橋優。なーんか、微妙な空気が辺りを埋めていたり

   なんかして」



安部N「さっきから、話すきっかけを探しているのだけれど、うわあ~言葉が

   見つからない。ねえ、優ちゃん、会ったんだ、岩月さんに。あはは、

   言ってくれたら良かったのに。もー。て、何か変。何か別人格。

   ・・・優ちゃん、俺さ知ってるんだ全て。会ったんだろ彼女に。て、犯人を

   追い詰める刑事かって。きっと優ちゃんは、怒っているに違いない。ん?

   怒ってる?て、それって嫉妬?てことは、やっぱ俺の事、うわ~分かんない

   分かんない」



優  「あー分かんなーい!」



安部 「え?」



優  「あ、ごめんなさい、ちょっとどうしても計算が合わなくって」



安部 「ああ、そう、んんどこ?」



優  「安部君が見ても分かりませんよ」



安部 「あた。だよね」



優  「あの、そういえば」



安部 「ん?」



優  「すっかり言い忘れていたんですけど」



安部 「な、何?」



優  「この間、安部君を訪ねて、お客さんが来ました」



安部 「そ、そそうなんだ」



優  「あと名前は、えーと、ごめんなさい忘れました」



安部 「そっか」



優  「お土産渡してほしいって。だから、机の上置いときました」



安部 「あ、あ、あ、あーあれか、ああれね萩の月?」



優  「すみません忘れてて」



安部 「いや、いいんだけどさ。優ちゃん」



優  「はい」



安部 「あのー・・・怒ってる?」



優  「はい?」



安部 「い、いや、だから、その俺に対して、怒ってる?」



優  「どうして私が安部君の事怒るんですか?」



安部 「そ、そうだよね。怒る理由無いよね」



優  「変ですよ安部君」



安部 「ああ、そうだよな。い、いや、たださあ」



   安部の携帯が鳴る。



安部 「いやー誰かなあこんな時間に。(携帯を取って)あ、もしもし?」



加奈 「安部さん?加奈です」



安部 「あ、ああこんばんは」



加奈 「安部さん、今いいですか?」



安部 「うん?残業中ですけど」



加奈 「あ、じゃあ切ります」



安部 「ああ、ちょっと待って、今廊下に出るからちょっと待って」



   廊下に出る安部。



加奈 「ごめんなさいお仕事中に」



安部 「いや、あ、もう大丈夫。どうした?」



加奈 「いえ、ごめんなさい」



安部 「え?」



加奈 「この間、行ってしまったんです、安部さんの会社まで」



安部 「そ、そうなんだ」



加奈 「安部さんが、どんな所に勤めているのか見たくて。おかしいですよね、

   ちょっと、ストーカーみたい」



安部 「そ、そんな事ないよ。俺、い、いや僕だってさあ、行ってしまったわけだし」



加奈 「うれしかったから、来てくれて。ほんっとに嬉しかったから」



安部 「はあ」



加奈 「東京に、戻りました」



安部 「そう」



優  「あ、安部君、お先に失礼しまーす!」



安部 「あ、あ優ちゃんおお、おつかれ」



   出ていく優。



加奈 「今の人」



安部 「え?」



加奈 「いえ」



安部 「あお父さん、元気?」



加奈 「ええ、あの後大変でした。金太郎はどうした?って」



安部 「金太郎?」



加奈 「迷惑、でしたよね」



安部 「え?」



加奈 「会社まで行ってしまって」



安部 「いやー全然。うれしかったよ」



加奈 「ほんとですか」



安部 「おお」



加奈 「はあ、良かった。連絡したくても出来なかったんです。

   とんでもないことしたんじゃないかって」



安部 「大丈夫だよー」



加奈 「はい。あ、お仕事中ごめんなさい」



安部 「いや」



加奈 「じゃ、また」



安部 「ああ、また」



   電話が切れる。



安部N「なんか、もっと話したいような、電話が終わってほっとしているような。

   デスクに戻ると、優ちゃんの席にまだ明かりがついていた。

   優ちゃんの机の上には、くしゃくしゃになった紙が置いてあった。そこには、

   震えた文字で、岩月加奈、と書いてあった」



6曲目 OH MY LITTLE GIRLhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=39316 尾崎豊



エルグランドのCM

http://www2.nissan.co.jp/ELGRAND/top.html



スカイラインのCM

http://www2.nissan.co.jp/SKYLINE/V36/0611/index.html



○安部の自宅(夜)



N  「こうして安部礼司の、微妙な一週間は終わり、彼は今、自宅のPCに向かって、

   日課のブログを更新しているのである」



   PCに向かう安部。



安部 「えーっと、ボーナスで、何を買おうってウキウキしたのは、いつごろまで

   だったかなあ。友達がどんどんマンション買ってる中、俺は何をやってるのか

   と焦る気持ちはあるものの、目先の問題が、そう、問題は、自分で自分の心が

   分からないこと。どうする俺、どうする安部礼司」



   安部の携帯が鳴る。



安部 「(電話を取って)お、飯野」



飯野 「先輩、今いいすか?」



安部 「ああ、いいよ」



飯野 「特に用は無いんですけど」



安部 「いいよいいよ、用がないのに電話、いいねえ」



飯野 「先輩、なにかありました?」



安部 「え?な、な、何が?」



飯野 「急に張り切って仕事したり、時々、遠ーい目をしたり、なんか、

   ちょっと変っす」



安部 「んなこと、ねえって。あー、癒されるなあ、飯野君の声は」



飯野 「やっぱり先輩、何かありましたね。何でも話してくださいよお」



安部 「ああ、話すには、あまりに自分の気持ちが混沌としているわけで」



飯野 「はい?」



安部 「ああ、それよりさあ、ご当地の情報、集まっているか?」



飯野 「ええ、もっと集める秘策を練ってるっす」



安部 「そっか」



飯野 「そうだ。炊飯器使ってますか?」



安部 「いや、何か億劫でな。米とか研ぐのも面倒だし」



飯野 「おいしい米、今度もって行くっす。そういや、かあちゃんが、また

   東京に来ます」



安部 「え?」



飯野 「安部さんに会いたいわ~って、言ってました」



安部 「そ、そう?あ、そうだ飯野」



飯野 「はい」



安部 「今度さあ、ガンダムのDVD出るって聞いたからさあ、一緒に見ようぜ」



飯野 「ガンダム、ですか?」



安部 「いいぞお~ガンダムは」



飯野 「先輩、軽く現実逃避入ってません?」



安部 「かもな」



飯野 「いいですよ、つきあいます」



安部 「おう、じゃあな」



飯野 「はい、おやすみなさい」



   携帯を切る安部。



安部 「ふうー。と、ため息。ため息をつくと幸せが逃げるって昔ばあちゃんが

   言ってたなあ。はあー。息が白い。寒い。何か、あったかい冬にしたい。

   身も心も。よし、ここは気分でも変えて、ご飯でも炊こう。てあー!

   米がなーい!米、米、米ー!」



7曲目 浪漫飛行http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35826 米米CLUB



大場N「えー、部長の大場です。安部礼司、僕に相談してくれればいいのになあ。

   だって僕、チョイワルだよ。あー、おそらくチョイワルってのも、来年は

   死語なのかもなあ。

   次は何かな。プチワル?小さじワル?爪の先ぐらいワル?なんでもいいけど、

   安部君、おおいに悩みたまえ。で、そんな安部礼司のブログ、あります。

   アドレスは、www.tfm.co.jp/abe。www.tfm.co.jp/abe。

   メールマガジンも配信してます。波乱含みの12月、来週も、お楽しみに!」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。


12月3日放送内容①

2007年03月22日 19時31分56秒 | 2006年12月
○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部(昼)



優N 「倉橋優です。今、私の目の前には、安部礼司君がいます。机に突っ伏して、

   いつものように寝ています」



大場N「部長の大場です。昼休みに寝ている安部の背中を見ると、さんねんねたろう

   という童話を思い出します。がしかし、もうすこししたら、オオバカモン!と

   怒鳴ろうと思います」



飯野N「あ、飯野平太っす。先輩をいつ起こすか、どきどきっす。

   もうすこし寝させてあげたい、でも部長がコッチ見てる。

   ああ、昼休みのジレンマ」



安部 「(寝言)うーん・・・ああ・・・ああ・・・岩、月、か、な」



優N 「いわくつきかな?とも聞こえましたが」



安部 「(寝言)かなさん・・・」



優N 「私の耳はごまかせないわよ!」



安部 「(寝言)い、わ、つ、き、かな」



優N 「女だ」



安部 「(寝言)寒くない、ですか」



優N 「安部礼司の影に、女有り!」



安部N「そんなことは、全然知らなかったわけで・・・。僕が見ていた夢は」



○安部の自宅(夢)



加奈 「安部さんの部屋って、なんだか、色んなものがいっぱい」



安部 「ああ、そこ、気をつけてね。本やらCDやらが転がっているから。

   なんていうかさあ、色々捨てられないっていうか」



   身震いする加奈。



安部 「ああ、寒くない?」



加奈 「そうですね、ほんと言うと、少し」



安部 「ああ、そうだよね。息、白いもんね。ごめん、うち暖房器具無くてさあ。

   いやあ、あったんだよ、ていうかこのヒーター見て。あるんだよ、実際。

   たださあ、壊れて動かないっつうか」



加奈 「そ、そうですか」



安部 「寒いなら、あの、その」



加奈 「はい」



安部 「もっと、こっちに」



加奈 「えっ」



安部 「あぁっ、いや、毛布、そうだ、毛布持って来るね」



加奈 「あっ、大丈夫です。こうして、息を吹きかければ、暖かくなりますから。

   はあーっ」



安部 「そ、そう?ぼぼ、僕の手はさあ、結構ああ暖かいっていうか、ほほほほら」



加奈 「ふっ、ほんとだ」



安部 「加奈、さん」



加奈 「あったか~い」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部(昼)



飯野 「先輩」



安部 「うーん・・・」



飯野 「先輩!」



安部 「あっ。あぁっ!」



飯野 「昼休み、終わりっす」



安部 「ああ、そう。ふー。あっ飯野」



飯野 「はい」



安部 「お前は、何で俺の手握ってるわけ」



飯野 「あっ、ああっあー、何か先輩がいきなり」



大場 「オオバカモン!いつまでじゃれあってるんだ。今年もいよいよ追い込みだ。

   さあ仕事仕事。なまけてると、ボーナス返してもらうぞ!」



安部・飯野「はいっ!」



安部 「飯野」



飯野 「はい」



安部 「俺、決めた」



飯野 「はい?」



安部 「ボーナスで、買いに行く」



飯野 「え?」



安部 「暖房器具」



飯野 「はあ」



安部 「必ず手に入れるぜ、スッテキな暖房器具」



優  「何で暖房器具?」



安部 「はっ!振り返れば奴がいる」



優N 「安部礼司、何か怪しい!」
N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」



安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りします
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○家電量販店



安部N「何か、いてもたってもいられなくて、外回りのついでに来ちゃいました、

   家電量販店。わくわくしゃうんだよなあこういう店来ると。

   えーっと暖房器具はーと」



店員 「いらっしゃいませ」



安部 「あ、どうも。あのー」



店員 「お客さん、ボーナスたっぷり出たりなんかしたりしました?」



安部 「あ、いや、ちょっとだけですよ。あのー暖房」



店員 「あれなんですよねーお隣の韓国では、10月ごろ、キムチボーナスってのが

   支給されたりなんかするらしいんですよね」



安部 「ああ、そうなんですか?」



店員 「あ、あはは、ごめんなさい、お客様は、ご存知でしたね」



安部 「知らないって」



店員 「各家庭で、キムチを漬けるためのお金だったりなんかして、大体給料の

   約一か月分」



安部 「あの、すいません、僕暖房器具を見に来たんですが」



店員 「あーあー、すんませんね。ご案内しますね」



安部 「お願いします」



* * *



店員 「お客さんは、ご飯なんか炊いたりします?」



安部 「はい、い、いやあ」



店員 「あ、ちょっと、この炊飯器コーナーいいですか」



安部 「え?」



店員 「今の炊飯器はねえすっごいですよ。

   内釜に美味しさの秘密があるっていうかねえ、

   炭や土鍋、そんな内釜の素材にこだわったりなんかして」



安部 「は、はあ。てか、炊飯器じゃなくて暖房器具を」



店員 「あ、そうだったね。でね、ちょっとこの新米のご飯食べてみてよ」



安部 「え、ええ?」



店員 「んー、ん、美味い!ほら、どうぞ、遠慮しないで」



安部 「おお、ほんとだ、美味い!冷めてるのに、何ていうか、甘みが逃げてない」



店員 「でしょでしょ、ほら、ここにキムチもあるから、これで、さ」



安部 「なんだろう、しっとりとして、粘りがあって、美味い!」



大場N「スチーム保温で、いつでも美味しい!ナショナルの炊飯器、SRSS10Aは、

   保温開始からおよそ6時間後、12時間後に、保温スチームが自然発生。

   ご飯の乾燥を防ぎ、保温臭を外に追い出す優れものです。

   内釜はダイヤモンドコーティング。ご飯が、いつまでもモチモチ」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



飯野 「で、結局、炊飯器買って来たわけですね」



安部 「そうだったりなんかして」



飯野 「暖房器具は?」



安部 「んなもん、ご飯炊いたら、暖まるっていうか」



飯野 「先輩」



安部 「はい。買いに行きます。近いうち飯野つきあってよ」



飯野 「いいですよ。僕もちょうど買おうて思ってたもんありますから」



安部 「何々?」



飯野 「炊飯器」



安部 「ええ?」

飯野 「実家のかあちゃんが、たっぷりお米送ってきたもんだから」



安部 「げっ元気かよ、カナさん」



優  「かなさん?」



安部 「あーっびっくりした。優ちゃん、どこにいたの?」



優  「飯野君のお母さんて、かなって名前なの?」



飯野 「そうっす」



優  「そうなんだ。なーんだ」



安部 「なーんだって、かなが・・・どうかした?」



優  「いえ全然。それよりその炊飯器、どっかに置かないと、部長に怒られますよ」



安部 「そうだな」



大場 「もう、遅いと思われるぞ」



安部 「あた」



大場 「安部」



安部 「はい」



大場 「ボーナスと言う言葉の語源、知ってるか」



安部 「いいえ」



大場 「もともと、ボヌスっていうラテン語から来たんだが、いい人っていう意味なんだ。

   いい人が運んでくれる思いがけないご褒美、それがボーナスだ。

   しっかり働かんと、運んでくれたいい人が泣いてるぞ、今頃」



安部 「はいっ!」



安部N「いい人って言葉を聞いて、なんだか加奈さんを思い出した。そうだ、俺、

   しっかり仕事しよう。よーし、なんだか力がみなぎってきたぞ。

   よし仕事だ。男は仕事だ!」
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○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



飯野 「あっすみませーん、優ちゃーん!」



優  「はい?」



飯野 「今先輩へのお客様が、受付にいらしているらしいですけど、僕、

   これから先輩と待ち合わせしてるんで、出なきゃならないんです。

   受付、行ってもらってもいいですか?」



優  「ええー?優もこれから遅いランチに出ようかと思ったのに」



飯野 「すみません、ノーアポらしいんですけど」



優  「たくアポぐらいとってこいって話ですよ。安部礼司大丈夫かあ?」



○同・受付



優  「ふう。どの人かなあ。きっとおじさん系だな。

   安部君妙におじさんに人気高いから」



加奈 「あっ、あの」



優  「はい」



加奈 「コンテンツ・ビジネス部の方、ですか」



優  「はい。そうですが」



加奈 「はぁ、良かった」



優  「ひょっとして、あなたがお客様?」



加奈 「安部礼司さんに、渡したい物があって」



優  「はっ、そうですか、今安部は外出しておりますが」



加奈 「あっ、すみません、約束したわけではないんですが」



優  「いえ、あっ萩の月。仙台のお土産?」



加奈 「実家が近いものですから」



優  「そういえば東北に出張行ってたな」



加奈 「え?」



優  「いえ、一応我が社の決まりでお名前を、えっと、この紙に、

   フルネームで、お書き願いますか」



加奈 「は、はあ、この、紙に」



優  「ええ、決まりなんで。あっペンはこれ使ってください」



加奈 「あっすいません」



   加奈、ペンで紙にフルネームを書く。



優  「何と、お読みするんですか?」



加奈 「岩月加奈です」



優  「岩月加奈!?」



加奈 「んっ、何か?」



優  「いえ」



加奈 「あの、では、安部さんによろしくお伝えください」



   立ち去る加奈。



優  「あっ、ちょっちょっと加奈さん」



加奈 「はい」



優  「時間、あります?私お昼食べてないんで、付き合ってもらえます?」



○喫茶店



優  「ほんとに、紅茶だけでいいんですか?」



加奈 「ええ」



優  「甘いものは?」



加奈 「あっ、いえ、いいです。・・・安部さんは、お元気ですか?」



優  「元気ですよ礼司は。

   あっ、ごめんなさい、安部は、最近特に張り切っているみたいで」



加奈 「そ、そうですか」



優  「こんなんじゃイヴの日も仕事でどうなる事か」



加奈 「えっ?」



優  「あっ、何でもないです。あっ、そういえば、加奈さんは、安部とは」



加奈 「私は、ただ」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ、どうしたんだい、お二人さん」



優・加奈「刈谷さん。・・・えっ?」



刈谷 「おやおや、なーんか雲行き、怪しくない?まるで一人の男を取り合う、

   昼ドラ~、って感じだったよ。あーっはっはっはっはっはっ」



優  「あは、あははははは嫌だ刈谷さん冗談が寒い」



刈谷 「そういえば昔ねえ、僕は雲行きの事を、くもいきって思ってたんだ。

   虫の蜘蛛がさ、いや~な息を吐くのさ、うわー、ウワ~ッ!何か、怪しいだろう」



加奈 「ご無沙汰しています、岩月です」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっ知ってるよ、覚えているとも。

   安部君がのぼせあがっちゃった子、だよねえ」



加奈 「そんな、私がお世話になったっていうか」



刈谷 「ういーんだよ、謙遜なんか必要ないよ。えーっと、ココ座ってもいい?

   あ、おじさん、ホットケーキください。ハチミツたあっぷりねえ」



店員 「はーい」



優  「いけない。こんな時間。あたし戻らなきゃ」



刈谷 「早あ」



優  「刈谷さんごちそうさまでした」



刈谷 「えっご、ごちそうって」



優  「じゃあ加奈さん、また」



加奈 「え、ええ、ありがとうございました」



刈谷 「なあんだせっかく三人で、安部礼司の悪口で盛り上がろうと思ったのにさ。

   仕方ない、二人でパアーッといきますか」



加奈 「あのー、私もそろそろ」



刈谷 「こりゃまた早っ!」



加奈 「飲み物のお金、ココに置きます」



刈谷 「ういーよー僕が払うからさあ。でもさあ、あ、行っちゃう?

   どうしても、行っちゃう?」



加奈 「失礼します」



刈谷 「ねえどーしても?いなくなっちゃう?」



店員 「お待たせしました。ハチミツたっぷりの、ホットケーキです」



刈谷 「ねえ、どうして。どうして行っちゃうの。ねえ。どうして」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部 「ただいま、戻りましたー」



飯野 「先輩、何かすごかったっす」



安部 「え?・・・そんな事、ねえけどよお」



飯野 「生きた情報、あったかい情報、それを集めていきたいんですって、

   何かジーンときたっす」



安部 「飯野は大げさなんだよ」



飯野 「なんか、先輩気合入ってるっす」



安部 「まあな。師走だしな。男はやっぱ仕事っしょ」



飯野 「いいですねー今日も美味しいお酒が飲めそうっす」



安部 「で、何だか、机に美味しそうなおみやげが」



飯野 「うわー萩の月っす。僕大好物ですー」



安部 「おおそうか、開けるか、てあぁあぁ待て」



飯野 「え?」



安部 「何でここにあるのか、誰がここに置いたか、それを解明してからにしよう」



飯野 「先輩が、この間出張に行った時に買って来たんじゃないですか?」



安部 「て自分で買って忘れるか?」



飯野 「まあいいじゃないですか。お腹空いたっすー」



安部 「月!?」



飯野 「あーびっくりしたぁ」



安部 「月って、まさか」



   萩の月の包み紙を開く安部。



飯野 「いっただっきまーす!」



   走り去る安部。



飯野 「あっあっ先輩どこ行くんすか?」



安部N「電話をかけてみた」



「ただいま、電話に出ること・・・」



安部N「まさかな。加奈さん、来るわけないよな。会社まで」



○マッコリバー



大場 「どうした安部。今日は、珍しく静かじゃないか?」



安部 「いえ、そんな事無いですけど」



大場 「このマッコリバー、気に入らんか」



安部 「いやあ、美味しいです」



飯野 「韓国料理もいけるっす。優ちゃんも来ればよかったのに」



大場 「彼女には、ちょっとした特命を与えているんだ。

   いずれお前たちにも話すときが来ると思う」



飯野 「優ちゃんて、何者なんですか?」



安部 「なーんか、もうひとつ優ちゃんの社内での位置が分からん」



優N 「今、韓国のお酒マッコリがブーム。マッコリは日本で言う濁酒。

   米や小麦を原料として乳酸菌醗酵させたお酒です。

   甘い味で女性に人気の黒豆マッコリ。

   私も大好き。安部礼司君、人の事はいいから、自分の身辺、整理しなさい」



大場 「ところで、安部礼司。そろそろ考える時なんじゃないのか」



安部 「ギク。な、何で知ってるんですか」



大場 「私の上司としての目を侮ってはいかん」



安部N「確かに。そろそろ真剣に考えないとなあって」



大場 「今が一番いい時期っていうか、いや、今を逃すと、次はいつになるか

   分からんと、思うぞ」



安部 「や、やっぱりそう、思われますか?

   自分の人生でこんなにチャンスが巡ってくることなんて、もう無いって

   思っちゃいます」



大場 「そうだな。もう無いな」



安部N「は、はっきり言うなあ部長も」



大場 「選べるのも今のうちだけだ」



安部N「厳しい。部長厳しいっす。なあ飯野って、もう寝てるし」



大場 「迷ってるならいい仲介業者、紹介するぞ」



安部 「ええっ!そんな職業あるんですか?」



大場 「そんなびっくりするなよ。どんな街にもあるだろう」



安部 「知らなかった。全然気づかなかった」



大場 「まずは、自分の好み、それから予算を明確に言える様にしておくんだ」



安部 「予算」



大場 「資産と言ってもいい」



安部 「資産。・・・そんな事が、クリスマスイヴに関係しますか?

   やっぱりプレゼントの額?」



大場 「クリスマスイヴ?プレゼント?」



安部N「そっかあ。好みもうまく言えないけど、プレゼントの事考えると、頭痛ーい。

   俺苦手なんだよなあ買い物。どーしよっかなあ。でもなあ、大事なクリスマス」



大場 「安部礼司!」



安部 「は、はい」



大場 「お前は、マンションを買おうかどうしようか迷っているんじゃないのか」



安部 「え。マンション?なんすかそれ」



大場 「何を迷っているんだ?」



安部 「え、ええっ?そ、そ、それはその」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

11月26日放送内容②

2007年03月22日 19時17分23秒 | 2006年11月
N  「一味違う、セレブなクリスマスプレゼントの、そのあまりの値段の高さに打ち

   のめされた安部礼司が、なんとか正気を取り戻した、その時であった」



   安部の携帯が鳴る。



大場 「大場だ。至急手伝ってほしい事がある。飯野と一緒に今すぐ来てくれ」



N  「そして二人が向かった先は」



○山道(夜)



飯野 「先輩」



安部 「ん?」



飯野 「今すぐ来てくれって、これ、どこ向かってんすか?」



安部 「明らかに山道、だな」



飯野 「もう真っ暗っすよ」



安部 「外灯も何も無いし、なあ」



飯野 「もう、へトヘトなんすけど」



安部 「そりゃ確かに、俺だってヘトヘトだよ」



飯野 「それに、なんだかこの感じ、怖くありません?」



安部 「そりゃ確かに、俺だってむちゃくちゃ怖いよ」



飯野 「あぁ!」



安部 「何だよ、急に大きな声出すなって」



飯野 「あれ!あれ!ガードレールに!」



安部 「うわああああ!って、夜露死苦って、ただのスプレーの落書きじゃん」



飯野 「夜露死苦って、だって全部漢字っすよ!夜露が降りたころに苦しくて

   死ぬんすよ。怖くありません?」



安部 「まあ、無茶苦茶怖いな」



飯野 「こんなの実際見たら、ポエムでもなんでもないっすよ。ああっ!また!」



安部 「仏恥義理ってまた落書きだろ」



飯野 「仏。恥。義理人情の義理。何でわざわざ漢字なんすかねえ」



安部 「知らねえけどさあ」



飯野 「フランス人は、義理チョコが恥ずかしい、みたいな意味すかねえ」



安部 「いやあ普通に、仏恥義理はブッチギリって意味だろ」



飯野 「ああ、仏恥義理って、言葉で聞くだけだと、プッチモニみたいで、

   可愛いのになあ。あんな怖い字で落書きされるとなあ」



安部 「それお前まんまと、落書きした奴等の思う壺だよ」



飯野 「あー!」



安部 「何?」



飯野 「怖い話思い出しちゃった」



安部 「何だよ突然」



飯野 「口裂け女っていたじゃないですか」



安部 「見た事はないけどな」



飯野 「あれって最近聞かないなと思ったら、一昨年ぐらいに韓国ですげえ

   話題になったらしいっす」



安部 「で?」



飯野 「怖くありません?」



安部 「何が」



飯野 「口裂け女ってやっぱ本当にいたんすよ。で、韓国に引っ越したって事ですよ。

   一昨年くらいに」



安部 「何で口裂け女がわざわざ引っ越ししたんだよ」



飯野 「さあ・・・韓流ブームだった、から?」



安部 「何だよそれ」



   安部の携帯が鳴る。



飯野 「うわあ!」



安部 「電話だよ。・・・もしもし?ぶ、部長?えぇえぇえぇ、ガードレールに落書き

   ある所までは来ましたけどえっえ?そこから、道を左?ええ、ええ、ええ」



安部N「そうして、僕らがたどり着いた、そこには・・・」



○同・掘削現場



安部 「部長、何してるんですかー!これー!」



大場 「見れば分かるだろう!温泉、掘ってるんだよ!」



飯野 「温泉!?東京に、温泉!?」



大場 「まあ山道をくねくね歩いて、正確にはココ、千葉の浦安、なんだけどな!」



安部 「なんでまた、温泉なんか!?」



大場 「ヘリコプターで夜景を見るくらいじゃ、女心を惹きつけられなくなった

   って事だよ!男たるもの、常にデーッカイ夢を持たないとね!」



刈谷N「ちなみに、温泉を掘るための掘削費用は、深度1000Mの場合で、目安として

   は、およそ8000万円。あなたのおうちでもひょっとしたら温泉が出るかも。

   というわけで、掘り出してみたくなったあなたは、いますぐwww.tokupura.comに

   アクセス。このページではなんと、あなたのおうちから、温泉が出る確率を、

   測定してもらえるんです」



安部N「女心をひくためには、すすんで温泉だって掘る。馬鹿だ、馬鹿だよ大場部長。

   あんたこそ真の大馬鹿モンだよ。でもその執念、どこか見習いたくもあった

   わけで」



大場 「千葉のこんな山奥から、温泉が沸いたら、それだけで大もうけだろうしな!

   はっはっはっはっ!」



飯野 「でも、とっくに先、越されちゃってるっす!」



大場 「うん!?」



飯野 「部長、新浦安に、新しく日帰り温泉が出来たの、知らないんすか!?」



大場 「えっ、そうなの!?」



飯野 「まさか、知らずに掘ってたんですか!?」



大場 「ちいーっとも知らなかったよー!!」

N  「温泉掘削を断念した、失意の大場部長は、安部礼司と飯野平太に連れられて、

   例の温泉施設に来ていたのであった」



○新浦安・湯巡り万華郷

   

   風呂に入る安部・飯野、大場。



安部 「あ~、生き返ったー」



飯野 「ああ~生き返ったっすー!」



大場 「あ~、せっかく温泉、掘ろうとしてたのに、近場にこんなに素敵な温泉が、

   すでにあったなんて」



優N 「説明しよう。ここ新浦安の本格日帰り温泉施設湯巡り万華郷は、天然温泉

   水の湯水着ゾーン合わせて48のお風呂を揃える収容可能人数およそ3000

   人という大規模な施設。施設内は大正時代の温泉街をイメージしていて

   懐かしくも新しい雰囲気の中でゆっくりと温泉を楽しめるのが売り、なのである」



安部 「にしても部長、可哀想だなあ」



飯野 「まあ、まだ本格的な掘削にいたる前に、ココの存在に気づいたのは、不幸中

   の幸いでしたけど」



安部 「あ~あ。あんなにちっちゃくなっちゃって」



マール「オーウ、マーベラース!」



安部・飯野「デカッ!」



マール「オーウ、お二人も、部長に負けず劣らず、随分ちっちゃくなっちゃって」



飯野 「そ、そんな事ないっす!」



安部 「ていうかマール、何でココに?」



マール「私、日本式のお風呂、非常に興味ありまーす。なんで、今日は、ミスくらー橋優

   に、無理言って、連れてきてもらいましたー」



安部 「えっ、優ちゃんに?」



安部N「温泉からあがると、そこには、ベンチに腰掛け、コーヒー牛乳を片手に持った

   浴衣姿の優ちゃんがいたわけで、湯あがり姿の優ちゃんは、ツヤツヤと、いつも

   以上に色っぽく」



安部 「優ちゃん・・・」



優  「コーヒー牛乳、一口飲む?」



安部 「いやあ、いいや」



安部N「何だろう。ディズニーシーの約束をしてからというもの、なんだか二人で

   会うと妙に気まずい」



優  「安部君さあ」



安部 「ん?」



優  「優になんか、隠し事してる?」



安部 「う、う?な、何で」



優  「なんか最近、妙に態度おかしいから」



安部 「そそ、そうかなあ」



優  「気のせいかもしれないけど」



安部 「気のせいじゃない?だって全然、隠すようなことなんて・・・」



安部N「加奈さんのこと、やっぱ顔に出ているのかなあ。でも、マールと3人では、

   シーに行きたくないわけだし、シーは優ちゃんと二人っきりで行きたいって

   思ったわけだし」



安部 「あのさあ」



優  「ん?」



安部 「イヴは、シー、やっぱり二人で行こう」



優  「マールは?」



安部 「二人で行きたいって言って、納得してもらった」



優  「ふぅーん。そうなんだ」



安部 「うん」



優  「安部君にしては珍しいじゃん」



安部 「え?」



優  「ホイホイ流されて、いつの間にか人数増えて、3人どころか結局5人とか

   6人で行くことになっても、文句一つ言えないのがいつもの安部君だからさあ」



安部 「いや、だって」



優  「ん?」



安部 「だってそれはさあ」



優  「何?」



安部N「その時、口の中はカラカラに渇いていたわけで」



安部 「やっぱコーヒー牛乳ごめん!」



優  「あっ!」



   安部、コーヒー牛乳を一気に飲む。



優N 「・・・安部君牛乳飲むときやっぱり片手は、腰なんだ・・・オッサンくさ」



マールN「しかも、ビンを持ってる手の小指が、完全に、おっ立っちまってまーす!」

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○安部礼司の自宅(夜)



N  「こうして安部礼司の、風呂を巡る一週間は終わり、彼は今、自宅のPCに

   向かって、日課のブログを更新しているのである」



安部 「お風呂って、15分入ると1キロ走ったのと同じだけのエネルギーを消費

   するらしい。それって結構すごいかも。目指せ長風呂ダイエット。だから、

   42.195キロはしったことにするためには、15分×42キロで、630分。

   てことは、10時間半」



   安部の携帯が鳴る。



安部 「あ、もしもし?」



マール「ハーイ、マールポッカートニーでーす!」



安部 「何だよお」



マール「何だようじゃないよ。ユタを、馬鹿にするなよ」



安部 「一切馬鹿にしてないよなあ」



マール「ですよねえ」



安部 「もういい加減、イギリスに帰れよお」



マール「いつ帰るかは、俺の気持ち、ひとつだろう。まだ帰らないよ」



安部 「何のために餞別まであげたんだよ」



マール「今日は、そのことで、クレームが、ありまーす」



安部 「何だよ」



マール「お前にもらった入浴剤、あれは何だ」



安部 「お前が風呂好きだっていうから、わざわざ選んでやったんだろ」



マール「入れると、トロトロになる、あんかけ湯、杏仁豆腐の香り、飲んだけど、

   ちっとも美味しくなかったよ」



安部 「飲んじゃだめだよ」



マール「ハーブの香りの、青汁風入浴剤、飲んだらやっぱり、(モノマネ)まず~い、

   もういっぱ~い。だったよ」



安部 「だから、飲んだらだめなんだって」



マール「梅昆布茶風呂も、ビール風呂も、美味しくない」



安部 「あのね、あれって全部入浴剤だから」



マール「全部飲んだら、さすがにビールっ腹だよ」



安部 「浴槽ごと全部飲んだの?」



マール「あと、何これ、わさびの湯、小豆風呂、干し風呂、もうちょっとマシな

   入浴剤くれたらどうなんだよ!」



安部 「奇をてらってみたんだよ」



マール「くれるんなら、バスロマンとかにしろよ」



安部 「やだよ」



マール「あと、宇宙船の、プレゼント、お前の名前で申し込んどいてやったからな」



安部 「おい、何してくれてんだよ」



マール「あと、ジャパネットたかたにも、お前の名前で申し込んだからな」



安部 「おい、やめろ、嫌がらせか」



マール「はっはっはっはっ」

刈谷N「あーっはっはっはっはっはっ、今日はマジで出番が無かった刈谷勇です。

   あーっはっはっはっはって笑い事じゃないよ。恋に仕事にと最近何だか忙しそうな

   安部礼司君、それでもブログ、更新してます。

   アドレスは、www.tfm.co.jpスラーッシュ!abe。www.tfm.co.jpスラーッシュ!abe。

   安部はabe。メールマガジンも配信していますんでよろしくどうぞ。

   さーて、来週はいよいよ師走。師匠も走る12月!頑張っていきましょー!

   あーっはっはっはっはっはっ。刈谷勇でした」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。

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11月26日放送内容①

2007年03月22日 19時10分46秒 | 2006年11月
N 「今日は、11月26日。というわけで、皆さん、毎月26日って、何の日か知ってます?

   そう、風呂の日。まあ、ただの語呂合わせなんですけど。

   でも、あったかーいお風呂が恋しい季節になってきました。

   というわけで、今日はこんなシーンからスタートです」



○浴室



   鼻歌を歌っている優。湯船に浸かる。



優  「あー。・・・・・こんばんは、日本で由実かおるとしずかちゃんの次にお風呂シーン

   が似合うこの番組のマドンナ倉橋優です。ところで皆さん、お風呂ってどのくらいの

   時間入ります?日本人の平均入浴時間は、21.1分てデータがあるみたいです

   けど、優は断然長風呂派。だって気持ちいいんだもーん。あーん。

   今、キラキラ音がしたのは、優の最近のお気に入りの入浴剤天然宝石1カラットを

   使用したジュエルバス。

   お風呂に入れるとキラキラ光ってまるでお姫様、のようなゴージャス感が

   あじわえちゃうんです。ヒアルロン酸、コラーゲン、ビタミンCなど、ミネラルと、

   保湿成分もたっぷり。

   価格もセレブな2940円。あーん。

   で、湯船でぼんやりリラックスしながら、優は色んな考え事をしているんです。

   例えば、安部礼司君・・・とかね」



安部N「そんなことは、全然知らなかった」



優  「そういえば安部君、クリスマスイブにディズニーシーに行こうねって約束してから、

   何か様子が変なんです。どうしてだろ」



安部N「どうしてって言われても、そんなの・・・」



優  「1、35歳にもなって、異性を意識し過ぎてぎこちなくなってるから。2、35歳にも

   なって、小娘とシーなんかでデート?と思っているから。

    3、35歳にもなって、イブを誰と過ごしたいかさえ自分ではっきり決められない

   優柔不断な男だから。うーん、まあ2番は無い、と思うんだけど」



安部N「ん、そのとおり、正解は1番と3番。僕は、優ちゃんを意識し過ぎだし、そのくせ

   結構、いやかなり優柔不断だ」



優  「いつもだったらこのくらいの時間に電話とかかかってきて、見に行かない?なんて

   言ってくるはずなのに。(携帯の受信音)あっ電話だ」



   湯船からあがり、携帯を手に取る優。



優  「もしもーし。・・・あっひさしぶりー。うんう一人。えっ?今から?」



安部N「そのとき、優ちゃんに、まさかアイツから電話がかかっていたなんて、僕は

   知らなかったわけで。僕は・・・」

○飲み屋



   安部と飯野が飲んでいる。



飯野 「オススメの、クリスマスプレゼント?」



   酔っ払っている安部。



安部 「そうだよお。お前の意見を参考にさしてくれよお飯野君よお」



飯野 「せんばーい、誰にプレゼントあげるんですか?」



安部 「そんなのおめえには言えねえよお」



飯野 「だったら僕だって言えないっすよー」



安部 「なんだよお~、おーお、子供の時はもらうだけで良かったのにい。

   大人って、あげなくちゃなんないから大変なんだよな」



飯野 「あーそういえば僕、子供の時サンタさんに、プレゼントもらったっす」



安部 「うそ俺も。お前何もらった?」



飯野 「ゲームウォッチ!オクトパスと、オイルパニックと、ミッキー&ドナルドだった

   かなあ」



安部 「えっえ何で3つももらえんの?」



飯野 「それは、おそらく家が裕福だったから」



安部 「俺もサンタにお願いしたのにぃ。ゲームウォッチ。

   でもロボダッチしかもらえなかったのにぃ。ずるいそれずるいよお」



飯野 「そんなの僕に言われても」



安部 「つくば万博だって連れてってもらえなかったのにい。それずるいよお」



飯野 「つくば万博って、何すか?」



安部 「コスモ星丸だよ。知らねえ?」



飯野 「ああー・・・」



安部 「コスモ星丸とかの頃考えてた未来が今なんだよ。すごくない?」



1曲目 プレゼント 東京少年



N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」



安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」
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○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



大場 「安部君」



安部 「はい、部長」



大場 「最近の君は何だ」



安部 「すいません」



大場 「なかなか、がんばっとるじゃないか」



安部 「え?」



大場 「ご当地ナビも、徐々にではあるが形が見えてきた。もちろん納期のことはあるが」



安部 「いやあのー、もっともっとがんばりますんで」



大場 「安部君」



安部 「はい」



大場 「君、なんだか最近、ほんっと変わったねえ」



安部N「確かに、自分でもなんだか変わった気がするのは、加奈さんの事を考えて、

   優ちゃんの事を考えて、生活にハリがあるから、なのか?そういえば昔、

   同期のカテリーナが酔っ払って言ってたっけ。恋が順調な時って、仕事も

   なんだか順調なんだよね、なんて」



大場 「よし、その調子で、これからも頼むぞ」



安部 「はい」



大場 「忘年会の幹事も頼むぞ」



安部 「え?」



大場 「何だ。やっぱりやりたくないのか」



安部 「いえ、やります。やらせていただきます」



大場 「楽しい忘年会を期待してるからな」



安部 「はい」



大場 「何も忘年会という形式にとらわれることはないんだからな」



安部 「はい」



大場 「忘年会はやめにして、イブに皆で集まってクリスマス会なんて形式でも」



安部 「それは絶対に嫌です。忘年会にします」



大場 「よーし。はっきりしていてよろしい!」



安部 「はい!」



優  「安部君、ちょっと」



安部 「優ちゃん?」



安部N「そのとき、優ちゃんの表情に、一瞬、なんだか暗い影がよぎったのを、

   僕は見逃さなかった」



安部 「え?イヴに二人で過ごせないかも?」



優  「ごめーん」



安部 「いやごめんて。約束したよねえ」



優  「うーん」



安部 「そりゃイヴまであと一月はあるけども、そんなキャンセルって」



優  「いや違うの」



安部 「違うって何が?」



優  「ディズニーシーに行けなくなったわけじゃないの」



安部 「え?」



優  「シーにはもちろん行きたいんだけど、二人では行けないの」



安部 「は?」



優  「実はね、イヴにシーに行くって言ったら、ど~しても行きたいって人がいて」



安部 「はあ?」



優  「ど~しても日本人の冬の文化を研究したいからって」



男の声「わーっはおはおはおはおはお」



安部 「そのテンプルにカチンとくる笑い声のあいつにそっくりなお前は」



男  「おまっとさんで、ございました、再び、日本に、やってまいりした、マール・

   ポッカートニーでーす!」



安部 「お前さあ、今更来なくてよくね?」



マール「さあーミスター安部礼司、私に、日本の冬の素晴らしさを、どんどん紹介

   しなさーうい!」



○銭湯



マール「ワーオ、イッツミラクルー」



安部 「何だよ」



マール「今、番台越しに、チラリと、女湯の脱衣所が、見えましたー」



安部 「お、おい、何ジロジロ見てんだよ」



マール「だーって、パイオツが、出しマルだよー」



安部 「いいから早く脱げよ」



マール「しっかし、日本の銭湯、私来るの、初めてなのでよかったでーす。これも勉強」



安部 「とっとと風呂に入れ。そして、とっととイギリスに帰れ」



マール「そういえば、風呂の英語のバスは、イギリスの温泉場バースが、

   語源と言われていまーす」



安部 「知らないよ。さっさと服脱いで」



   ズボンを脱ぐマール。



SE 「(ライオンの鳴き声)」



安部 「デカッ!」



マール「んん?」



安部 「い、いや、体が、デカいなあって」



   ズボンを脱ぐ安部。



SE 「(猫の鳴き声)」



マール「オ~、ちっちゃ」



安部 「え?」



マール「オ~ソーリ~、体が、体がでーす。わーっはおはおはお」



安部N「ていうかコイツ、マジで早く帰ってくれないかなあ」



マール「ヘイミスター安部礼司」



安部 「あ?」



マール「サイコガン!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○居酒屋



安部 「うーん」



飯野 「先輩、どうしたんですか?」



安部 「うーん」



飯野 「マールさんと銭湯、行って来た割には、全然さっぱりしてないっすよ」



マール「すいませーん!あ、タンタカタンのお湯割り、もう一杯」



安部 「だってアイツ、マジでうざいんだもん」



マール「いーなー、もう日本の、居酒屋も、初めてなのでよかったでーす!

   勉強になりまーす!」



飯野 「初めてでタンタカタンのお湯割りって、渋いチョイスしてんなあ」



マール「オー、あとー、梅干もつけてね」



飯野 「渋いなあー」



マール「おーミスター飯野は、クリスマス、ディズニーシーには、行かないんですか?」



飯野 「ディズニーシー?」



安部 「おい」



飯野 「ディズニーシーって、何すかそれ」



安部 「何でもないよ」



飯野 「僕は別に、どこに行く予定もないですけど」



マール「オー、そうなの?イヴに、どこにも行かないの?」



飯野 「彼女がいたりする人でも、家でゆっくり過ごすって人が、

   最近は増えてるみたいっすけど」



大場N「gooが調べた、クリスマスは恋人とどのように過ごすかランキングで、

   ダントツに多かったのが、彼氏彼女の家でゆっくり過ごす派。

   ついで、いつもは行かないレストランで食事派や、買い物に行く派がチャートを

   にぎわす結果となりました。温泉へ行く的イベント系は、ごく少数。

   クリスマスは気取らず、おうちでノンビリ。はー、バブルの頃とは、変わったねえ」



安部 「あのさあ、シーのことは、飯野には内緒だから」



マール「オーウソーリー安部総理~」



安部 「俺の話聞いてる?」



マール「オウ、この湯飲み、なんですか?」



安部 「聞けよ、おい」



飯野 「ああ、親父の小言っすね」



マール「小言?お父さんの、怒りのメッセージが、なぜ湯のみに?」



飯野 「日本人は、こういうのが大好きなんすよ」



マール「トイレに、あいだみつをのポエムを張ったり」



飯野 「そうそう」



マール「お茶の、ペットボトルに、ポエムを乗せたり」



飯野 「そうそう」



マール「道端に、スプレーで、夜露死苦って挨拶を、わざわざ漢字で書いたり」



飯野 「まあそれも、言われてみたら日本だけの文化っす」



マール「エクセレーンツ!日本は、至る所に、ポエムが溢れていまーす!」



飯野 「そっか。外国の人から見たら、日本をそう見えるのかもなあ」



大場N「飲み屋の湯飲み。国道の落書き。暴走族の特攻服の刺繍から死刑囚の俳句

   まで、日本という国の至る所に溢れた、行き場の無い言葉をリアルな現代詩

   として一冊の本にまとめたのが、都築響一の新刊「夜露死苦現代詩」

   である。この本を読むと、携帯に送られてくるエロメールの文章ですら、

   行き場の無い現代のポエムだったんだなあって、気づかされますよ」



安部 「ああー・・・」



飯野 「先輩、何を怒っているんですか?」



安部 「だってこいつさあ、うざいんだもん」



飯野 「湯飲みにも書いてあるっす。人には腹を立てるな」



安部 「すいませんビールおかわり!」



飯野 「あっ、大酒は飲むなって」



安部 「えー?」



飯野 「あと、女房は早く持てってのも書いてあるっす」



安部 「うーん」



飯野 「先輩、ちょっとどうしたんですか?先輩、先輩」



安部N「イヴのデートの約束が、とんだおじゃまむしの登場で台無しになるかもしれない。

   それは確かにショックだけれども、それよりなにより、俺はこんなにもショックを

   受けるくらい、知らず知らずのうちに優ちゃんとのデートを楽しみにしていたんだ

   なあって。35歳にもなって、俺は子供かよ」



○バー



大場 「クリスマスに皆でパーティでもどうだって安部君に提案したら、えらい勢いで

   断られちゃってねえ」



優  「安部君に?」



大場 「35にもなって、クリスマスがそんなに大事なのかねえ」



優  「そうですねえ」



大場 「倉橋君は?」



優  「えっ」



大場 「イヴとか。今年は日曜日だけど、どんな風に過ごすの」



優  「そうですねえ」



優N 「出た出たチョイ悪オヤジのクリスマスリサーチ。

   結局あんたも大事なんじゃんクリスマス」



大場 「高度600Mの上空から夜景を眺めるクリスマスフライトってのが、今年も

   予約を始めたみたいなんだけどねえ。東京タワーを眺める、東京クリスマス

   クルージングってのと、ベイブリッジを眺める横浜クリスマスクルージングって

   のが二種類あって、空から見る夜景っていうのは、これはまた、格別な美しさが

   あってねえ」



優N 「あーあ。男の人ってどうして皆一大イベントがそんなに好きなんだろ。

   女の子は皆が皆そこまでクリスマスにこだわっているわけじゃないと

   思うんだけど」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
マール「オー、クリスマスは、まだ先なのに、ビューティフルなイルミネーション。

   この日本人の気の早さ、ちゃんちゃらおかしいで~す」



安部 「あのさあ」



マール「ワーッツ?」



安部 「気が早くて悪いんだけど、イヴはやっぱり、俺と優ちゃん、二人でディズニー

   シーに行っていいかな」



マール「ワーオ」



安部 「あの、デートなんだその日、俺と優ちゃん。でも優ちゃんどう思っているのか

   分かんないけど、でも、俺にとっては大事な日だから、マールに邪魔してほしく

   ないわけ」



マール「でも、男2女1の、元祖ドリカム状態で過ごすクリスマスも」



安部 「だから、刈谷そっくりなお前には、特に邪魔しないでほしいわけ!」



安部N「ついに言ってしまった。大人気ないと分かっていながらも、ついに。

   しかし、マールのリアクションは、意外や意外」



マール「よく言った安部れーじ!それでこそ日本男児でーす!」



安部 「え?」



マール「私だって、内心ヤキモキしてましたー。俺ぜって~おじゃまむしだろうって。

   ユタを馬鹿にするなよって、思ってました」



安部 「そうだったんだ」



マール「思うにこれは、ミスくらーはし優が、ミスター優柔不断の、安部れーじに

   課した試練、なんだと思われまーす。ほんとにアンタ、わだすと、二人で、

   過ごす気あんのってね」



安部 「試練?」



マール「ところで、安部れーじは、クリスマスプレゼントは、もう買ったんですか?」



安部 「いや、だってイヴはまだまだ先だし」



マール「何やってるか!善は急げだ、こうなったら助太刀いたすから、早く来い」



安部 「いてててて、分かったから」



マール「早くこーい!」



飯野N「キリンビールの、お酒と生活文化研究所の調査によると、クリスマスプレゼント

   の平均予算は、恋人の場合、男性が17757円に対し、女性が13049円。

   夫婦間では男性10356円、女性9621円という結果が出ました。これって、

   恋人同士の場合は特に、男性陣がんばれって事みたいっす。

   ちなみに、もらってうれしいプレゼントは、もらえれば何でもうれしいが、男女

   共通の一位、何でもいいってのが、一番難しいっす」



○インターネットカフェ



安部N「そして、マールに連れられてやって来たのは、なんと・・・インターネット

   カフェ?」



マール「プレゼントを、伊勢丹や、三越で買ってたんじゃ、ライバルに差がつけられ

   ないでーす」



安部 「で、ネットでお買い物?」



マール「ただのネットじゃないでーす。アメリカの、高級百貨店、ニーマンマーカスの、

   インターネット版、ギフト・カタログでーす」



刈谷N「世界中のセレブが皆知ってるニーマンマーカスのギフトカタログ。

   毎年豪華な贈り物を提供することで知られるアメリカの高級百貨店のカタログが、

   なんとインターネットで見られちゃうんです。ネットで世界一セレブなウインドウ

   ショッピングを満喫。まあ、皆さんは見るだけ、かもしれませんがね。

   あーっはっはっはっはっはっ」



N  「で、今から登場する品物の数々は、本当に実際、ニーマンマーカスのカタログに

   掲載されている商品ですんで、悪しからず」



   マウスをクリックするマール。



マール「オーウ、これなんかは、いいんじゃないですか?」



安部 「どれどれ」



マール「6人乗りの、宇宙船、176万4000ドル」



安部 「176万ドルって、2億円じゃねえかよ!」



マール「ちょっと無理ですかー?」



安部 「だいぶ無理です」



マール「じゃあこれは?メジャーリーガーなど、超一流選手との、お食事会に、参加

   できる権利。これはずいぶん安くてー、25万ドル」



安部 「3000万円」



マール「あとは、安物になっちゃいますねー。ライオンの置時計が、たったの2500

   ドルだし、バックが、たったの、1895ドル」



安部 「ずいぶん安い気がするけど、それだって30万と22万てことだよ」



マール「オーウ!これは、キティちゃんの腕時計、これなら995ドルから、てことは、

   うーん12万円くらいから?てことですけどー」



   安部、倒れる。



安部 「ふう・・・」



マール「てどうしたの?ミスター安部れーじ?う気失っちゃったよ。しっかりして、

   しっかり、しっかりー!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



11月19日放送内容②

2007年03月22日 18時58分55秒 | 2006年11月
○八戸



男の声「安部さーん!安部さーんてえっへへへ」



安部 「ああ、あなたが」



男  「はっはっはっはっはっ、八戸、煎餅汁研究会の彦丸でございますーあはは、

   あーよろしくお願いいたします」



安部N「ご当地の鍋を調査中に、ネットで知り合った、八戸煎餅汁研究会の、彦丸

   さんは、なぜだか口調が名古屋弁で、誰かにそっくりなんだよなあ」



○同・車内



安部 「でも彦丸さんて、何で名古屋弁なんですか?」



彦丸 「えぇそりゃあんたさ名古屋出身だでねええーへへ」



安部 「ああ・・・」



彦丸 「えぇ私ねえ、グルメリポーターでもにゃあのに勝手に全国の鍋食べ歩いとりまして

   なあもう。

   そっで、八戸で、煎餅汁の美味しさにはまってまったんだがねえはは」



安部 「はあー」



彦丸 「今ねえ、このあたりではよう、どえりゃあ熱いんですわ煎餅汁。

   ファミリーマートでもよう、東北地方限定の期間限定で、八戸煎餅汁が発売され

   とるしほいほい、ラジオ、つけたらええかこれ」



   ラジオから好きだDear!八戸せんべい汁が流れる。



安部 「何ですかこの歌」



彦丸 「トリオ・ザ・ポンチョスちゅうユニットだよ。

   煎餅汁の歌まで出し取るんだが、まー盛り上がっとるでしょう」



安部 「でも煎餅汁って、僕食べたこと無いんですけど」



彦丸 「ほーそれは百聞は一見にしかずだわ。よかったらよう、まず、食べに行こかい」



刈谷N「煎餅汁とは文字通り南部煎餅と言うお煎餅が入った鍋のことなんです。

   この八戸に古くから伝わる郷土料理。

   でもな、お煎餅といってもお鍋で煮ちゃうわけですから、ぱりぱりではなく食感は

   もちもちとしっとりしていて、アルデンテに煮込まれたお煎餅の、水団にも似た

   歯ごたえは実にマーベラス。これからの鍋シーズンあなたも煎餅汁にトライして

   みては、いかがです?」



○同・鍋の店・店内



安部 「ああー、これ、美味いかも」



彦丸 「でしょ、でしょ」



安部 「お菓子の煎餅が入ってるのかと思ってたら、違うんですね」



彦丸 「うーん違うんだわこの南部煎餅はよおお米やのうて、小麦粉でできとる

   んだがねえ」



安部 「この素朴な味わい。都会で疲れた体に染み渡るなあ」



彦丸 「ふっふっふっふっ地方には、まだまだ色々あるでよーものすげえ鍋が」



安部 「彦丸さんて、お詳しいんですか全国の鍋」



彦丸 「もちろんだがね」



安部 「あのー、色々教えてもらっていいですか」



彦丸 「・・・(小声)それは光栄ですけど、でもねえ」



安部 「え?」



彦丸 「安部さーん、せっかく美味しいもん食べやしたにーリアクション、ちょっと

   大きいほうがええんとちがいます?」



安部 「ああ、すいません」



彦丸 「例えばこの、煎餅汁を食べたときもよ、(絶叫)あーっ!あんな立派にパリパリ

   やったお煎餅がこんなにもちもちになっとるがやー、これぞまさにお煎餅の(エコー)

   ビフォーアフターだがやー!ッハハハ・・・とかね」



安部 「おみそれいたしました」



彦丸 「(咳払い)ほんじゃよ、そのへんのリアクションの訓練も兼ねて、全国の鍋、

   行こばっ!」

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安部N「こうして僕の、全国津々浦々のご当地鍋の旅が始まった。

   ナビゲーターならぬ鍋ゲーターは、もちろん、彦丸さん。この人がいれば百人力。

   ご当地ナビのグルメ調査の強い味方。

   ただ、リアクションがでか過ぎるのが、難点なんですが」



○京都・鍋料理屋・店内



彦丸 「さあ、さあさあさあ安部さーん京都に着きましたでなもう」



安部 「ここにはどんな鍋があるんですか?」



彦丸 「丸鍋いうてなも、スッポンを使った鍋料理ですわ」



安部 「う、美味い!」



彦丸 「くぅー心まで裸にされるような素直な味わい、まさに(エコー)スッポン食べたら

   スッポンポンだがやー!」



   新幹線が走る。



○名古屋・鍋料理屋



   燃えよドラゴンズが流れる。



彦丸 「さあさあ安部さん、冬はご当地名古屋だがねー」



安部 「もう結構お腹、いっぱいなんですけど」



彦丸 「何言うとりますー名古屋の新名物、赤から鍋、食べようねえ」



安部 「辛っ!」



彦丸 「くう~っかっきっ言うても辛い!はっはっ言うても辛い!

   言うてもの頭文字のiと、はっはっ辛いの頭文字tではっはっこれぞお鍋の(エコー)

   IT革命だがやー!」



   新幹線が走る。



○両国・ちゃんこ屋



彦丸 「安部さーん、両国に着きましたでなも」



安部 「今から、ちゃんこ食べるんですか?」



SE 力士たちの声



安部 「いやちょっと、やめて、やめて、やめて」



彦丸 「はははこれぞまさに味の宝石箱ならぬ、安部が大関にボコボコ

   だがやあはは」



安部 「(エコー)やーめーてー!」



* * *



安部 「いやあ、もー食えない。限界」



彦丸 「ちょっと何言っとりゃあす、まあ、今から西日本回るでよお」



安部 「マァジですかあ」



彦丸 「マジだがやーご当地ナビのためでしょう。

   だったらよ、根性見せなあかんがやーほれ、安部さんて」



安部N「でも、彦丸さんて、俺なんかの仕事のために、ここまで面倒見てくれて、

   ホントいい人だよな~。でも彦丸さん、いい人だから、いい人だからこそ

   ・・・言えない」



彦丸 「さ、安部さーん(SE・ズルッ)行こばい(SE・ズルッ)新幹線出てまうでよ

   (SE・ズルッ)安部さーんて(SE・ズルズルズル)」



安部N「僕が、彦丸さんの頭が、実はカツラだって事に、気づいてしまっているなんて、

   今更、絶対に、言えない」



彦丸 「安部さーん、(SE・ズルッ)はよ行こまいてー(SE・ズルズルズル)」



4曲目 ごめんよ 涙 田原俊彦



N  「資料作成の遅れを挽回するため、必死の思いで全国を飛び回る安部礼司。

   しかし、鍋ゲーターの彦丸さんに、世話になればなるほど」



彦丸 「お、いやあ(SE・ズルッ)でもこの和歌山の、クエ鍋ってのも、(SE・ズルズル)

   最高だがね(SE・ズルッ)」



安部N「あのズレ具合といい、髪の生え際から不自然に滴る汗といい、だめだ、

    もう見て見ぬふりも限界だ」



安部 「あのー、彦丸さん」



彦丸 「えっ」



安部 「僕と彦丸さんて、その、なんていうか、もう友達ですよね」



彦丸 「ははは、何を言っとります急に」



安部 「友達ですよね」



彦丸 「あはははは、いっ一緒に鍋食べまくった同士でしょう」



安部 「だったら僕、隠し事はしたくありません」



彦丸 「何を言っとやすのあはは」



安部 「僕、気づいちゃったんです、あなたの秘密」



彦丸 「・・・・・そやったら、全部、正直に、お話しますわ」



安部 「は、はい」



彦丸 「安部さんがー、どこで気づきなさったか知らんけどよー、そうです・・・僕、

   プロの鍋料理人なんです」



安部 「・・・は?」



彦丸 「実は、僕、入り婿でしてなも、女房の実家が、東京の麹町で、つくね鍋の

   専門店やっとるんですが」



安部 「麹町の、つくね鍋?」



彦丸 「うーん鍋が好きで食べ歩いとるのは本当ですけどもよお、実際、(泣き声)

   ウチに帰るタイミング失ってまっとるんですうああああああ」



安部 「それってあのー、14種類の具材の、黄金のスープの」



彦丸 「そう、そう、そのお店だでねえううううう」



安部N「ていうか別に、そういう展開を期待したわけではないんですが」



○麹町・鍋料理屋



   戸を開けて店内に入る安部と彦丸。



女将 「あー、あんた!(泣き声)どこ行ってたのー!」



   泣きあう彦丸と女将。



彦丸 「ううっううーおみゃーはつくねの具材の中身教えてくりゃーせんからだわ

   ーあああ」



女将 「ぐうーううう」



安部 「ていうか、彦丸さんも教えてもらってないんだ、つくねの具材」



彦丸 「俺はなあ、全国のいろーんな鍋食べ歩いたけどもよ、結局うちのつくねに

   入っとる秘密の具材が何なのかだけはどーしても分からへんかったがやーああ」



女将 「そりゃあそ~よ~。ウチの鍋はどこも真似できないおいしさだもんおおお~」



彦丸 「教えてちょーせーつくねの具材何がはいっとるの~」



女将 「ぜえったいに、嫌~」



彦丸・女将「おお~おおお」



安部 「ちょっと、ちょっとちょっとちょっと」



   安部、女将を連れていく。



安部 「女将さんさあ、彦丸さん旦那さんなんだから、教えてあげたっていいでしょ?」



女将 「それは、できません」



安部 「何で?夫婦でしょ?しかも旦那さん、あんなに鍋が好きなのに」



女将 「私が、あの人に秘密のレシピを隠しているのには、ワケがあるんです」



安部 「え?」



女将 「お客さんももう、気づいていらっしゃるでしょう?主人が、カツラだってこと」



安部 「それは・・・」



女将 「ウチの主人は、結婚して10年以上も経つ私に、まだその事隠したままなんです」



安部 「そう、なん、です、かあ」



女将 「だから、主人が私に隠し事している以上、私も秘伝のつくねのレシピを、教える

   わけにはいかないんです~」



安部N「カツラの事を隠したいっていう彦丸さんの気持ちも分かるし、夫婦なのに隠し事

   されてる奥さんの悔しい気持ちもよく分かる。

   あぁあ、あの二人、まるで、破れ鍋にとじ蓋 の、いいカップルなんだけど、男と女

   に隠し事って、やっぱ、禁物、なのかもなあ」
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○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部 「ただいま、戻りましたーって、日曜だもん。誰もいないか」



N  「そして怒涛の出張を終えた安部礼司は、報告書の仕上げのため、誰もいない

   日曜日のオフィスに、今、舞い戻った」



安部 「はあ、それにしても、疲れたー。後はもうひとふんばり、報告書を・・・ん?

   こんなところに鍋セット。何だ?」



   優が入ってくる。



優  「おつかれ安部礼司」



安部 「優ちゃん、何?その食材」



優  「今日安部君戻るって聞いたからさあ」



安部 「え?」



優  「鍋でもやろうと思って」



安部 「いやいやいや、鍋はもう、当分いいよ」



優  「えー!一人でお鍋は嫌だからわざわざ用意したのにー」



安部 「気持ちは、うれしいけど・・・」



優  「気持ちだけじゃやーだー態度も態度もー!」



安部 「分かった分かったから、食べるよ食べるからさあ」



優  「やったー、じゃ早速お鍋の準備しまーす!」



安部 「えっ、何々?ちょっと、ちょっと真っ暗になっちゃったよ。

   優ちゃん、優ちゃん」



   室内の明かりを消す優。



優  「今日は、闇鍋でーすうふふふふ」



安部 「お、俺鳥目なんだからさあ、勘弁してよ。見えない。見えないー」



優  「あーべー君」



安部 「えっ?」



安部N「そのとき、暗くて全然見えないものの、優ちゃんは確実に、僕のもの

   すごーく近くにいたわけで、そして、そして次の瞬間」

   安部の携帯からメールの受信音がする。



安部N「このメールの受信音は、加奈さんからのメールだと思われ」



優  「メール?」



安部 「うーん」



優  「誰から?」



安部 「うっ誰っからって」



優  「だって安部君のメールの受信音、たまに違うとき、あるよね」



安部 「そうかなあ」



優  「気のせい?」



安部 「だと、思うけど」



安部N「うそが下手なくせに、俺、隠し事しちゃってるし」



   鼻歌を歌う優。



安部N「でも、その日の鍋が、何だかものすごーく気まずかったのは、もちろん

   僕が隠し事をしているせいもあるけれども」



安部 「じゃあ、野菜、入れるね」



優  「ちょっと待てやー!」



安部 「ええ?」



優  「鍋はダシの出る肉が先って決まっとるやろがい!」



安部 「ああっそ、そうだね、あは、あははは・・・」



安部N「優ちゃんて、見かけによらず、ものすご~い鍋奉行だったんだ・・・」



優  「イカエビカキは煮過ぎると小さくなるから野菜の後。鉄則だろ!」



安部 「すすすすいません」



優  「おおいカキは片栗粉まぶしとくと小さくならないんだよそんぐらいやっとけよ」



安部 「は、は、はい」



優  「ほらほらアクがどんどん出てきたよ食ってないでアクを取れアク代官」



安部 「アク代官?」



優  「あたしが鍋奉行だったらお前はアクをとるアク代官だろ早く取れよ」



安部 「す、すいません」



優  「ほら火加減火加減火加減に命を賭けろ」



安部 「はい」



優  「あたしの名前は?」



安部 「鍋奉行様です」



優  「お前は?」



安部 「アク代官です、35歳の平均的な、アク代官です!」



安部N「でも今は言えない。絶対、隠し事してるなんて」
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○安部礼司の自宅(夜)



N  「こうして安部礼司の、鍋をめぐる一週間は終わり、彼は今、自宅のPCに向かって、

   日課のブログを更新しているのである」



安部 「加奈さんからのメールにあった言葉は、『返事、遅くなって、ごめんなさい。

   ついうっかりして』。ついうっかりしてって、俺ってやっぱりついうっかり

   忘れられちゃうような男なわけ?あれから、結構即行で返事打ったのに、未だに

   返信無いのってやっぱり、ついうっかり?こんなことばっか考えている俺って、

   バカ?優ちゃんに怒鳴られて、当然?」



   安部の携帯が鳴る。



安部 「もしもしー?」



飯野 「おつかれさまっすー」



安部 「何だ飯野か」



飯野 「何だって、何すかー」



安部 「ごめんごめん」



飯野 「出張、結構はかどったって」



安部 「おうおかげさまでな」



飯野 「そういえば部長、先輩いない時に言ってたっす」



安部 「えっ?」



飯野 「アイツもついに本気になったかって」



安部 「まあ、な」



飯野 「でも、あきらかにやる気になるのが遅すぎるって」



安部 「まあ、な」



飯野 「まあでも、僕らも、先輩に負けないよう頑張りますんで」



安部 「うん」



飯野 「とりあえず、優ちゃん、ねぎらってあげてください」



安部 「え?」



飯野 「優ちゃん、今日会社で会いませんでした?」



安部 「いや、会ったけど」



飯野 「先輩が出張行ってる間、優ちゃんも、九州、飛び回ってたんすよ」



安部 「え?」



飯野 「昨日、会社戻ってきたときは相当疲れてたから心配してたんですけど、でも、

   全然大丈夫だからって、休日返上で頑張るからって」



安部 「そうなんだ」



飯野 「優ちゃん、結構本気ですよ」



安部 「は、はあっ!?」



飯野 「いや、ご当地ナビ」



安部 「ああ、あああ」



飯野 「優ちゃんと、何かあったんですか?」



安部 「なっ何かって何?何も無いよ」



飯野 「まあそりゃそうでしょうけどね。とにかく明日、メシおごるなりなんなり、

   フォローしてあげてくださいね」



安部 「おう」



飯野 「じゃ、失礼しまっすー」



   携帯を切る安部。



安部N「優ちゃんが、そんなに頑張ってくれていたなんて知らずに、俺は・・・」



   安部の携帯が鳴る。



安部 「もしもし?あっえっ、かっ加奈さん?あ、あ、安部です安部礼司です、えっ、

   いやいやいや別に、落ち込んでないけど。あっメール?

   全然そんな全然気にしてないから。

   うん、うん、あっ、やっぱりついうっかり、だよね人間だもんねついうっかり

   するよね、そういう人間らしいとこが分かってますます、加奈さんのこと

   すっすっすっすっ、ストローでビール飲んだらむせちゃたははよく分かんない

   けど酔っちゃった酔っちゃったみたいちょっと」



   7曲目 じれったい愛 T-BOLAN



彦丸N「どうも。本日の鍋ゲーター彦丸でございます。いやーはやー安部礼司君、年末は

   どうしとるんでしょうかねー。というわけで、そんな安部君がせきららに、己を

   つづったブログ、あります。見たってちょ。アドレスは、www.tfm.co.jp/abe、

    www.tfm.co.jp/abe。メールマガジンも配信しとるでよお、よろしくなも。あ~、

   これこそまさに(エコー)35年に一度の、恋の、宝石箱だがやー!ーあ。

   (SE・ズルッ)彦丸でした。(SE・ズルズルズル)」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。


11月19日放送内容①

2007年03月22日 18時55分33秒 | 2006年11月
N  「急がば回れ?」



安部 「あぁ違う」



N  「急いては事をし損じる」



安部 「いや、それも違うんだよなあ」



N  「ああ分かった!」



安部 「何?」



N  「二兎追う者は一兎も得ず」



加奈 「12月には、きっと、帰ります」



安部 「加奈さん」



優  「クリスマスイブはディズニーシー。チョー楽しみー」



安部 「優ちゃん」



加奈 「安部さんは、誰か、好きな人とか、いないんですか?」



安部 「それは・・・」



優  「ねえ安部君、好きな人とか、いる?」



安部 「それは、それは」



優・加奈「じゃあ、私のこと、好き?」



安部 「うぎゃあー!」



安部 「はっ、ここは」



松任谷由実の、リフレインが叫んでるが流れる。



加奈 「うれしい」



安部 「え?」



加奈 「安部さんとこうして、イブにディズニーランドで過ごせるなんて、うれしい」



安部 「ま、待って加奈さん」



加奈 「え?」



安部 「いや、あの、その、イチゴ味のチュロス買ってくるから、ちょっと待ってて」



   走る安部。



安部 「はあ、はあ、はあ、優ちゃん」



優  「(低い声で)遅いよ安部君・・・。優を、ディズニーシーで一人にしないで」



安部 「いやあ、あの、トイレに並んだつもりが、間違ってタワーオブテラーの列に

   並んじゃって」



優  「(低い声で)うふふふふふ・・・もう離さない」



安部 「待って。餃子ドック買ってくるからちょっと待って」



   走る安部。



加奈 「安部さん、チュロスは?」



安部 「ああ待って」



   走る安部。



加奈 「パレード始まっちゃいますよー!」



   走る安部。



優  「餃子ドックは?」



   走る安部。



安部 「ああ待って待って」



   走る安部。



優  「ファストパスの時間過ぎちゃうでしょー!」



安部 「うわあ!うわあ!うわあ!うわあー!(走る安部)ランド、シー、ランド、シー、

   ランド、シー。

   でもこれだけ、東京ディズニーリゾートの敷地内を全速力で右往左往

   したところで、僕は結局、どこにもたどり着けないで。

   はあ、はあ、はあ、こ、ここは」



刈谷 「はい。二兎追って一兎も得られなかった安部礼司さんご来店!」



安部 「ええ?」



刈谷 「残念!ランドでもシーでもない、イクスピアリへようこそ!」



安部 「いやー!」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部N「は、はあっ!もうこれは言うまでもなく、もう当然、

   当たり前の事かもしれませんが、夢、か」



飯野 「僕もう、まじで心配っす」



安部 「え?」



飯野 「最近先輩、居眠りのたびにどんどんやつれていっちゃって」



安部 「なんか、だな」



飯野 「なにか、心配事でも、あるんすか?」



安部 「うー・・・ん」



N  「これこそまさに、もつれた恋の、玉手箱だがやー」



飯野 「言いたくないんならいいんですけど、じゃあ栄養でも取りに、

   鍋でも行きますか?」



安部 「うー・・・ん」



N  「お鍋言うたら、冬の食材の玉手箱だがやー」



安部 「(いびき)」



飯野 「あれ、生返事ばっかだと思ってたら、また寝ちゃった」



安部 「うん、うーん、あ、あああー」



飯野 「先輩」



安部 「(寝言)でもやっぱり、どっちかなんて選べないよー」



飯野 「はあー。何があったのかは知らないけど、こりゃ、あれだなあ、

   クリスマスキャロルが聞こえるころには、先輩、死んじゃってるかもなあ」



1曲目 クリスマスキャロルの頃には 稲垣潤一



N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

N  「恋にやつれた安部礼司は、出来た後輩飯野平太にいたわられ、

   東京麹町の某所にひっそりとたたずむ鳥鍋の知られざる名店を目指した」



大場N「地球温暖化防止のために、実は政府も奨励している鍋。言われるまでもない

   でしょうが、今年もどんどん、鍋、やっちゃいましょう。

   ちなみに、鍋にツキモノのポン酢には、疲労回復に役立つクエン酸と有機酸が

   豊富に含まれているので、地球にだけじゃなく疲れた体にも優しい食べ物と

   言えるのであります」



○鍋の店・外



安部 「ここかあ」



飯野 「あれ?あまりにボロい店構えに、何だかひいちゃいました?」



安部 「いやいや、逆だよ。こういう店で安心したよ」



飯野 「え?」



安部 「いやさあ、いかにも刈谷とかが入り浸ってそうな高級店て、返って

   落ち着かないからさあ」



飯野 「まあこのお店だったら、刈谷さんとはまず遭遇しないとは思うんですけど」



安部 「だったらいいよ。狩谷のウンチク聞かされながら鍋食いたくないもん」



飯野 「でも」



安部 「え?」



飯野 「いや、もし万が一、女将さんがお店にいたら」



○同・店内



   店に入る安部と飯野。



女将 「(濁声)あーっは、は、は、は、いらっしゃいませ~」



安部 「飯野くうーん!」



飯野 「すいません、女将さんいたっす」



女将 「おーほほほほほ」



安部 「この、あきらかに誰かにそっくりな女将さんが、またとんだ曲者でありまして」



女将 「それではお鍋の用意しちゃいますでねー。失礼しま~す」



   準備を始める女将。



安部 「何だよ騒々しいなあ」



飯野 「気にしないでいきましょう、あ、そういえば」



安部 「何?」



飯野 「部長は結構気にしてたっす」



安部 「え?」



飯野 「先輩元気ないことを」



安部 「そうなんだ・・・」



飯野 「ご当地ナビの納期も、なんだかんだ差し迫ってるし、なんか、そういうのも、まあ、

   大丈夫、かなあって」



安部N「そのとき、飯野はたしかに、俺を傷つけないように、慎重に慎重に言葉を選んで

   くれていたわけで。

   ということは、実際のところ部長は、俺のここ最近のふがいなさに関して、

   相当周囲に不満を漏らしていると思われ。

   はあー、35歳にもなって、プライベートがここまで仕事に影響しちゃう俺って。

   もうほんとに自己嫌悪」



女将 「はいじゃあまずお鍋のスープだけ味わってくださ~い」



安部 「は?」



女将 「当店自慢の、お鍋の黄金のスープだけ、味わってくださ~い」



安部 「はあ」



女将 「はい。どうですか~感想」



安部 「まあ、おいしい、かな」



女将 「ブー!まだ具材入れてないので、そんなことないはずです~」



安部 「だったらわざわざ飲ますなや~!」



女将 「はい、こちらの当店自慢のつくねはですねえ、14種類もの色んな食材を混ぜ

   合わせて作っておりましてですねえ~」



安部 「ええ~」



女将 「お客さ~ん、何気にリアクション味気ないですけど。14種類もですよ、もっと

   14種類の具材の内容に興味もって~」



安部 「じゃあ、何が入ってるんですか?」



女将 「そ~れ~は、絶対に秘密です~」



安部 「お前が聞いてくれ見たいな顔したから聞いたんだろうがあ~!」



女将 「はいそこ~!まだ野菜は食べちゃダメ~」



安部 「何で?」



女将 「当店は野菜にもこだわりがあるので。野菜からほとんどアクが出ないんです。

   そのアクの出ない様子を、まずはただ見て下さい」



安部 「はあ?ああ、見たよ。見た見た。確かにアクが出てなくて」



女将 「はい、食べてよ~し。大根とニンジン以外食べてよ~し。早く煮えすぎないうちに

   早く食う!ほら早く!」



安部 「だってまだ説明の途中だったから」



女将 「早く食べて!」



飯野 「熱くて食べられないっすよー」



女将 「火傷がなんなのもー。女将が今すぐって言ってんだから、今食いなさいよほら~」



* * *



女将 「それでは、お鍋は以上になりますので、失礼、いたしました。おーっほほほほ」



安部 「あ~、食った~。けど、食った気しねえ」



飯野 「味は悪くないんですけどね、ココ。女将の、あの仕切りさえなければ。

   あっ、そうだ!」



安部 「え?」



飯野 「これ、そういえば預かってたっす。先輩、元気出してって」



安部 「メッセーシ?誰からだ。(手紙を開く)えっ!『安部さん、来年こそは、ずーっと

   一緒に、時を刻ざんでいきましょうね。カナ』。これ、カナって」



飯野 「ええ、うちのかあちゃん飯野カナからっす」



安部 「だったらそういえよ。紛らわしいだろ!」



   飯野を手紙で叩く安部。



飯野 「いてっ、いたい、いたい」



   安部の携帯から着信音がする。



安部 「ん?」



飯野 「先輩、メール」



安部 「分かってるよ。あぁっ、加奈さん」



飯野 「かあちゃん?」



安部 「そっちのカナさんじゃなくって」



加奈N(メール)「安部さん。寒い日が続きますが、元気ですか?

   いつのまにか、もう、冬が始まっているみたい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
安部N「加奈さんからの何気ないメール。

   特に大事なことが書かれているわけじゃないけど、元気、しっかり頂きました。

   よっしゃあ、これで仕事もバリバリと、なんて思っていたんですが・・・」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部

   

   携帯を開け閉めする安部。



安部 「ふう・・・はあ・・・ダメだ、加奈さんからのメールが来ていないか気になって、

   仕事に集中できない。それにしても、返事打ったのに加奈さん、どうしたんだろう。

   散々考えた末、文面をシンプルにしすぎたのが、かえって味気なく思われちゃった

   のかなあ。

   ああ、こんな事なら、加奈さんはどう思う?とか、文末を質問形式にしといて、

   返事を半強制しとくべきだったのかも。はあ・・・」



優  「ちょっと安部君」



安部 「あっあっ優ちゃん」



優  「さっきから何?携帯を開けたり閉じたり開けたり閉じたり」



安部 「いいや、これは」



優  「仕事なんか上の空でもいいような、そんな大事なメール待ってるんだ」



安部 「そんな事、ないけど」



優  「(ため息)あのさあ、そもそも安部君の企画だよねえ、ご当地ナビって。

   今、ただでさえ納期に間に合うかどうかの瀬戸際なのに、言いだしっぺの

   人がそんなんじゃ・・・周りは、本当にどうしたらいいのか分かんないんです

   けど」



   立ち去る優。



安部N「え・・・今優ちゃん、マジで、怒ってた?」



大場 「倉橋君も、焦ってるんだねえ」



安部 「部長」



大場 「だって、まあどう考えてもこのままじゃ間に合わないもんなあ、

   ご当地ナビ」



安部 「いやあそんな、間に合わせますよ」



大場 「ん?」



安部 「当たり前じゃないですか、来年の春の発売には、絶対間に合わせます」



大場 「このままやって、時間的には間に合ったとして、中身はどうなんだ」



安部 「え?」



大場 「それは、お前が最初に思い描いていたような、充実した内容になってるのか?

   ・・・ただ間に合わせるだけだったらできる。そりゃあそうだ。でも、皆がお前に

   期待していた事って、そもそもそんな事だったのかなあ」



   立ち去る大場。



安部N「いつもみたいに、出会い頭にオオバカモン!て怒鳴らなかった部長の言葉に、

   僕は、完全に打ちのめされてしまったわけで」



   大場を追いかける安部。



安部 「部長」



大場 「ん?」



安部 「ちょっと、出張行って来ます」



大場 「そうか」



安部 「だからあの、なんていうかその、とっとにかく行って来ます!」



N  「そして安部礼司が向かった先は、青森県八戸市」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

11月12日放送内容②

2007年03月12日 18時02分15秒 | 2006年11月
N  「安部礼司は、出張で、東北は仙台にいた。空気は幾分、ひんやりしている。

   安部礼司の心も、何だかひんやりしている。

   彼は、仙台に転勤になった、大学時代の同級生と、待ち合わせをしていた」



安部 「あれか?おーい!サトシ、こっちこっち!」



サトシ「おお、安部。ひさしぶり」



安部 「えっ今日会社じゃなかったの?」



サトシ「うん、ああほんきとった。お前来るっていうしさあ。

   仕事だと何時に終わるか分かんないし」



安部 「わざわざ、ありがとな」



サトシ「なーに言ってんだよ。それより、なんかくたびれたサラリーマンって感じだなあ」



安部 「そういうなよ」



サトシ「大学のときはさお前結構オシャレだったじゃん」



安部 「え?そう?マジ?」



サトシ「おお、一緒に古着とか買いに行ったじゃん」



安部 「そうだなあ」



サトシ「老け込むのが早いぜ」



安部 「あ、ああ」



安部N「そんなサトシは、なんだか格好良かった。

   白の綿のシャツ、破れたデニムに革ジャン。

   普通っていえば普通だけど、なんか自然でよかった。

   東京にいるときより、若くなったって思った」



安部 「そういえばさあ、お前なんか若くなったなあ」



サトシ「別に変わんねえよ。たださ」



安部 「ん?」



サトシ「結構シンプルになったっつうか、好きなもんだけ大事にするようになったかな」



安部 「好きなもんだけ?」



サトシ「うん、何でもほしいっていうつまり数じゃなくてさあ、これだけは守るっていうか、

   あー、うまく言えねえや。あ、ビールでいいか。あ、おばさんビール2つ」



安部 「製薬会社ってのは転勤多いんだろ?」



サトシ「ああまあな。でも住めば都さ」



安部 「サーフィン、まだやってるのか」



サトシ「ああ、朝早く波に乗って、会社って日もあるんだ」



安部 「そっかあ」



サトシ「どうした。なんか元気無くないか?」



安部 「そんな事ねえけどさあ」



サトシ「お前は昔から人の為なら何でも出来るのに、自分の事になるとからきし勢い

   無くなるよな」



安部 「そんな事ねえよお。俺は、元気だよ。

   あ、おばさーんビールじゃんじゃん持ってきて、

   もう浴びるほど、ほんとに浴びちゃうぞ、て」



安部N「けして、元気じゃなかったわけで。

   石巻って聞いた瞬間に、僕の心は、・・・えーいもう飲んじゃう、たくさん飲んじゃう!」



○サトシの自宅



安部、目を覚ます。



安部 「ん、あ、ああ」



サトシ「おお、起きたか」



安部 「ここは?」



サトシ「俺んちだよ」



安部 「ん?あれ?どうしたんだっけ」



サトシ「何にも覚えてないのかよ。お前はべろべろに酔って、なんか女の名前

   呼んでたな。

   なんてったっけ、3人ぐらいの名前言ってたぞ、どんな生活してんだよお前」



安部 「ん、ん、嘘だよー」



サトシ「でも、一人、しつこく名前言ってたのが、えっと・・・」



安部 「いいよ、思い出さなくても」



サトシ「ああ、ちょうどコーヒー入れたから」



安部N「コーヒーの芳醇な香りが、部屋の中に満ちていた。

   部屋を見渡した。なーんか、何にも無い部屋だった。

   フローリングに、シンプルな大きな木の机。

   赤いイスと黒いイスが一脚ずつ。壁には、サーフボードが2つ、立てかけてあった」



安部 「このイス、どっかで見たなあ。雑誌かなあ」



サトシ「こっちがPK22で、こっちがセブンチェア」



安部 「有名なのか?」



大場N「もちろん有名です。北欧デザイン、デンマーク出身の2人の巨匠、

   ポールケアフォルムと、ヤコブセン。PK22のPKとは、ポールヤコブセンの

   頭文字。細い足に黒い皮。1955年に発表された名作です。

   セブンチェアはヤコブセンの代表作。

   軽さと豊富なカラバリが楽しめる一品です。

   これも1955年の作品。シンプル、イズ、ベスト」



サトシ「なんかさあ、どこにいてもネットなんかで結構買えたりするんだ」



安部 「そっかあ」



安部N「軽くショックを受けていたわけで、正直、サトシはもっとなんていうか、

   もっさりしていると思っていた。ところが、なんか、オシャレさんなわけで」



サトシ「この豆、最近買ったから味分かんないけど」



安部 「あ、ああ、サンキュー」



サトシ、安部にコーヒーを出す。



コーヒーを口にする安部。



安部 「ああ、美味い」



サトシ「そっか。よかった」



安部 「なあ、サトシ」



サトシ「ん?」



安部 「仕事、楽しいか?」



サトシ「さあ。あんまり楽しいとか楽しくないとか考えないようにしてるんだ」



安部 「え?」



サトシ「結局お金もらってるんだから、生活ってのはな、それでいいっていうか」



安部 「サーフィンは、楽しいか」



サトシ「ああ。9月や10月の荒浜は穴場だし、福島の北泉ってとこはいい波なんだ」



安部 「波はさあ、高いほどいいんだろ?」



サトシ「そうともいえないんだよ。風が無くってうねりがあるのが一番いいんだけどな。

   いやもし風が吹いてるとしたら、陸から海に吹く風がいいんだよね。

   これをオフショアというんだけど。

   風波じゃなくて、うねりの入った切れたいい波が最高なんだよ。

   そんな最高な波に出会ったらさあ、忘れられなくなるんだよ、波が」



安部 「そっかあ」



サトシ「会いに行けよ」



安部 「え?」



サトシ「その人。石巻にいるんだろ」



安部 「でも、別に好きっていうか」



サトシ「気になるんなら、会いに行ったほうがいいよ」



安部 「ああ・・・」



サトシ「岩月加奈さん」



安部 「何で知ってるんだよしかもフルネーム」



サトシ「あれだけ大声で叫ばれたんじゃ覚えないわけいかねえって」



安部 「そっか・・・」



サトシ「コーヒーもういっぱい飲むか」



安部 「ああ」



サトシ「・・・革命か」



安部 「ええ?」



サトシ「革命だー!って叫んでたぞアーケードでさ」



安部 「行っても、ひかれないかな」



サトシ「いいじゃないかひかれたらひかれたで。失うもんあるのか」



安部 「そうだな。無いな。はははは、無いな」

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安部N「女性を追って、その人の町に行く。

   あれ、これってストーカーじゃないのか?いや違う。

   ただ、彼女が吸った空気を肺に入れるために行くんだ。うんそうだ。

   会えなくていい。ただ、行くだけでいい」



飯野N「石巻情報。漫画家石ノ森章太郎先生ゆかりの町石巻。

   土、日、祝日に一日三往復する特別快速電車マンガッタンライナーには

   石ノ森キャラクターが描かれています。

   旧北上川の河口に位置する石巻市は、伊達藩の統治下には奥州最大の米

   の集積港として繁栄しました。水に囲まれた静かな街なのです」



○石巻・タクシー・車内



運転手「お客さんはー、東京の人でしょ」



安部 「えっ分かります?」



運転手「分かるよーそりゃ分かるよ。私だって東京に最近までいたからね。

   タクシーは色んな人乗っけっから、すぐ分かる。

   それに、お客さん、オシャレだもん」



安部 「えっそっそっかなあ」



運転手「このあたりでは黄色いシャツに赤いネクタイ、しないからねえ」



安部 「は、はあ」



運転手「するのは、(モノマネ)ルパーンさーんせー、ふーじこちゃーん。

   くらいのもんじゃない?あははははは」



安部 「ははははは・・・」



運転手「で、どこ行くんだっけ」



安部 「あ、ああ、えと、住所は分からないんですけど、ナントカ山公園って」



運転手「ナントカ山」



安部 「ええ、その公園によく、お父さんを散歩に連れて行くって」



運転手「ナントカ山って場所は、無いな」



安部 「そりゃそうでしょ。ナントカってのは分からないからナントカって言ってるだけで」



運転手「そっかあそうだよね。おかしいと思った。あははははは。

   石巻で公園といえば、日和山公園かなあ。花の名所でさ、桜の季節はすごいよ。

   松尾芭蕉や、石川啄木も、訪れたっていうからね」



安部 「そ、そこかなあ、行ってください、そこ、日和山公園」



運転手「はいよ」



○日和山公園



安部N「公園は高台にあって、牡鹿半島や松島が見えた。

   風は冷たかったけど、日差しは柔らかかった」



運転手「お客さん、後30分ぐらいで戻んないと、私次ありますんで」



安部 「ああ、はい、すぐ戻ります」



運転手「車で待ってますから」



安部 「はい」



安部N「目の前に、一人の老人が近づいてきた。フラフラと足元がおぼつかない。

   この人が、加奈さんのおとうさんだったりして、とか考えたが、あまりに

   歳を取り過ぎていた」



老人 「あっ!あっあっあんた、タバコを持ってないか?」



安部 「ええっ?あっいや禁煙してるもんで」



老人 「つまらん!最近の若いモンはつまらん!」



安部 「あ、買って来ましょうか?」



老人 「えっ、何を」



安部 「いや、だからタバコ」



老人 「お前はタバコを吸うのか」



安部 「い、いや、お、おじいさんが吸うって」



老人 「わしは白鳥だ」



安部 「え?」



老人 「スワン」



安部 「あ、あた」



老人 「あーはーあはあはあは。どう?今のギャグ。どう、ウケた?ウケた?」



安部 「はあ。まあ、すっかりやられました」



老人 「じゃあここで問題です。白の人がお答えになれば、そのまま白の人の勝ち。

   赤の人がお答えになると、青が赤に変わって同点決勝。

   さあどうなる、最後の問題、アターックチャーンス」



安部 「て、問題は?」



老人 「はい、石巻といえば石ノ森先生ですが、次の中で石ノ森先生の漫画はどれ。

   ドラえもん、銀河鉄道999、機動戦士ガンダム 、がんばれ元気、

   がんばれげんさん、がんばれ父さん、そんながんばれと言っても私も限界だああ。

   いやあ気持ちはあるんだよただなあ、体がついていかんのだよ働いていきたいよ

   そりゃ働きたいーでも」



安部 「おじいさんちょっと」



老人 「わしだってまだまだがんばれるー。

   いやそれをがんばるんじゃなくてわしはなあ」



安部 「あのークイズわすれてますよ」



老人 「あーすまなかったー、じゃあ正解は、15番のサイボーグ007でしたー残念」



安部 「残念て」



   遠くから加奈の声が聞こえる。



加奈 「おとうさん。おとうさん」



老人 「ああっ。どこかで誰かの声がする」



安部 「ええっ」



   駆け寄る加奈。



加奈 「はあ、はあ、ダメじゃないですか、おとうさん、一人で出歩いちゃ・・・あ!」



安部 「かっかっかっ」



老人 「カトちゃんペ」



安部 「加奈さん!」



老人 「加奈さん」



加奈 「安部さん!安部、礼司さん」



安部 「加奈さん!」



老人 「安部さん」



安部 「ておじいさんはいいから」



加藤茶の「タブー」が流れる。



加奈 「びっくりしました」



安部 「ご、ごめん」



加奈 「いえ」



安部 「でも、会えると思ってなかった、です」



加奈 「最初に、安部さんの姿を見たとき、幻だって思いました。

   私、頭どうにかなってしまったんじゃないかって」



安部 「ビックリさせるつもりは無かったんだけど」



加奈 「でも・・・」



安部 「はい?」



加奈 「うれしかった」



安部 「ええっ」



加奈 「やっぱり、うれしい。会えて、うれしい」



安部 「よかったー。それだけ聞ければ十分です」



加奈 「そのシャツとネクタイ、ちゃんと、してくれてるんですね」



安部 「えっこれ?ええ、加奈さんが最初に見立ててくれたものですから」



加奈 「評判、どうですか?」



安部 「えっもうすごいですよ、大評判というか、オシャレさんて事でテレビにも

   取材されて」



加奈 「そう」



安部 「すっごく気に入ってます」



加奈 「安部さん、私」



安部 「あれっ、おとうさんは」



加奈 「えっいやどこ行ったんだろうもー目を離すとすぐにいなくなるから」



安部 「加奈さんは、あっち探してください、僕はこっちを」



加奈 「はい、すみません」



5曲目 夢の中へ 井上陽水



安部 「あ、あれ。あーいたよー」



安部N「加奈さんのおとうさんは、芭蕉と曽良の像の前にポツンと座っており」



安部 「お父さん」



老人 「つまらん!」



安部 「え?」



老人 「なんでお前に、おとうさん呼ばれるあるか」



安部 「どこの人なんですか」



老人 「おい、金太郎、あ、青年、ここに座れ」



安部 「あ、はいはい」



老人 「加奈はなあ」



安部 「ええ?」



老人、涙声になる。



老人 「加奈は、可哀想な子なんじゃよ」



安部 「可哀想って」



老人 「私は、加奈の本当の父親じゃない。あの子の母親と再婚したんじゃ」



安部 「・・・そうなんですか」



老人 「母親に先立たれてなあ、あの子は、それでもわしの面倒を」



安部 「あのー」



老人 「どこの誰かは存じませんが、どうか、あの子を幸せにしてやってください」



安部 「ええ?」



老人 「わしの実の息子が、アメリカから帰ってきます。

   そしたら、あの子を自由にしてやりたい。

   あの子にはやりたい事が山ほどあるんじゃあ。

   なああんた、あんたはきっといい人だ、だから頼む金太郎、あの子の事を、

   よろしく頼む」



安部 「あの、僕は」



   加奈がやってくる。



加奈 「やだ、おとうさんここにいたんですか、安部さんも、すぐ知らせてくれたら

   よかったのに」



安部・老人「すいませーん」



加奈 「もう、よかった、無事で」



運転手「おーい、お客さん、そろそろ行かんと、電車間に合わんよー」



安部 「ああ、はーい」



加奈 「安部さん」



老人 「おおい、ボンクラ運転手、GNPをわきまえろ!」



運転手「GNP?国民総生産?」



老人 「いやあPTAだったか、TPAか」



運転手「TPOでしょそれうふふふふ」



老人 「コッチへ来い金太郎」



運転手「いててててすげえ力だなじいさん」



加奈 「・・・本当に、ありがとう」



安部 「いやあ、なんていうか」



加奈 「この公園からの景色、見せたかったから。安部さんに見てほしかったから」



安部 「加奈さん」



加奈 「幼いころから、ずっと一人で眺めてたの。

   ・・・12月には、きっと、帰ります」

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○安部礼司の自宅(夜)



N  「こうして、安部礼司の、革命的な一週間は終わり、彼は今、自宅のPCに向かって、

   日課のブログを更新しているのである」



安部 「えー、自分でもびっくりした。あんなことが出来てしまうなんて。

   仙石線に乗ったとき、僕は、不思議な心の高ぶりを覚えたわけで、

   あの高ぶりは、どこか懐かしく、でも確実に、僕を男らしくさせたわけで、つまり、

   ファッションとはパッション!違うかな、まだ自信ないな。

   加奈さん、実はひいてたりして」



   安部の携帯がなる。



安部 「あ、優ちゃん。(携帯を取る)あ、はい」



優  「優でーす」



安部 「あ、ああ」



優  「あれあれー?なんか怪しいー」



安部 「え?」



優  「なんか、ありました?」



安部 「ええっ何も、ないって」



優  「ならいいんですけど。決めましたよ」



安部 「え、何を」



優  「ディズニーシーに行く日ですよ」



安部 「ああ、ああ」



優  「12月24日で」



安部 「え・・・イブ?」



優  「あれ?誰か先約います?」



安部 「いや・・・いないよ」



優  「クリスマスイブ、楽しみー」



安部 「そんなこと言って、優ちゃんドタキャンしたりしてね」



優  「ひどーいあたしが今まで約束破った事ありますー?」



安部 「ある。結構ある」



優  「でも、クリスマスは別です」



安部 「だよね」



優  「じゃあまた」



安部 「ああ」



   安部、携帯を切る。



安部N「なんかせつないのは、秋のせい?なんか、大きな波のうねりが、オフショアが、

   今自分に来ていると思われ」



7曲目 You`re The Only ・・・ 小野正利



安部N「あ、安部礼司です。なんだかすごいことになってます。

   ご当地ナビもやんなきゃなんないし、でも気になるのは・・・あぁ、ただ鍋でも囲んで

   楽しくワイワイやりたい。現実逃避気味の安部礼司のブログあります。アドレスは、

   www.tfm.co.jp/abe。www.tfm.co.jp/abeです。

   メールマガジンも配信してます。来週は、絶対鍋。もう決めた!では来週もお楽しみ

   に!」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。


11月12日の放送内容①

2007年03月12日 17時59分34秒 | 2006年11月
さて、今週のみなさんにご質問。

街ではクリスマスのイルミネーションも始まったりして、

いよいよ年の瀬もそろそろ・・・な雰囲気ですが、

みなさんの会社では、忘年会、ってあったりします?

無礼講系?マジメ系?小ぢんまり系?

酔ってうっかり上司の悪口、本人の目の前で言っちゃったりしちゃいません?

今週は、そんな、みなさんの

『酔って失態』エピソード、教えて下さい!

ちなみに、僕、そこそこ、あります・・・

安部礼司の公式ブログhttp://www.tfm.co.jp/abe/blog/



オッティのCM

http://www2.nissan.co.jp/OTTI/H92/0610/CONCEPT/main1.html



○神保町



グラマラス斉藤「(オカマ口調)はーい皆さーんこんにちはー。

   街角突撃インタビューオシャレさんを探せ、インタビュアーは私グラマラス斉藤

   でーす。グラグラ。

   さーて、電気街といえば、秋葉原。では古本屋街といえばー?

   そう、そのとおり、神保町ー。私は今神保町に来ていまーす。

   あっさっそく素敵ないじりがいのありそうな男子発見。

   どぅーもーちょっといいですかー」



安部 「えっなっ何ですか」



グラマラス斉藤「ちょー人気番組オシャレさんを探せ、のグラマラス斉藤です。

   グラグラ」



安部 「し、知らないけどなあ」



グラマラス斉藤「今これ生放送です。あ、カメラは、コッチから撮ってまーす」



安部 「ええっ困りますよー」



グラマラス斉藤「心配ないですよー、何も怖くない!私を信じてついてきてくださーい。

   そうすればあなたはきっと、オシャレさんになれますよー」



安部 「えっ、てことは、俺、オシャレさんじゃないってこと?

   つかオシャレさんて言葉が、そもそもオシャレさん?」



グラマラス斉藤「お名前は?」



安部 「あ、安部です。安部礼司」



グラマラス斉藤「おいくつですか?」



安部 「34じゃなかった、35歳です」



グラマラス斉藤「スタジオのカリスマスタイリストのプーコさん、いかがですか彼」



○スタジオ



プーコ「(オカマ口調)はーい斉藤ちゃん、いいんじゃないその子。食べたい感じ」



○神保町



グラマラス斉藤「気に入っていただいてどぅーむです。

   さて、恒例の、ファッショーンチェーック!」



○スタジオ



プーコ「えーっと、安部さんはねえ、スーツが古いわねえ。

   2006年秋冬のトレンドはシングルブレストの2つボタン。

   安部さんボタンー、えっ4つもあるの?やだ、学生服みたいねえ」



○神保町



安部 「なんか、コメントもらってるんだろうけど、全く聞こえん。

   ちょっとおじさん、何、するんですかスタジオ」



グラマラス斉藤「誰がおじさんだって?」



安部 「ああっすいません。僕のファッションは?」



グラマラス斉藤「スーツが古いー」



○スタジオ



プーコ「ネクタイが細すぎるー」



○神保町



グラマラス斉藤「シャツが黄色でネクタイが赤。

   スーツが黒なんて似合うのは、(モノマネ)おいらルパ~ンさーんせー、だけです

   よ~。もう考えられないコーディネート。

   散歩中のワンちゃんだって、もっとマシな服着てるわよ!」



安部 「そ、そんなにダメすかあー!?」



グラマラス斉藤「もー、オシャレ革命を起こさなきゃダメ!ということで、秋深き神保町

   から、グラマラス斉藤でしたー」



安部 「ああれ?アドバイスは?あの、チェックするだけ?ねえちょっと。

   おじさんねえちょっと、ちょちょっとま待ってくださいよ。お逃げた。

   走って逃げた。ちょっと待ておいおい!おーい」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部 「てな番組に出たわけよ」



飯野 「もっと早く言ってくれればテレビ、録画したっす」



安部 「いいよ録画なんか」



優  「で?結局アドバイスは?」



安部 「ああ、追いかけて、やっと聞き出したのが」



飯野 「そのメガネですね」



安部 「えっ何で分かった」



飯野 「得意先まわって帰ってきたら、メガネかけてるんだから、はぁ、先輩やっぱり

   分かりやすいっす」



安部 「そっかあ。どう、これ」



優  「うん・・・メガネなら何でもいいって事ないと思うけど」



安部 「え?ダメ?赤いフレームだから?度が入ってないから?」



優  「そういうことじゃなくって、せめてアランミクリか白山眼鏡か、フォーナインズ

   とか?」



安部 「知らん。全く知らん」



飯野 「ああ、アランミクリですか」



安部 「ええっ飯野知ってるの?」



大場N「美しいデザインとカラーで魅了するファッションアイウェアのトップブランド

   アランミクリ。

   木村拓哉のCMで使用されたり中田英寿やパフィーなど有名人が多数愛用してい

   るアランミクリは見るだけではなく見られるためのアイウェアなのである」



優  「あと何て言われたんですか?」



安部 「えとね、そうそう今年は、空前のモノトーンブームだって」



飯野 「確かに、それなんかの雑誌で読んだっす」



安部 「まあ、モノトーンなら、俺に任せろって感じなんだよね。

   だって、白と黒だけでいいんだろ?簡単簡単」



優  「違いますよー。色を使わないって事はそれだけセンスが勝負っていうか、実力

   出ちゃうってことでしょ。シンプルって一番難しいんですよ」



安部 「しっ知ってるよ、シンプル。それだよ、何事もシンプルに。

   やっぱ、黄色に赤はナシだったな。今日に限ってファッションチェックかよ」



飯野 「先輩はすぐ影響受けるから、明日あたり白いシャツに黒いスーツで出勤しそう

   っす」



安部 「ドキッ何で分かった」



優  「気をつけてくださいねー。うまくネクタイ選ばないと、あっ今日ご葬儀に出ら

   れたんですかーって言われちゃいますよ」



安部 「分かってるよー。ネクタイは、ネクタイはどうしたらいいんだろう」



優  「雑誌とか読んで勉強してください」



安部 「はあい」



飯野 「いいですよ、先輩はそのままで。オシャレさんの先輩は先輩じゃないっす」



安部 「それもなあ。モノトーンだろ」



優  「あーかといってあのストライプが派手なスーツはやめてくださいね。

   あれシマウマみたいって皆言ってましたから」



安部 「えっだって優ちゃん素敵って」



優  「今だから言いますけど、陰でゼブラーマンて呼んでました」



安部 「ええっひどい。モノトーン。ああ、モノトーン!」



1曲目 Monotone Boy レベッカ



N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」



安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りします

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○バー



ドアを開け、店内に入る安部と大場。



マスター「いらっしゃいませ」



大場 「ああ。いつものを」



マスター「はい。薩摩焼酎萬世のロックですね」



大場 「安部は何にする」



安部 「ええと、カシスオレンジで」



マスター「かしこまりました」



大場 「なんだ、いつもビールなのに」



安部 「いやあ、ちょっとオシャレさんになろうかと」



大場 「オシャレさんねえ。で、相談てなんだ?

   まさか、どうしたらオシャレさんになれるかって事はないよなあ」



安部 「ま、まさかはははははは」



安部N「その、まさかだったわけで」



大場 「まああれだな。オシャレなんてものは、ある時から頑張ったってダメだな」



安部 「えっそうですか」



大場 「ましてや人に習うもんじゃない」



安部 「でも、センスは磨かれるというか」



大場 「幻想だよ。そんな見てくれを気にするより、中身を磨けって言いたいなあ」



安部 「って部長はおもいっきりファッション、気にしてますよねえ」



大場 「そんなことはない」



安部 「だって、BRIOの表紙に、長澤まさみと出ることが夢だって言ってましたよ」



大場 「そうだっけ」



マスター「お待たせしました」



安部 「あ、はい。ああ、乾杯」



大場 「ああ、おつかれ」



グラスを合わせる安部と大場。



大場 「それより、聞いてくれ。私の友人の話なんだが」



安部N「で、出た。友人の話と称して自分の話をしちゃう攻撃。

   ああ早速遠い目しちゃってるよ」



大場 「彼は、そこそこの会社の部長をしているんだが、ある女性と、恋に落ちたんだ。

   彼には奥さんも子供もいたけど、仕方なかった。それは、true loveだったんだ」



安部N「やべえ、完全に入っちゃったよ」



大場 「この間彼は、出張で鹿児島に行ったんだが、ああ、そういえば、西園寺君の

   実家はこの近くだって、気がついてなぁ」



安部N「おや・・・西園寺、友達の話じゃないの。なんか自分の話になっちゃってますよ」



大場 「彼は、行ってしまったんだ。彼女の故郷、枕崎に。

   (波の音)枕崎はなあ、カツオで有名なところだ。

   町に降り立つとなぁ本当に、鰹節の匂いがしたんだ」



「サザエさん」が流れる。



優N 「太陽とカツオの町枕崎。枕崎観光協会は、日本最南端の終着駅がある町。

   到着証明書を発行しています。枕崎はカツオが有名。

   カツオは魚へんに堅いと書きますが、これはカツオが古くから堅い魚、

   すなわち干物として使われていたことの証明です。

   鰹節は、今から1200年以上前から作られていたそうです。

   カツオー、おやつあげないわよ!ってね」



カモメの泣き声。



大場 「安部、笑うなよ。おセンチさん、なんてあざけるなよ。

   俺はなぁ、会いたかったんだ。その気持ちに正直でいたかったんだ」



安部 「全く友達どっかいっちゃいました。『俺』って言っちゃいました」



大場 「彼女が言ったとおり、アーケードは無かった。ただの道路になっていた。

   維持費が大変だったらしい。商店街は、なんだか寂しかった。遠くで波の音がした」



安部 「で、部長は会えたんですか、西園寺さんに」



大場 「え?え?何?西園寺?オオバカモン!

   やだなあ何を聞いているんだ、友人の話だよあくまで。

   やだもう安部君変!ちょっと変!」



安部N「アタフタしちゃっているよ、大丈夫か今日の部長ちょっと変。秋のせい?

   やっぱり秋は人恋しい季節?」



大場 「会えなかったって、友人は言ってた。いいんだって。会えなくていいんだって。

   大事なのは、彼女が幼いころから肺に入れていた空気を、同じように吸ってみる

   事だって。

   同じ匂いをかぐことで満足だって」



安部 「そんなもんですかねえ」



大場 「安部」



安部 「は、はい」



大場 「恋は、いいぞ」



安部 「はあ」



大場 「恋は、自分を変えてくれる。太宰治は言った。いや坂口安吾だったかな。

   つまり、恋は、革命だ」



安部 「恋は、革命」



マスター「お客さん、酔ってください。true loveは、振り返ると、そこにありますから」

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○居酒屋・店内



店内に優と飯野と刈谷。



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっそれで僕にファッションアドバイスを?」



飯野 「先輩は先輩のままでいいっすてそれは甘やかし以外の何者でもないって、

   優ちゃんが言うものですから」



優  「だって、安部君コーディネート次第で結構いけると思うから」



飯野 「刈谷さん、お願いします。先輩に一言言ってやってください!」



刈谷 「君たちは本当に偉いねえー。僕もこんな後輩がほしかったあ~」



優  「刈谷さんのコートのセンス、素敵ですー」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっありがとぅー。なんかこの居酒屋、

   暑くなくな~い?」



飯野 「それはおそらく、店の中でトレンチコート着てるからだと思うっす」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっはっ、うい~んだよう。

   ファッションにルールはないぜ。さあ、鍋食おう。

   このスペシャル激辛のチゲ鍋食おう」



飯野 「刈谷さん、汗が鍋に入ってるっす」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっあへあへ」



優  「でも、なんか素敵。オシャレの基本は、我慢なんですね」



刈谷 「イエース!ザッツラーイ!」



大場N「ミリタリーにその起源を持つトレンチコートが熱い。

   コットンアンドイオンのふんわり感が気持ち良い、バーバリーのトレンチは、

   ショート丈。柔らかなキャメルカラーがオススメです。

   ベーシックなバーニーズニューヨークのトレンチコートは初めてトレンチ族に

   オススメの一品。

   シックな黒が冬の街に馴染みます。まあ、室内では脱いだほうがいいかもね」



刈谷 「ふぅーわぁ。メガネ曇るよ」



飯野 「そういえば、何でまた、鍋の時にメガネかけたんですか?」



刈谷 「ああ。気がついた?これザ・スペクタクルのバッファロー・ホーン」



飯野 「それ、言いたいためだけにかけましたね」



刈谷 「うーん。そうだよー!」



優  「なーんかクラシックなかんずぃー」



刈谷 「倉橋君はいいセンスしてるねー。そう、これ、なんか懐かしいよねえ。

   今のメガネ、みんな横長でしょ。でもねえ、僕はあえて、あえて、♪あ~え~て~。

   縦長にこだわってみましたー!」



飯野 「スーパーマンに変わる前のクラーク・ケントみたいっす」



刈谷 「そうなんだスーツに似合うだろう?トレンチに似合うだろう?

   グローブスペックスで買ったんだ、メガネひとつで、起こせちゃうのさ、

   革命ってやつはねえ」



大場N「オリコンが調べた、メガネが似合う芸能人、男子部門。

   3位がおぎやはぎ、2位がヤクルトの古田、1位はオリエンタルラジオの藤森。

   女子部門は、3位が真鍋かをり、2位が光浦靖子、1位はアンジェラ・アキ。

   そして、gooのランキング、萌えるメガネ男子アニメキャラは3位がキテレツの

   木手英一。

   2位が野比のび太、堂々の第1位は名探偵コナンの江戸川コナン、でした。

   君もメガネで起こしてみるかい?革命」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっ、楽しいねえ鍋はういーねえ、

   あーっはっはっはっはっはっ」



店員 「あの、お客さん、申し訳ありません、そのコート、ぬいでもらっていいですか」



刈谷 「えー?やだぴょーん」



店員 「なんか、見てるだけで暑苦しいから、やめてほしいって、他のお客さんが」



刈谷 「ぜーったい、やだぴょん」



店員 「あの、そこをなんとか」



刈谷 「やだったらやだぴょん。ていうか曇ってて前が見えないぴょーん」



店員 「あのーそこをどうか、て、汗、半端じゃないですよ」



刈谷 「あー、もうやだったらやだあ!」



飯野 「優ちゃん、刈谷さんはやっぱりすごいっす」



優  「そうねえー、あのこだわり、あの頑なな感じ?さすがヒルズ族」



飯野 「ていうか、ただの子供に見えるんですが」



優  「まあね。そういえばもう一人のでっかい子供みたいな安部君は、今日どうした

   んだっけ」



飯野 「東北に出張て言ってました」



優  「そうなんだ」



飯野 「ご当地ナビの情報を提供してくれそうな会社があるって聞いて」



優  「あれー?

   その情報って、どっかから買うんじゃなくて自分たちで集めるんじゃないの?」



飯野 「そうなんですけど、納期に間に合うか心配になって」



優  「やだなあー」



飯野 「え?」



優  「そんなの安部君らしくないよ」



飯野 「先輩らしいって?」



優  「自分の足で集めるって決めたじゃん」



飯野 「まあ」



優  「納期遅らせればいいじゃなーい」



飯野 「そんな簡単に言ってもー。そんな権限僕らには無いし」



優  「あたしが何とかするわよ」



飯野 「え?」



優  「もう安部君どこに行ってるのよ!なにしてるのよ!」



飯野 「優ちゃん」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっやだぴょーん」



店員 「そこをなんとか」



刈谷 「いーやーだーあーっはっはっはっはっはっ」



店員 「そこをなんとか」



刈谷 「あーっはっはっ♪やだねったらやだね」



店員 「そこをなんとか」



刈谷 「クロちゃんです!」



店員 「いえそこをなんとか」



刈谷 「クロちゃんです!」



店員 「だからそこをなんとか」



刈谷 「やーだー」



店員 「そこを何とか」



刈谷 「わーい」



店員 「そこを何とか」



刈谷 「やだよー」



店員 「そこをだからそこを何とか」



刈谷 「クロちゃんぴょん」



店員 「なんとかそこを」

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11月5日の放送内容②

2007年03月12日 17時56分38秒 | 2006年11月
飯野 「んっ先輩、んっ、かなり、んっ、切羽詰ってたっす」



優  「んっ、確かに、んっ、安部君、んっ、やばかった」



飯野 「んっ、倉橋さん」



優  「何よ、改まって」



飯野 「んっ何で、んっ、僕たち、んっ、卓球やってるんですかね」



優  「えっ、それは」



飯野 「んっ、はい」



優  「卓球教室に、いっ、通いたいって、っ飯野君が言ったから(スマッシュを放つ)」



飯野 「ああっ」



優  「イエス!イエス!」



飯野 「そんなに本気でスマッシュすること、ないじゃないですか」



優  「ゲームはね、真剣じゃなきゃつまんないの」



飯野 「先輩は、結局真剣に選んだ結果、パン教室にしたっす」



優  「何でパンなの?」



飯野 「ああ僕も聞いたんですよ、そしたら」



優  「そしたら?」



飯野 「何かまんが日本昔ばなしみたいにい~い話で」



優  「えっどんな話?」



○安部礼司のいい話



N  「むかーしむかーしのお話じゃー。アターックチャーンス」



飯野 「あー。お腹空いたよー」



N  「貧しい若者が、今にも倒れそうに、歩いていたそうな」



飯野 「ああーパン屋さんだあ」



N  「町に一軒しかないパン屋、焼きすぎベーカリーて店が、あったそうなー」



飯野 「あー美味しそうなパンだなあ。あ、あのメロンパン、食べたい。でもお金ない」



N  「そんな青年を見つけて、店のおばあさんが出てきたー」



おばあさん「もしもし、青年、どうしました?」



飯野 「はい、お腹が空いて動けません」



おばあさん「じゃあ、お前にこのとんちが解けたら、好きなパンを好きなだけ食べさせよう」



飯野 「ほんとですか?どんなとんちにも答えてみせます」



おばあさん「じゃあ、いくよー。(木魚を叩く音)この橋、渡るべからずっていう」



   鉦が鳴る。



飯野 「あ、橋の端を歩かないで、真ん中をズバッと歩きます」



おばあさん「早っ!せっかく悩ませて、苦労させたかったのに!」



飯野 「僕の勝ちっす。約束だから、メロンパン、もらうっす」



おばあさん「仕方ないなあー。いいかい、これは一日に20個しか作れない

   貴重なメロンパンじゃ。特別じゃよー」



N  「そう言って、おばあさんがくれたメロンパンのおいしかったことおいしかったことー。

   ふんわりとして、でもしっとりとしていて、それからその青年は、メロンパンの味が

   忘れられずに、毎日毎日、その店にやって来て、パン焼きを手伝ったそうなー。

   最後は体中にメロンパンの匂いがついて、ミスターメロンパンと呼ばれたという

   ことじゃー。めでたしめでたしゅあーアターックシュアーンス」



○卓球教室



優  「それってめでたい?」



飯野 「まあ、パンを焼いたのは嘘だと思いますが、メロンパンをご馳走になったのは事実らしいっす。

   それが忘れられないって」



優  「まあ安部君らしいけど」



飯野 「パンが好きだってことを寿司握っているときに気がつくことも、先輩らしいっす」



優  「まあ、好きな事やるのが一番いいよね」



大場N「今、ふるさと菓子パンがあっつーい!郷土料理ならぬ郷土パンがブームです。

   福島県郡山市のイトーヨーカドーで売っている四角い菓子パンクリームボックス。

   多い時には、一日で500個以上売れ、話題沸騰です。

   クリームボックスは、縦横9センチの小さなパンを2.5センチの厚さで切り、

   その上に乳白色のクリームを乗せて焼いたパン。

   これがほのかに牛乳の甘い香りがして、なんだか懐かしい味。

   ぜひ、一度試してみて!」



飯野 「そういえば、パンもご当地ナビのヒントあるっす」



優  「飯野君仕事熱心すぎ」



飯野 「盛岡生まれの、福田パンが作っているアンバターは、宮沢賢治の生き様が

   感じられるっす。

   それから、滋賀のサラダパン、たくわんとマヨネーズが挟まったパン、その

   発想がすごいっす。

   高知の帽子パンは、麦藁帽子みたいなパン、カステラの生地がなんだか

   やさしいっす。それから、群馬の味噌パンは」



優  「もう分かったって。じゃ第2ゲーム始めるよ、イエーイ!」



飯野 「サーブいきまーす」



   ラリーが始まる。



優  「ねえ」



飯野 「はい」



優  「何で、私たち」



飯野 「はい」



優  「卓球やってるの」



飯野 「飯野ビームスマーッシュ!」



優  「あっ」



飯野 「イエス、イエーイ!」



優  「女子相手に本気は大人気ないっす」



飯野 「ゲームはいつも、本気でないとね!」



   男と女のラブゲームが一瞬流れる。

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○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



飯野 「あれ?先輩、ウェブ検索のやり方、知らないんですか?」



安部 「失礼なヤツだなあ。検索ぐらい出来るよ」



飯野 「あいや、僕が言いたいのは、テクニックの問題ですよ」



安部 「テクニック?そんなもんただワードを入力して、検索ボタンを押せばいいんだろ」



飯野 「あいやいや、簡単な裏技があるんですよ。

   いいですか、パンを調べる時、パンの意味が知りたい時は、こうやって、パンとはって

   キーワードにするとえいっ。

   ほら、こうやってパンの解説ページにすぐたどり着くんです」



安部 「な、なるほど」



飯野 「あと、あそうだ。動物や植物の名前のあとに、スペースを置いた後、飼い方

   とか育て方って入れると、すぐ目的のページに飛ぶっす」



安部 「そっか、だからパン、スペース作り方って入れればいいわけだ。えいっ」



飯野 「そうっす」



安部 「おぉおぉお、すげえ、はやい。飯野、お前は賢いなあ、すごいなあ」



飯野 「先輩はすぐに感心してくれるから教えがいがあるっす。

   ツールバーで素早く検索する方法もあるんですが」



安部 「あぁあぁあぁ、それはいいや。何か難しそうだから今度な。

   それより飯野、パンはなぁ、奥が深いぞ」



飯野 「そうすかあ、続きそうですか、パン教室」



安部 「おお、生地をこねてると、心がどんどんピュアになっていく感じがするんだよなあ。

   日頃使いすぎた頭が、クールダウンされるっていうかさあ」



優  「誰が頭使い過ぎてるってー」



安部 「あ、優ちゃん」



優  「安部くん、この伝票よく分かんないですけど」



安部 「え?どれどれ?」



優  「タクシーの領収書なんですけど、何で群馬のタクシーなんですか?」



安部 「え?」



優  「伝票では神保町から田町になってますけど」



安部 「ん?あ、ちょっと待って、手帳見るから。えーと、あ、あぁあぁあぁ。ごめん。

   たまたま、群馬帰りの運転手さんだったんだよ。

   そうそう、味噌パンの話で盛り上がったんだよなあ。

   沼田の、フリアンパン洋菓子店で、5店舗合わせて、一日5000個以上売れるんだ

   ってさ」



優  「そんなことまで書き込んでいるんですか?

   それにしても随分ボロボロの手帳ですね」



安部 「ん?まあほら予定がいっぱい入っちゃうから」



優  「えー?何ですかこの正しいって字の列は」



安部 「あぁあぁ勝手に手帳見るなよこれは・・・」



優  「何の数ですか」



安部 「部長に、オオバカモンて言われた数だよ」



優  「そんなこといちいち書いてる事が、オオバカモンじゃないかと思いますが」



飯野 「ああ、何か、色んな生き物の産卵の予定が書いてあるっす」



安部 「だから見るなって人の手帳を。

   産卵だけじゃないぞ、ほらパン教室の予定もビッシリだ」



飯野 「そうだ。先輩、来年の手帳、もう買いました?」



安部 「いや。いつも年明けてから買うんだよ」



飯野 「遅いですよ。2007年の手帳フェア、とっくにやってますよ」



大場N「トレンド情報誌DIMEによる2007年スケジュール帳情報。

   2007年の手帳の傾向は、白くてデカイがキーワード。

   レイアウトは従来通り縦割りが主流ですが、サイズはB5判以上の

   大判サイズが人気です。

   またスペースの自由度が求められて、余白が多いものが売れています。

   ラコニック社のA4ダイアリープロフィットや、ファイロファックス社

   のA4サイズの巨大システム手帳も話題です」



飯野 「僕の友達に、日本能率協会の田中ってのがいるんですけど、何か紙に

   こだわってるそうで、薄いんだけど裏写りしないし、どんな筆記具でも

   大丈夫だって自慢してました。リフレ1ていうんだそうです」



安部 「紙かあ」



刈谷N「あーっはっはっはっはっはっはっはっ髪は大事だようあーっはっはっはっはっ」



安部 「あれ?今刈谷の声しなかった?」



優  「いいえ」



飯野 「しないっす」



大場N「最も人気を集めそうな手帳が、吉本興業の手帳2007年度版。

   吉本興業の社員が実際に使っているという手帳は、白地の表紙に

   ナインティナインの矢部浩之が書いた題字。吉本クイズやお笑い

   用語辞典という吉本ならではのユニークなコンテンツが魅力です」



安部 「そっかあ。うん、分かった、紙にこだわった余白の多い手帳を買おう。

   真っ白なやつをな。ああ何かワクワクしてきた。

   来年は、どんな産卵に出会えるんだろう」



大場 「オオバカモン!」



安部 「あた」



大場 「来年の話をするのは、まだはっやーい!今年中にやらなくてはならない事が、

   山ほどあるぞ、安部礼司」



安部 「はい」



優  「えっと、ここに、こう書いてっと」



安部 「ああっ優ちゃん、勝手に人の手帳に正しいって字書くなよ」



飯野 「今日は、ちゃんと正しいっていう字が出来たっす」



安部 「うれしくないよ、あああだから勝手に人の手帳に書き込むなって、返せよ、

   おおおい返せって!」
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○安部礼司の自宅



N  「こうして安部礼司の、カルチャースクールな一週間は終わり、彼は今、自宅の

   PCに向かって、日課のブログを更新しているのである」



安部 「えー、悲しいことに、パン教室に行けていない。

   なぜなら、ご当地ナビの開発の遅れに、いよいよ焦った部長から、お叱りを受け、

   このところ毎日残業。

   とほほ。もしかしたら、休日も返上かなーっと。

   ああ、書いてて、気持ちが下がってきた。もっと上がる話題にしよう。

   そうだ、この間、家でパンを焼いたら」



   安部の携帯が鳴る。携帯を取る安部。



安部 「はい」



刈谷(電話の声)「あーっはっはっはっはっはっはっ」



安部 「刈谷かよ」



刈谷(電話の声)「やあ、カルチャーの無い安部礼司君。どうだい。

   決まったかい。お教室」



安部 「ん、あ、一応な。パン教室」



刈谷(電話の声) 「あーっはっはっはっはっはっこれはこれは、何とも安部礼司的な

   お教室だこと」



安部 「うるさいよ」



刈谷(電話の声) 「パン教室っていえば、生徒は皆若い女性、だよねえ。君も、

   がっついてるなー」



安部 「違うよーそんな動機じゃなくてさ、俺はただ、単純に、パンが好きで」



刈谷(電話の声)「うぃーんだよう僕に見栄なんか張らなくても、うぃーんじゃない。

   そういえばさあ、この間僕がフラダンス教室に行ったらねえ、同じビルで

   君んとこの部長さんに会ったよ」



安部 「えっ部長に?」



刈谷(電話の声)「なんかのカルチャースクールでさあ」



安部 「うん」



刈谷(電話の声)「後を追いかけてみたら」



安部 「お前も案外暇だなあ」



刈谷(電話の声)「そしたらなぁんと」



安部 「何だよ」



刈谷(電話の声)「告白、官能小説講座だった」



安部 「あた」



刈谷(電話の声)「大丈夫かあい君の会社」



安部 「うーんちょっと心配になってきた」



刈谷(電話の声)「ああっ!そういえば、君にぴったりの教室があったよお」



安部 「もう教室はいいよ。忙しくて通えないから」



刈谷(電話の声)「産卵教室」



安部 「えーっ!」



刈谷(電話の声)「日本中の生き物の産卵を観察する教室らしいよ」



安部 「そ、それだ!どこでやってるの!?」



刈谷(電話の声)「君がやるのさ」



安部 「ええ?」



刈谷(電話の声)「通う、教わる、それもいいけど、そろそろ人に教える年齢なんだよ、

   僕たつぃ」



安部 「回りくどく説教すんなよ。あぁ、期待して損した」



刈谷(電話の声)「じゃあ、パン教室、場所メールしておいてくれたまえ」



安部 「しないよ、メールしない。教えないからな」



刈谷(電話の声)「あーっはっはっはっはっじゃあねえ!」



   刈谷のほうが電話を切る。



安部 「確かに、自分で何かの教室を開くって発想無かったな。

   俺は、何が教えられるんだろう。何が得意なんだろ。

   俺は、何が、好きなんだろう」



7曲目 ダンシング・ヒーロー(Eat You Up) 荻野目洋子



講師N「あ、どうも。分かっているか分かってないか分からないけど、

   寿司教室の講師です」



優N 「あ、倉橋優です」



刈谷N「あ、刈谷勇でーす」



講師N「三人揃って」



講師N・優N・刈谷N「すっしーずでーす」「エビちゃんずでーす」「ヒルズでーす」



講師N「て、バラバラでしょ!なんか、安部君て、不器用だよね」



優N 「でも、手帳の字がね、すっごくちっちゃくて可愛いのー」



刈谷N「字は人を表す。きっと人間もすっごくちっちゃいの~」



講師N「分かってるか分かってないか分からないけど、そんな安部君のブログ

   あります」



優N 「アドレスは、www.tfm.co.jp」



刈谷N「スラーッシュ!」



優N 「abe。www.tfm.co.jp」



刈谷N「スラーッシュ!」



優N 「abeです。メールマガジンも配信しています。

   来週はー、そうだなー温泉にでも行きたいな。紅葉も見ごろかな。

   では来週もお楽しみにー」



刈谷N「スラーッシュ!スラッスラッスラッスラーッ、スラーッシュ!」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。

11月5日の放送内容①

2007年03月12日 17時54分57秒 | 2006年11月
質問!

皆さんの「縁起かつぎ」知りたいです。

幸運のジンクスっていうか。

あがらないために「人」って手に書いて飲む、とか

赤いクルマを見るとラッキーなことがある、とか。

ちなみに僕は、家を出るとき、必ず右足から出ます。

左足から出てしまったら、もう一回家の中に戻ってやり直します。

あ、それで遅刻したこと、あります。あた。



安部礼司の公式ブログhttp://www.tfm.co.jp/abe/blog/



○カルチャースクール



安部N「野菜ソムリエ教室、かあ。何か皆、気合入った女子ばっかり。

   皆、長谷川理恵に見えてくる。あっ、先生の登場だ」



先生 「(オカマ口調)はーいみなさーん、野菜ソムリエ教室にようこそー。

   あ、やだやだー私自己紹介忘れてたー。

   私はー、皆さんを野菜の世界に誘う講師の、ベジタブルカッモーンでーす!

   で、アシスタントは」



助手 「(オカマ口調)はーい。アシスタントの、リコピン平太でーす。

   デコピンじゃないから、そこんとこヨロピク。うふっ」



安部 「なんか、すごい教室に来ちゃったなあ。

   優ちゃんが、野菜ソムリエ教室がいいって言うから、付き合いで来たのに。

   肝心の優ちゃん、来ないし」



先生 「はーいそこの平均的ナイスミドル、これはまた1人じゃーん自己紹介、してよ~」



安部 「ああ、僕ですか。えー、あ安部といいます。安部礼司です」



先生 「きゃー、かーわーいーいー。安部君、こっちに来てえ」



安部 「え、あ、はい」



先生 「はい、安部君にとって、そもそも、つまるところ、野菜って、何?」



安部 「野菜?」



助手 「何でもいいのよ。自由に答えて」



安部 「野菜っていえば・・・」



先生 「はい、はい?」



安部 「うーん、僕、この世の中で唯一食べられないのが、グリーンピースなんですよ。

   なんていうか、あのグリーンピースのなんていうか、この、あの、グリーンで、

   ピースな感じが苦手っていうか。・・・えっあっあのなんていうかその」



大場の声「がっかりだ、安部礼司」



安部 「え?部長」



飯野の声「残念っす。先輩」



安部 「え、なんで、飯野」



大場の声「大切なんだぞ、グリーンピース」



安部 「え?」



飯野の声「シューマイに入っているアクセントくらいにしか考えてないかもしれませんが、

   偉大っす。グリーンピース」



安部 「そ、そんなあ。だって嫌いなもんは、仕方ないっていうかさあ」



大場の声「お前に、ご当地ナビをやっていく資格が、あるのかな」



安部 「えっ資格?」



飯野の声「資格は、大事っす」



安部 「ちょっと待ってよ。俺はさあ、俺はたださあ、ただ、これ野菜ソムリエ教室だよね。

   てか、俺はただ優ちゃんが、優ちゃんがさあ」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部(昼)



大場 「オオバカモン!」



安部 「あっベジタブルカモーン」



大場 「ん?」



安部 「あ、いや」



大場 「いつまでデスクで眠ってるんだ。もう昼休みは終わってるぞ。

   午後の会議の資料は、できてるのか」



安部 「あはい、今飯野が、コピーをとってます」



大場 「あ?何だこのカタログは」



安部 「あ、この間の結婚式の引き出物でもらったんですけど」



大場 「おお、自分で好きなものを選べるやつだな?ん?

   最近は雑貨や食材だけじゃなく、習い事を選べたりするのか」



安部 「そ、そうなんですよ、カルチャースクール。

   これをきっかけになにか習おうかなあなんて考えて」



大場N「リクルートが調べた現在人気の仕事に直結する国家資格ランキング。

   1位行政書士、2位社会保険労務士、3位栄養士」



安部 「いや、そんな大それたもんじゃなくていいです」



大場N「結婚後に役立つ資格ランキング。

   1位医療事務、2位心理カウンセラー、3位実用英語技能検定」



安部 「あのう、結婚後も仕事するんで」



大場N「英語以外の外国語の資格ランキング。1位、中国語、2位韓国語、3位フランス語」



安部 「語学はなぁ~。覚えること多すぎて」



大場 「そもそも、お前に習い事が続けられるのか?」



安部 「ま、まあそれが1番の問題ですが。僕はあれです、そのーつまりやる時はやります。

   全ての誘いを断って、習い事一直線です」



優  「あ、安部君」



安部 「あ、優ちゃん、どうしたんだよソムリエ教室」



優  「はい?あ、ね、それよりさ、夜空いてる部屋あります?

   ほらディズニーシーに行こうって約束しましたよね」



安部 「あ、ああそうだね行こう行こう」



優  「夜は、ライトアップされてロマンティックなんですよねディズニーシー」



安部 「ああいいねぇロマンティック」



大場 「安部礼司」



安部 「あはい。何か」



大場 「習い事は」



安部 「あ、あそっかその、それは」



飯野 「せんぱーい大変っす。

   この資料、2ページから10ページまで、全て同じだって事に気がつきました。

   いいんですか?これ80部コピーしちゃいましたけど」



安部 「ああっそれはやっぱよくない、よなあ」



大場 「安部礼司!」



安部 「はい」



大場 「習い事やデートより、まずはちゃんと仕事しなさい!」



安部 「はいぃ!」



1曲目 C-Girl http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36956 浅香唯



N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」



安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」

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○スターバックス・店内



優  「習い事?」



安部 「そんなにびっくりするなよ」



優  「なあんだ。帰りがけに深刻な顔していきなりスタバに呼び出すから何事かと思った

   じゃないですか」



安部 「ああごめん。なんかね、引き出物でもらったカタログがあるからさあ、何か習おう、

   どこかに通おうて考えているんだけど、決まらなくてさあ、カルチャースクールの

   達人の、優ちゃんに相談しようと思ってね。あ、ケーキも、よかったら食べてね。

   買って来るから」



優  「うーんまあ、カルチャースクールについては、さすがにちょっとうるさいですけどね」



安部 「あ、やっぱり?いくつぐらい通ってるの?」



優  「そうですねー、会員になってるだけでいえば、ざっと、このぐらい」



安部 「えっ5つも通っているの?」



優  「ノンノン、50でーす」



安部 「ご、50?」



優  「あ、最近魔女教室も始めたから、正確には51かな。

   あれ、51って誰の背番号だっけ。イチロー?松井?」



安部 「えと、えーイチロー。てそれより、魔女教室?」



優  「うん。全米魔女協会が認定した本物の魔女、カメリアマキさんが、講師をやってる

   んですけど」



安部 「全米魔女協会って、アメリカが認めたって事?」



優  「ええ、結構ハマリますよ。

   まずね、魔女の理論、それから大地のエネルギーを取り入れるエクササイズ、こうして、

   ここんな風な、ポーズを、ととって」



安部 「優ちゃん、ここでこの格好はちょっと」



優  「だって、安部君がやれっ」



安部 「言ってないから」



優  「そう?」



安部 「でも、なんか面白そうだなあ」



優  「ブブー。残念。女性限定でした」



安部 「ま、まあ、そりゃそうだろうな」



優  「あ、フラダンスどうですか?」



安部 「まあ、このカタログにもあるんだけど」



優  「ストレス解消にも美容にもいいんですよ。メタボリックにもいいかも」



安部 「グサ」



優  「一緒に踊りましょうよ」



安部 「だって、刈谷もやってるんだろ?」



優  「いいじゃないですかー。ほんとは刈谷さんと仲良さそうだし」



刈谷の声「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっ」



安部 「うぇ、ややめてよー。仲良くないし、やだよ、やっぱ刈谷の真似するのは」



優  「変な見栄張るんですよねー男の人って」



安部 「そ、そんな見栄とかじゃないけど」



優  「じゃ、定番でー語学?」



安部 「何語がいいかなあ」



   女性が中国語で何かしゃべる。



大場N「北京オリンピックに向けて活気にみちあふれている中国語講座がオススメです。

   豊富な資源と巨大な市場を持つ中国は世界中から注目されてます。

   日本企業も数多く進出。国際舞台で活躍したいというグローバルなサラリーマンには、

   今、中国語がいい!

   また、世界で3番目に使っている人が多いスペイン語も狙い目。

   スペイン語圏の経済拡大にともない、今年からビジネスマンのスペイン語検定が

   スタートしています。グラシアス!」



安部 「スペイン語なあ。語学続かないんだよなあ」



優  「あのー、優は思うんですけどー」



安部 「ん?」



優  「長く続けなきゃって思うから気が重くなっちゃうんじゃないですか?」



安部 「ええ?だってさあ、入学金やら会費やら、もったいないじゃん」



優  「違うんだなあ。その発想がすでにせこーい!」



安部 「優ちゃん、皆コッチ見てるよ」



優  「いいなと思ったらすぐに試してみる。ダメだなと思ったらさっさと捨てる。

   これでしょ習い事の極意は」



安部 「すんごい迫力は認めるけど、何か疑問の余地もあるっていうか」



優  「疑問って?」



安部 「いや、何でも続けるのがえらいって教わってきたような気がして」



優  「そりゃね、大事よ続ける事。素敵よ。

   でもねぇ、それに縛られて楽しくない毎日を送るぐらいだったら、いいんじゃない

   やめても。

   ホントに好きだったら、人がやめろって言っても続けちゃうのよ。恋、みたいに?」



安部 「恋、みたいに?」



優  「結局、好きなことやるのが一番ですよ。

   会社で好きじゃないことさんざんさせられてるんだから」



安部 「ま、まあな。でもさあ、そう簡単に」



優  「えっと、そろそろ私リフレクソロジー教室なんで」



安部 「ええっ」



大場N「心と体に効く、癒しの資格ランキング第1位が、リフレクソロジー。

   2位はアロマテラピーで、3位はフットセラピー。

   足裏の反射ゾーンを刺激して、心と体のバランスを整えるフット系。大人気です。

   あ、そうそう、2005年にスタートした新しい資格、ピュリファイヒーリング

   が狙い目ですよ。心と体を浄化するための施術を行う専門家なんです」



優  「じゃ、安部君、ごちそうさま」



   席を立つ優。



安部 「あ、ああ。じゃあな。頑張って。はあー、さあ、会社に戻って残業だ。

   大体、カルチャースクール、通う時間あるのかなあ。

   まあ、飲みに行く回数を半分にすれば、結構時間はあるような気がするなあって、

   あ、優ちゃんこれ、何か大きなバッグ忘れてるよ。ねえ優ちゃん!忘れ物、優ちゃん

   ちょっと、優ちゃん!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

○カルチャースクール



安部N「決めた。って思いながら、体験レッスンにしちゃう俺。

   どこまで慎重なのかって話だけど、やってきたのは、寿司教室」

   

   兄弟船が流れる。



講師 「へい、えー分かってるか分かっていないか分からないけど、今から寿司の

   握り方を教える」



安部 「は、はい、よろしくお願いします」



安部N「何か怖そうな人だなあ」



講師 「寿司は、初めて?」



安部 「あは、はい。あ、一度ちらし寿司は作ったことあります。インスタントでしたが」



講師 「北島三郎のヤツ?」



安部 「さ、さあ」



講師 「分かってるか分かってないか分からないけど、寿司はねえ、難しいよ」



安部 「はい」



講師 「もしかして、料理の中で一番簡単で、でもって格好よく見えそうっていう理由で

   選んだ?」



安部 「はい、あっあいえ」



講師 「まあいいや、へーい何握りましょう!」



   北の漁場が流れる。



大場N「江戸前寿司プロ養成講座が話題を呼んでます。

   海外での開業、定年後の第二の人生、手に職をつけたい若者、

   働いている居酒屋でもっと上に上がりたい管理職など

   さまざまな人が真剣に寿司と格闘しています。

   一回だけの握り寿司初級講座や、日曜だけのコースを設定している教室も

   あります。へい、あがり一丁!がんばれ、安部礼司!」



講師 「へい!今日は、アジの握り、教えるから」



安部 「はい。え、これがアジ?」



講師 「君、アジってどんな魚か、知らなかった?」



安部 「恥ずかしながら・・・」



講師 「そうなんだよなあ。皆魚知らないんだよなあ。勉強してから来いって話っしょ」



安部 「すいません」



講師 「はい!まずヒレの後ろを、ザクッと!」



安部 「ん、ん、こ、こうですか」



講師 「んー!何か不器用だねえ!」



安部 「そんなにはっきり言わなくても」



講師 「分かっているか分かってないか分からないけど、魚をおろせないと、寿司、

   握れないからねえ」



安部 「はい」



講師 「あー違う!違う!もう三枚におろすまで、俺やるから。危なくて見てられねえ!

   君は、身の中央に残っているこの身を抜いて」



安部 「はい」



講師 「ああ違う!この毛抜きを使って」



安部 「ああはい。そんな怒んなくても」



講師 「文句ある?」



安部 「いえ」



講師 「ちゃんと骨、取れよ。骨があると、食べた時痛いからねえ」



安部 「はい」



講師 「酢30%入りの水で、さっと洗って、ざるで水切って」



安部 「はい」



講師 「はいさっさとやれ!」



安部 「はい。何か仕事より厳しい感じと思われ」



講師 「ブツブツ言わない」



安部 「はい」



講師 「皮を剥いて、切って、こういうふうに、飾り包丁を入れる。はいやってみて」



安部 「あーはい、えーっとここうやって」



講師 「そんなに切ったら敲きになっちゃうよ!」



安部 「はい」



講師 「じゃ、いよいよ握るよ」



安部 「はい」



講師 「シャリを握って、あーそんなに取ってどうするの、おにぎりじゃないんだから!」



安部 「ははい」



講師 「軽くまとめたシャリを、ネタの上に置いて、親指でシャリに穴を開けあー開けすぎ!」



安部 「は、はいすみません」



講師 「こうやって、指のほうに転がして、左右から形を整えて、半回転させて、さっきより

   強めに握って、形を決める。小口切りのねぎとおろししょうがで飾りつけ、と。さあ、

   やってみて」



安部 「えっと、その、その・・・出来ません!」



講師 「君は、分かっているか分かってないか分からないけど」



安部 「はい」



講師 「諦めるの、早すぎ!」



安部 「でも」



講師 「習い事ってのはさあ、こうべを垂れるっつうことだろ?」



安部 「は、はあ」



講師 「簡単に出来ないから、習うわけだろ?」



安部 「そうですけど」



講師 「はい、じゃあ最初っから!」



安部 「はい、頑張ります!」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部N「次の日、僕は、切り傷だらけで会社に行ったわけで」



飯野 「先輩、大丈夫ですか、その手」



安部 「ああ。飯野、お前は、分かってるか分かってないか分からないけど、寿司って

   大変だ」



飯野 「ええ、その先輩のボロボロな感じでよく分かるっす。

   で、これからも通うんですか、寿司教室」



安部 「いや、無理だな」



飯野 「あぁそうっすか」



安部 「お前に食べさせてやりたかったよ、アジの握り」



飯野 「あーやっぱり先輩には寿司職人は合わないような気がします」



安部 「だろ?だろ?でさあ、俺、気づいちゃったわけよ」



飯野 「え?」



安部 「パンにする」



飯野 「パ、パン?」



安部 「パン教室に決めた」



飯野 「何で、パン?」



安部 「決めた!」



10月29日放送内容②

2007年03月12日 17時41分29秒 | 2006年10月
○バー

   安部と飯野が飲んでいる。



安部 「でさあ、優ちゃんミイラと仏像を見て元気になったかと

   思ったら、突然、『私今からー、フラダンスあるからー』

   って。まだ昼間なのに」



飯野 「はあ」



安部 「なーんか女心って、つくづく謎だなあ。なあ」



飯野 「はあ」



安部 「でまあ、お前ならどうせ暇してるだろうと思って」



飯野 「でもわざわざ、こーんな妙にこじゃれたバーに呼び出さなく

   ったって」



安部 「まああれだよ。デートの予行演習もかねてさ」



飯野 「予行演習?」



安部 「仕方ないだろ、35歳のオトナともなればさあ、ちょっといい店

   の一軒や二軒、女の子にさりげなく紹介できないと」



飯野 「そんな下見のためにわざわざ僕、かりだされたんすか?」



安部 「そう言うなって」



飯野 「電車男だって下見は一人で行ってるんですよ?勘弁して

   くださいよー。はぁ」



安部 「そんなに落ち込むなって飯野さあ」



飯野 「あれ?でも先輩、優ちゃんとディズニーシー行くって、言って

   ませんでしたか?」



安部 「そうだよ」



飯野 「とっとと行けばいいじゃないですか」



安部 「バーカー。焦りは禁物だよ飯野君。

   『シー行きましょう』って言われて、すぐよーし、今すぐシー

   行こうって、それは君、高校生じゃないんだからさあ」



飯野 「はあ?」



安部 「とりあえず、ダリの絵でも見て、そんで次にいい雰囲気の

   バーで親密度をアップさせて、そんで、

   あ、そういえば前言ってたディズニーシー、いこか?って。

   それがオトナの余裕ってやつだろ。違う?」



飯野 「多分違うと思うっす」



安部 「んまいいや」



飯野 「で、優ちゃんは」



安部 「え?」



飯野 「優ちゃん、なぞなぞおばさんの問題に答えられなくって、

   どうなったんですか?」



安部 「いや、それが・・・」



○オフィス街・道(回想)



おばさん「んっふふふ、そんなら罰として、おばさんの質問に素直に

   答えてねえ」



優  「はあ」



おばさん「安部君て、んふ会社ではどんな人?」



優  「え?」



おばさん「彼女とか、んふ、おる?」



優  「彼女は、完全に、いない、ですね」



おばさん「あらそうなの?」



優  「はあ」



おばさん「じゃちょっとつかぬ事をお伺いしますが、安部君と飯野君って、

   そういう関係、だったり、する?」



○バー(回想明け)



飯野 「はあ?はあ?はああ?」



安部 「落ち着け飯野」



飯野 「落ち着いてなんかいられないっすよ!見知らぬおばさんに?

   よりによって?僕と先輩がそういう仲だって?はあ!?」



安部 「だから、俺も聞いたときはびっくりしてさあ」



飯野 「ていうかまさか先輩、僕の事やっぱりそういう目で」



安部 「はぁ?」



飯野 「だからこんなオシャレなバーに、下見と称して、男二人で!」



安部 「誤解だ飯野考えすぎだ!」



飯野 「あぁんて、触らないでくださいよ!」



安部 「あぁんて、それも誤解だって!」



飯野 「大体そのなぞなぞおばさんって、一体全体何者なんすか!」



   バーの扉が開く。足音。



おばさん「ふっふっふっふふふふ」



安部 「ああ!」



おばさん「二人てやっぱり、みよーに仲がいいのねえ」



安部 「いや、あのこれは、そういう意味じゃなくって」



おばさん「ふっふっふっふふふ・・・」



安部 「ていうか、あなたは、誰なんですか?

   こそこそと飯野の事を聞き出したり、僕の事を聞き出したり、

   あなたって一体何者?」



おばさん「それはねえ、おばさんは実はねえ」



   Bohemian Rhapsodyが一瞬流れる。



飯野 「かあちゃん!」



安部 「ええ?」



おばさん「んっふっふっふっふっ」



飯野 「ちょっとかあちゃん!何で勝手に東京出てきとるだあ!」



4曲目 パタパタママhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=58422 のこいのこ



   バーの扉が開き、店内に入る優と刈谷。



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっ」



優  「ちょっと刈谷さん」



刈谷 「んん?」



優  「別に誰も面白いこと言ってないのに笑うのやめてください」



刈谷 「いやだってさあ」



優  「はい?」



刈谷 「2人で一緒にいい汗かいて、その上君がお酒までご一緒して

   くれるなんて、そんなの自然に笑いだってこぼれてくるのも

   無理ないだろう!」



優  「一緒にいい汗ってフラダンスのことですよね」



刈谷 「オスコース!」



優  「ちょっと、だったらはっきりそう言ってもらえます?

   なんか人の目もあるんで」



刈谷 「このお店」



優  「はい?」



刈谷 「君と来るのは、初めてだよね。僕の隠れ家」



優  「確かになんかすっごい隠れ家っぽいですけど」



刈谷 「男たるもの、こういうお店の一軒や二軒、知っておかなく

   ちゃあね」



N  「なんて気取ってはいるものの、うちでは娘とペアルック。

   ペコちゃんポコちゃん親子パジャマをノリノリで着ている、

   子煩悩の勇パパなのであった」



刈谷 「ああ、あと面白いバーがあってさあ」



優  「え?」



刈谷 「マジックバーって、優ちゃん知ってる?」



優  「マジックバー、ですか?」



大場N「関西発のトレンドといわれるマジックバー。

   その人気の波は今、関東にやってきています。

   ショットを飲みながら、テーブルマジックが楽しめる

   マジックバー。

   例えば銀座8丁目のジョーカーのマスター谷口さんの神がかり的

   なマジックなんかはもう彼女と不思議で素敵な夜を過ごせること

   お約束いたします」



優  「でもさあ、ここはマジックバーじゃないんだよねえ」



刈谷 「残念ながら・・・ぬわあ!!奥のテーブルで、あぁ、安部礼司

   が、熟女と二人でグラスをかたむけている!」



   泣いている飯野母。



飯野母「ふうっうっうっうっ」



安部 「な・・・泣かないで、ねえ」



飯野母「でも、でも・・・」



刈谷 「しかもあの安部礼司が、いかにも訳アリそうな熟女を泣かしてる

   なんて、エムエージーアイシーMAGIC!

   イッツ・ア・マジック!種と仕掛けが絶対にあるはずだ!」



優  「あの女の人って、なぞなぞおばさんだよ!」



   安部と飯野母のテーブルに歩いていく、優と刈谷。



安部 「優ちゃんに刈谷!」



優  「安部君。どういうこと?」



安部 「どうもこうもないよ。

   あのおばさん、飯野のかあちゃんだったんだけどさあ」



○同(回想)



飯野 「なんだかあちゃん、俺に黙って東京来るの、いい加減

   やめてくれんかなあ!」



飯野母「あんたこの前おかあちゃんが持ってきとったお見合い

   の話、断ったくせに!」



飯野 「なにい!」



飯野母「彼女でもおるかと思ったら、あんたいい歳こいて彼女も

   何にもおらんじゃないか!」



飯野 「悪いのかよ!」



飯野母「悪いに決まっとるだ。いつになったらかあちゃん、孫の

   顔見れるようになんだ(泣き出す)うっうっうっうっ」



飯野 「そんなの俺の勝手だら、もう豊橋帰り!」



飯野母「あ~あ、何でこんなに、可愛いんだろう、

   孫と、いう名の、宝物~」



飯野 「さりげなく大泉逸郎の『孫』を歌うのはやめてくれよ

   かあちゃん!」



飯野母「だってさあ(泣)」



飯野 「かあちゃんには悪いけど、俺今、彼女とか結婚とか、

   そういうの興味ないから」



飯野母「へいたあ~(泣)」



飯野 「先輩と一緒に、ご当地ナビっちゅう大仕事を、任されとる

   途中だし」



飯野母「先輩って、この方?安部礼司さん?」



安部 「あ、あの、飯野君のお母さんとは知らずに」



飯野母「なんだ、結構いい男じゃない。なんちゅうのかしら

   こういう男。つけ麺?」



安部 「いや、イケ面です」



飯野母「はっきり言っときますけど、うちのへいたは、男には興味

   ありませんから!」



安部 「はい?」



飯野母「きしめんの安部さんはどう思っとるのか知らんけど」



安部 「いやいやいやお母さん待ってください」



飯野母「だってあんた、顔だってそんだけ端整なタンメンのくせして、

   ずーっと彼女おらんだら。へいたもずっとおらんだら。

   そんで男2人きりでこんなとこわざわざお酒飲むなんて、

   おっかしいあ」



○同・回想明け



安部 「そんで俺達、あらぬ疑いまでかけられちゃって、飯野は

   怒って出て行っちゃうし」



優  「あんなお母さんにあんな風に付きまとわれちゃってるんじゃ

   、そりゃ最近の飯野君元気ないわけだ」



刈谷 「ああっおばさんがこっちに来た!」



飯野母「あんたが倉橋優さんで、あんたが刈谷勇さん?」



優  「はい」



刈谷 「あの、お母さん、初めまして」



飯野母「あんた達お付き合いしとるわけじゃないのに、何で二人っきり

   でこんなお店におるだ」



刈谷 「いや、どうしてって」



飯野母「おばさんの独自の調査によると、あんたには奥さんもお子さん

   もおるのに、なぜ?」



刈谷 「それは」



飯野母「そんで倉橋さん」



優  「はい」



飯野母「おばさんの独自の調査によると、あんたも彼氏、おらんみたい

   だけど、安部さんとはお付き合い、せんのか」



優  「・・・はい?」



飯野 「だって見た感じ結構お似合いだわ。安部さんだってまんざら

   でもなさそうだし、なのに何で、もったいぶって付き合わんの?

   なぜ?なぜ?」



優  「いや、なぜって」



安部 「ま、まずい。なぞなぞおばさんがいつのまにか、なぜなぜ

   おばさんになってる」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

安部N「そしてそれから、僕と飯野の母ちゃんは、飯野の家に向かい」



○飯野の自宅



   鍋を囲む安部と、飯野と、飯野のかあちゃん。



安部 「さあ、お鍋、もうちょうどいいみたいだから、二人とも、ね?」



飯野母「はあ~あ・・・」



飯野 「はあ~あ・・・」



安部N「今シーズン初めての鍋なんか囲んだりしてみたものの、なんだか

   マジで、空気が重すぎなわけで」



安部 「あっ、不二家のケーキ買って来たんで、もしよかったら、ね?」



飯野 「はあ・・・」



飯野母「何ため息なんかついて。安部さんせっかく買ってきてくれただがぁ

   不二家のケーキ」



飯野 「すいません」



安部 「いやいやいや」



飯野母「あんた昔好きだったら不二家のケーキ、お父さんが買ってくるの」



飯野 「そういえば父ちゃん、元気でやっとるの?」



飯野母「そうだねえ。元気っちゃあ元気だし、まあ相変わらずだに」



安部N「この沈黙。非常に手持ち無沙汰ではあるが、しかし、禁煙中。

   だからしてタバコを吸うわけにはいかず、間が持たない」



飯野母「そうだ平太。おかあちゃん、あんたにまだ言っとらんかったけど」



飯野 「え?」



飯野母「おかあちゃん、お父ちゃんと離婚することにしたから」



飯野 「り、離婚?」



飯野母「そう。なんちゅうの、熟年離婚ちゅうやつ?今流行りの?トレンド

   に乗って?うふふふ」



飯野 「そうなんだ」



飯野母「まあね、あんたももう子供じゃないし、お父ちゃんとおかあちゃん

   がこうなるのもなんとなくは想像しとったかもしれんけど」



飯野 「ああ・・・」



飯野母「んだもんで、おかあちゃん達が離婚する前に、平太が結婚?して

   くれたらなあとか思っとったけど、そればかりはやっぱりねえ」



飯野 「ああ・・・」



飯野母「まああんたは、おかあちゃん達みたいならんよう、しっかり腰

   すえて、相手、見つけり」



飯野 「・・・分かった」



飯野母「安部さん、ね」



安部 「はあ」



飯野母「結婚ていうのはゴールじゃないで。単純にスタートなだけだで。な」



安部N「その時、寂しそうな横顔の飯野に僕は、どんな言葉をかけていい

   のやらさっぱり分からず、それにしても、結婚て、夫婦って、こういう

   話を聞いちゃうと何だか、やっぱり二の足を踏んじゃうんだよなあ」



飯野母「そんならおかあちゃん、今日は最終の新幹線で豊橋帰るわ」



飯野 「え?今日、泊まっていったらいいじゃん」



安部 「そうですよ案内しますよ明日とか東京」



飯野母「ええいいんですいいんです」



安部 「でも」



飯野母「離婚したら引っ越してくるで、東京」



安部 「ええ!?」



飯野 「はあ?」



飯野母「なんちゅうの、東京タワーの僕とオカンみたいに?今流行りの?

   トレンドに乗って?ふっふっふっ」



飯野 「いやぁかあちゃん、うふふじゃなくてさあ」



飯野母「じゃあ安部ちゃんも、またね」



   部屋を出て行く飯野母。



安部 「でも、お前の母ちゃん、なんていうか、パワフルだよ。あぁ、

   とっても魅力的」



飯野 「あのー」



安部 「え?」



飯野 「あの、これはもしかしてもしかしたらの話なんですが」



安部 「な、何?」



飯野 「うちのかあちゃん、なんとなーく先輩に、惚れてるって事、

   ないですかねえ」



安部 「・・・はああ?」



飯野 「あだってかあちゃん、出て行くときほっべた完璧に赤くなって

   たし、出て行くとき、完全に女の顔してましたよねえ」



安部 「・・・はああ!?」



6曲目 エスカレーションhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=57735 ともさかりえ



日産 キューブのCM

http://www2.nissan.co.jp/CUBE/Z11/0505/CONCEPT/main1.html

日産 ノートのCM

http://www2.nissan.co.jp/NOTE/E11/0501/CONCEPT/main1.html



○安部の自宅(夜)



N  「こうして安部礼司の、♪風立ちぬ~今は秋な一週間は終わり、

   彼は今、自宅のPCに向かって、日課のブログを更新している

   のである」



安部 「食欲の秋、芸術の秋、そして、恋の秋。ついつい結婚に抱いて

   しまうスイートなイメージと、ビターな現実。

   にしても、人生には最低でも3回、モテ期があるっていうけど、

   最近のいろいろがそのうちの貴重な一回だとしたら、マジで

   頑張んないとなあ・・・」



   タバコに火をつけ、一服する安部。



安部 「てああ!せっかく我慢してたタバコ、つい吸っちゃったよ!

   くっそ~、落ち着け、安部礼司、ここは落ち着いて」



   安部の携帯が鳴る。着信音は音の外れたBOOWYのhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36288Marionetteマリオネット。



安部 「もう、誰だよ。もしもし」



電話の相手「・・・もしもし。あたし」



安部 「え?」



電話の相手「かなです」



安部 「加奈さん?」



電話の声「ええ」



安部「加奈さん?」



電話の相手「ええ」



安部 「でも、加奈さんにしては・・・」



電話の相手「飯野、かな、53歳でえす」



安部 「ああ、飯野の・・・やっぱり」



飯野母「今日は、ほんとに、んん息子ともども、あは、お世話に

   なっちゃって」



安部 「いや、とんでもないです」



飯野母「でもおもいきって行ってみて良かったあ。とう、きょう」



安部 「あの、今は」



飯野母「豊橋です」



安部 「そうですか」



飯野母「今度、ちくわ、送るでねえ」



安部 「はい?」



飯野母「豊橋の名産ていったら、ちくわ、だもんでねえ。ち・く・わ」



安部 「ああ、ありがとうございます」



飯野母「今の私、ちくわと同じです」



安部 「は?」



飯野母「心の真ん中に、ぽっかりと穴が開いてしまったもんで」



安部 「あ、ああ・・・」



飯野母「安部さんという名のチーズで、私の心の空洞を、埋めて

   もらえます?」



安部 「はああ?」



飯野母「それとも安部さんという名のきゅうりで、私というちくわに

   開いた穴を、きゅって、きゅう!って」



安部 「いやお母さん待って」



飯野母「安部さんこそ待って。私が東京に引っ越すまで!」



安部 「はああ」



飯野母「ていうか安部さん東京のどこに住んどるの?」



安部 「それ聞いてどうすんの」



飯野母「近所に引っ越すでねえ!」



安部 「それマジで勘弁してくださいよ」



7曲目 魅せられて(ニューバージョン)http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35656 ジュディ・オング



大場N「どうも。チョイ悪だなんだと言われていますが、そう見えて内心、

   熟年離婚の恐怖にビクビクしている、大場嘉門です。

   なんだかどうやらマダムキラーな私の部下、安部礼司は本当にブログ

   書いているんで、是非見てやってください。

   アドレスは、www.tfm.co.jp/abe。www.tfm.co.jp/abe。

   メールマガジンも配信しているので、そちらもよろしく。

   ちなみに私はこう見えて、娘と息子がおるのですが、二人の名前は

   けいことまなぶ。来週はそんな話題でお会いしましょう。

   じゃあまあ、縁起物なんで、最後に一つ。この、オオバカモン!」



安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りしました。

10月29日放送内容①

2007年03月12日 17時39分54秒 | 2006年10月
んで、みなさんに、質問。

みなさんのクリスマスの思い出、大募集で-す!

哀しいやつから、辛いやつまで、あ、字、ちょっと違った

哀しいやつから、幸せなものまで。

待ってます。



安部N「JFN各局でお聞きの皆さん、どうも、安部礼司です。

   皆さんにお願いがあります。

   ご当地ナビを完成させるために皆さんの町の隠れスポットを

   僕に教えてください。

   この番組のホームページtfm.co.jp/abeにある僕のブログに

   直接書き込んでください。

   待ってまーす!」

安部礼司の公式ブログhttp://www.tfm.co.jp/abe/blog/



   「小さい秋見つけた」が流れる。



N 「秋の日は釣瓶落とし。

   なんて言葉がありますが、番組の始まる、この時間の空の様子も、

   ほら、気づけばすっかり秋本番。

   さて、皆さんはどんな秋、過ごしていますか?」



○大日本ジェネラル・ビジネス・コンテンツ部



安部N「いや、そりゃさ、食欲の秋だの、芸術の秋だの言いますけれどもね、

   何でも「秋」つけりゃいいのかよって話ですよ僕なんかに言わせりゃ」



飯野 「(ため息)はぁ・・・」



安部 「ん?」



飯野 「(ため息)はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・」



安部 「そのらしくないおセンチなため息は、飯野?」



飯野 「ほーっ。ほーっ」



安部 「じゃなくて、ウォーズマン!?」



飯野 「残念ながら、飯野っす」



安部 「なんだよガッカリしたあ。

   お前がウォーズマンてことは、じゃあ俺って、ロビンマスク?とか思って、

   ちょっとテンション上がっちゃったじゃねえかよー」



飯野 「ああ、超人師弟コンビ」



安部 「(キン肉マンGo Fight! が流れる)懐かしいよなあ、キン肉マン。キン消し。

   100円玉握り締めてさあ、スーパーの、階段の踊り場のガチャガチャの所

   行ってさあ、うわっジェロニモだよー。もう100円。うわっまたジェロニモ。

   もう100円。またジェロニモ。ジェロニモジェロニモジェロニモ。

   あっ、ついにジェロニモ以外だ、と思ったら、アナウンサーの中野さん。

   どうして俺は、超人以外のキン消ししか当たんねんだよー!って」



飯野 「知りませんよ」



安部 「あれ。飯野、今日は、ヤケにノリ悪くね?」



飯野 「そんなことないっす」



安部 「でも今日のお前、ウォーズマンレベルで無口じゃね?

   おい飯野、俺の前でくらい素直になれって。

   だって俺、お前の先輩じゃん?先輩の前でくらい、無理なんかしないで

   素顔見せてくれって飯野さあ。そんな憂鬱な仮面なんて脱ぎ捨ててさあ。

   ウォーズマンらしく、機械の素顔を、ああれ?」



   秋風が吹く。



優  「飯野君なら喫煙室行っちゃったけど」



安部 「くっそー。何あいつ、1人で思索の秋気取ってやがるんだ」



優  「安部君は?」



安部 「え?」



優  「いいの行かなくて。喫煙室」



安部 「ああ、俺?いいや。だって、ここんところ?禁煙?してっから」



優  「えー!?」



安部N「イエス!優ちゃんの驚いたその表情待ってました。

   安部礼司35歳の誓いその1、タバコをやめる」



○安部礼司の妄想



優  「禁煙なんて、安部君て、オ・ト・ナ」



安部 「そうだよ、大人なんだよ、35歳ってのいうはさあ。

   優ちゃん、優ちゃん、アレロレロレロレロベロベロベロ」



○安部礼司の妄想明け・大日本ジェネラルビジネス・コンテンツ部



優  「ちちキモい」



安部 「え?」



優  「え、何舐めてんのそれ」



安部 「チュッパチャップス」



優  「何で」



安部 「いや、禁煙中で口寂しくって」



優  「だからチュッパチャップスって、子供じゃないんだし勘弁してよー」



SE 「ガーン!」



安部N「せ、せっかくの禁煙大作戦が、完全に裏目に出てしまったわけで」



大場 「君は、なぞなぞおばさんを知っているか?」



安部 「部長」



大場 「なぞなぞおばさんとは文字通り、突然なぞなぞやクイズを出してくる

   おばさんの事だ。知っているか?」



安部 「あ、あの、話があまりに突然すぎて全然ついていけてないんですが」



大場 「そしてもしも、おばさんの出す問いに答えられなかった場合は、

   おばさんの聞いてくる質問に何でも素直に答えなくてはならないという」



安部N「藪から棒になんだよこの人。なぞなぞおばさんてさあ。

   ・・・そんなことを思っていたら、なんとその日の帰り道に」



○オフィス街(夕方)



おばさん「ふっふっふっふふふ・・・」



安部 「あれ?会社の前のこんな通りで、しかもこんな時間に、

   ヤクルト売ってるおばさんなんて、いたっけなあ・・・」



おばさん「ふっふっふっふっふっふ・・・おばさんが、問題を出してあげるねえ」



安部 「ああっ、な、なぞなぞおばさん」



おばさん「問題。あんたが今口寂しくて舐めとるチュッパチャップス、

   そのチュッパチャップスのロゴをデザインした芸術家って、だ~れだ」



安部 「え、ええ・・・?」



おばさん「ふっふっふっふっだ~れだ」



安部 「突然現れたなぞなぞおばさん、

   そしておばさんのなぞなぞに答えられない俺、

   不穏な空気に包まれたすっかり夕暮れのオフィス街、そう、今は秋」



1曲目 風立ちぬhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35546 松田聖子



N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」



安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」



日産自動車がお送りします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

んで、みなさんに、質問。

みなさんのクリスマスの思い出、大募集で-す!

哀しいやつから、辛いやつまで、あ、字、ちょっと違った

哀しいやつから、幸せなものまで。

待ってます。

安部N「JFN各局でお聞きの皆さん、どうも、安部礼司です。

   皆さんにお願いがあります。

   ご当地ナビを完成させるために皆さんの町の隠れスポットを僕に教えてください。

   この番組のホームページtfm.co.jp/abeにある僕のブログに直接書き込んで

   ください。

   待ってまーす!」

安部礼司の公式ブログhttp://www.tfm.co.jp/abe/blog/



   「小さい秋見つけた」が流れる。



N  「ほら、窓の外はもうこんなに、すっかり暗くなってきましたけれども、

   THE小市民の我らが安部礼司は、どんな小さい秋を見つけたのでしょうか」



○デパート



安部N「35歳、独身、彼女無しのこの俺が、毎日毎日小さい秋を見つける場所、

   それは、デパ地下。でも、誰にも言えない。

   生鮮売り場の、マツタケも、サンマも、ブドウもササニシキもスルーして、

   俺が一目散に向かうコーナーは、実は」



店員 「秋のデザートフェア、開催中でえす」



安部N「スイーツのコーナー。しかも」



店員 「いらっしゃいませ、不二家へようこそ」



安部N「35歳の独身男が、最近すっかり、不二家のケーキにハマってるなんて、

   誰にも言えない」



大場N「どうして君は、今更不二家、なの?」



安部N「35になって、改めて気づいたんです。

   フランス帰りのパティシエがどうとか、1日限定何個の限定スイーツがどうとか、

   たしかにそういういわゆる高級なケーキって、それはそれで美味しいんですけど、

   でもなんか、俺の一番好きなケーキって、やっぱ、子供のころに食べた、

   不二家の味だなぁって」



大場N「確かに値段も、他とは全然違うしねえ」



安部N「ショートケーキが、たったの260円ですよ!?チーズケーキは250円。

   モンブランも260円。そんでこんだけ美味しいんだから、ペコちゃんも、ポコちゃんも、

   商人としては全然侮れないですよ!」



大場N「でも独り者の君は、その1個260円のケーキを、1個だけ買うの?」



安部N「え・・・」



大場N「毎日たったの1個だけ、買って帰るの?」



安部N「そ、それは・・・んはあっ」



店員 「お決まりですか?」



安部 「えっあっ、あの、ぶどうのムース ・・・と、キャラメルりんごのパイと、

   えびすかぼちゃのモンブラン、3つください」



店員 「かしこまりました」



安部N「またやってしまったー!

   ケーキを1個だけ買って、あ、アイツ一人ぼっちでケーキ食べるんだ。

   とか思われたくなくて、ついついまた3個も買ってしまった」



店員N「うふ、このお客さん、ケーキを3個買うって事は、奥さんと、お子さんが

   いらっしゃるんだー」



安部N「とか店員さんいちいちそんなこと思うわけねえのに。

   また俺は、つまらぬ意地を張ってしまったー!」



店員 「それでは、スタンプカードをお出しになって、少々お待ちください」



安部 「はあ、はい」



安部N「俺の不二家のスタンプカードにズラリと押されたペコちゃんのスタンプ。

   500円のお買い上げごとに、1個押してくれるスタンプがもうこんなにも。

   俺はこの秋、つまらぬ見栄を、これだけ張り続けてきたという事か・・・」



N  「そして、安部礼司は自己嫌悪の中、さっきの出来事を思い出していた」



おばさんN「チュッパチャップスのロゴをデザインした芸術家は、だ~れだ」



安部N「せ、せめてヒントを。ヒントをお願いします」



おばさんN「NO!ヒントNO!芸術家は、だーりだ」



安部N「えーと・・・」



おばさんN「だーりだ」



安部N「んギブ。分かりません」



おばさんN「んっふふふふ、そんなら罰として、おばさんの質問に何でも素直に答えてね」



安部N「は、はい」



おばさんN「飯野君て、んふ、会社ではどんな子?」



安部N「ええ?」



おばさんN「彼女とか、んふ、おる?」



安部N「あのおばさん、どうして飯野の事ばかり根掘り葉掘り。

   今日の飯野のあの落ち込んだ様子といい、みょ~に気になる。・・・ん?」



刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっはっ、不二家のケーキくださあい!

   店ごとぜえーんぶ!」



安部 「その、大人買いをも軽く超えた超えた嫌味買いをする声の主は、刈谷勇!」



刈谷 「ポイントカードにとーんどんポイント、つけちゃってくださうい!」



大場N「不二家洋菓子店でお買い上げのお客様にお渡ししている、

   ペコちゃんファミリークラブポイントカードは、

   税込み500円ごとにポイント1個、ポイント20個でカード1枚、

   これを集めた枚数に応じて、なんと、ペコちゃんオリジナルグッズがもらえる

   のである」



刈谷 「ちなみにカード1枚だと、ペコちゃんミニフィギュア、カード3枚でペコちゃん

   掛け時計、カード5枚でペコちゃんカップアンドソーサーなど

   どれもこれもお金で買えないプライスレスな限定グッズばっかり!なのである」



安部 「お前の目的は何なんだ刈谷勇」



刈谷 「あぁ?」



安部 「店ごとケーキを買い占めてまで、お前がポイントを集める目的は、何なんだ!」



刈谷 「・・・そ、それは、俺は不二家の株主だから、たまたま優待券を持ってて、それで」



安部 「嘘つけ!明らかにグッズ目当てだろ?」



刈谷 「そ、そんなことねえよ!!ああ、お前知ってるか?ペコちゃんのペコって、

   子牛のベコからきたんだって。

   そんでポコちゃんのポコって、室町時代に子供のことをボコっていうからつんで

   そのポコって」



安部 「分かりやすく話をそらすな」



刈谷 「う、ううるさい!」



安部 「お前がそこまで必死にポイントを集める理由は、何なんだ!」



N  「ポイントカード5枚でもらえる、ペコポコ親子ペアパジャマ」



刈谷 「実は、娘とペアで、パジャマ着たくて、ケーキ全部買ってまあす!」



N  「とは、素直に言えない、照れ屋で子煩悩な勇パパなのでありました」



安部 「あ、あともう1つ。お前を博識だと見込んで聞きたい事がある」



刈谷 「は、はあ?」



安部 「チュッパチャップスの、ロゴをデザインした芸術家は、だーりだ?」



刈谷 「それって、問題と答えが一緒に」



安部 「だーりだーりだーりだーりだーりだーりだーりだーり・・・」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

N  「芸術の秋としゃれこんで、たまには美術館。

   なんていかがでしょう。

   安部礼司も、チュッパチャップスが、

   思いもよらないきっかけとなって」



○上野の森美術館・館内

   

安部N「上野の森美術館。

   生誕100周年を記念したダリ回顧展。

   美術界において、20世紀最大の奇才とうたわれた

   彼の絵はもちろんだが、俺は、なにより、ダリの残した言葉に、

   深い感銘を受けた」



   トッカータとフーガ ニ短調が流れる。



刈谷N「私は、自分が天才であることを自覚している」



安部N 「すごい」



刈谷N「目覚めの時、私は至上の喜びを知る。

   すなわち、サルバドール・ダリである喜びを!」



安部N「この過剰な自信は、果たしてどうやって」



刈谷N「狂人と私の唯一の違いは、私は(ピー)

   ていないことである!」



安部 「この狂人すれすれの奇才を、天才たらしめた理由は、

   一体なんなんだあ!」



優  「シーッ。うるさいよ安部礼司」



安部 「あっ、優ちゃんごめん。つい」



優  「35のいい大人なんだったらさあ、絵ぐらい

   黙って見られないかなあ」



安部 「ごめん」



優  「ただでさえ館内えらい人ごみなんだしさあ。

   マジでそういうの、恥ずかしいからやめてもらえる?」



安部 「まずい。予想以上の混雑ぶりに、優ちゃんちょっと

   ご機嫌斜めかも。でもさすがに休日とはいえ、

   ここまで混み合っているなんて思ってもなかったからなあ」



大場N「1964年に開催された日本初の個展以来の出展規模

   となる今回のダリ回顧展は、日本初公開作品も多数含まれて

   いて注目度もアップ!

   特に週末は、入場規制が行われ美術館に入るまでお待ちいただく

   事もありますので比較的ゆっくり見られる平日の来場をオススメします」



優  「あれだねー」



安部 「え?」



優  「こんな絵ばっか書き続けたダリの才能を支えてたのって、

   奥さんだったんだねえ」



安部 「ああ、俺もさっきそれ知って、意外だった」



優  「ダリみたいな人にも、愛する奥さんがいたんだ」



安部N「だって、ダリにとって妻のガラは、創作のミューズだったって。

   ガラが死んだ後は、人生の舵取りを無くしたって、一枚も絵を

   描かなくなったって、それってすごいよねえ。・・・って感心している

   場合か俺、独身、35歳。やっぱ男たるもの、愛すべき女がいてこそ

   仕事に打ち込めるというものではないのか。

   夫は、愛する妻のために戦い、そして妻は、そんな夫の最大の理解者と

   なって、戦い続ける夫を精一杯支え続ける。

   はあ、やっぱり早く、結婚、したい。

   優ちゃんて、そういう夫婦の絆とかって、一体、どう思っているんだろう」



優  「はあ~あ~(あくび)」



安部 「てあくびしてるし」



優  「ねえねえ」



安部 「え?」



優  「つうかさあ、もう人ごみとかもすごいし出ない?」



安部 「え?もうちょっと、じっくり見ようよぉ」



優  「ごめん実は今日私ちょっと具合悪くってさあ」



安部 「そうなの?」



優  「うんごめん」



安部 「体調悪いんだったら言ってくれたらよかったのに。

   ごめん、無理させた?」



優  「うんう。具合悪いの体調のせいじゃないから」



安部 「え?」



優  「今日携帯、うっかり充電するの忘れてきちゃって。

   何かあたし、携帯の充電切れそうなの見ちゃうと、あたしまで

   元気なくなっちゃうんだよねー」



安部N「なんじゃそりゃー!俺にどうせいっちゅーねーん!

   そんなんで元気無くされても、俺マジでどうしたらいいか

   分かんないし」



安部 「うう知ってる?チュッパチャップスのロゴのデザインってさあ」



優  「ダリでしょ。知ってるよー」



安部N「それにしても、恐ろしいのは女心と秋の空。このままデートは、

   険悪ムードのままお開きかと思われたのですが」



   優、鼻歌。



安部N「優ちゃん、さっきまでとは打って変わってえらくご機嫌」



優  「だってー、優、ミイラも、仏像も、だ~い好きなんだも~ん」



安部N「わっかんねえ。女心ってわっかんねえ。

   ダリ展の隣でやってる、国立科学博物館の古代ミイラとエジプト展と、

   東京国立博物館の仏像展に行った途端、

   なぜだか目茶目茶上機嫌の、その乙女心がマジでわかんねえ」



優  「あ、そうだ」



安部 「ええ?」



優  「安部君てさあ、遭ったんだよね、なぞなぞおばさん」



安部 「ああ、うん」



優  「優も遭ったよ」



安部 「うそ!」



優  「昨日。会社の帰りに外の通りで」



安部 「問題出された?」



優  「出された」



安部 「どんな問題?」



優  「それがさあチョー難しい問題で、優全然分からなかったんだー」




○オフィス街・道(回想)



優  「・・・あ」



おばさん「ふっふっふっふっふっあんたも舐めとるのねえ

   チュッパチャップス」



優  「だっだってこれは安部君のデスクにあったから」



おばさん「問題です。そのような棒付きのキャンデーは、英語で」



優  「ロリポップ」



おばさん「ですが」



優  「ずるい!」



おばさん「最初は、ロリポップソニックという名前のバンドだった、

   元祖渋谷系と言われとる2人組の伝説のバンドは、なーんだ」



優  「し、渋谷系?」



おばさん「うふ、なーんだ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

10月22日の放送内容③

2007年03月12日 17時36分36秒 | 2006年10月
○バー(夜)




ドアを開ける飯野。




店員 「いらっしゃいませ。お待ち合わせですか」




飯野 「ええ。えーっと」




柿村 「あ、こっちこっち」




飯野 「あっ、ああ柿村さん、どうも」




柿村 「ごめんねえ飯野君急に呼び出して」




飯野 「いいえ。先輩は?」




   酔い潰れている安部。




安部 「う~~んアタックチャーンス」




飯野 「寝てるんですか?」




柿村 「(笑)さっきからわけの分かんない寝言言ってるけど」




安部 「い、いやぼ、僕は選べません」




柿村 「ごめんねえ。どうしても飯野を呼べって聞かないから」




飯野 「そうっすか。じゃ連れて帰ります」




柿村 「まあ、1杯ぐらい飲んでいったら?」




飯野 「はあ」




柿村 「私とは飲みたくない?」




飯野 「い、いえそんなことは無いっす」




柿村 「水割りでいい?」




飯野 「は、はい」




柿村 「マスター、この人に水割り」




店員 「はい。かしこまりました。カテリーナさん、今日は賑やかでいいですね」




柿村 「やめてよマスター、そんなこと言うと、いつも私が1人で暗く飲んでるみ

   たいじゃない」




店員 「すみません」




柿村 「飯野君。・・・あたしの事苦手でしょ」




飯野 「はい。あ、い、いいえ」




柿村 「いいのよ。慣れているから。会社に入ったときから嫌われてるの分かったか

   ら」




飯野 「やっぱり」




柿村 「え?」




飯野 「あ、いえ」




柿村 「私、ダメなのよ。ダラダラ目的無く時間を過ごしたり、過去の話ばっかりし

   たり。くだらない事でお騒ぎしている連中が」




飯野 「はあ。あぁいただきます」




柿村 「あ、乾杯。そんな人見てると攻撃したくなるの。お金もらって働いてい

   るんだからぐちゃぐちゃ言ってないで働け!ってね」




飯野 「耳が痛いっす」




柿村 「でね、結果だーれもあたしに話しかけなくなった。だーれも私のそばにい

   なくなったの」




飯野 「はあ」




柿村 「当然よねえ。でもね、なーんかこの人だけは」




飯野 「先輩?」




柿村 「なーんていうか、全く関係なく、最後まで付き合ってくれたの」




   寝言を言う安部。




安部 「あぁ蛇には、足があります!」




柿村 「(笑)あたしが飲みに行こうって言うといいよって。あたしがちょっと時

   間ある?て聞くといいよって。あたし、この人に避けられてるって思ったこ

   と無いんだ」




飯野 「案外、断られなかっただけだったりして」




   寝言を言う安部。




安部 「(小声)うんそうだなあうん蛇に足は無いな」




柿村 「そうかもね。でもね」




飯野 「そう、でも何か分かるっす。先輩はそんな人っす」




柿村 「コンテンツビジネス部に研修行かせてくださいって、実は自分で頼んだの」




飯野 「え?」




柿村 「安部をいじめたら少しは元気が出るかもって」




飯野 「ひどいなあ」




柿村 「そ、ひどいの」




飯野 「元気、無いんですか?」




柿村 「うんちょっと疲れてただけ」




安部 「ん、ん、あ、あ、あれ飯野君じゃあーりませんか」




飯野 「ちーす」




安部 「ちーすじゃねえよ、何でお前柿村と飲んでるんだよお。

   あ、あ分かった、お前らひょっとして」




柿村 「連れて帰ってくれる?飯野君」




飯野 「はい」




安部 「だ、大丈夫。自分で帰れるっつうの家そこだから」




飯野 「さあ、先輩、行きましょう」




安部 「ああ」




飯野 「それじゃ、柿村さん」




柿村 「ああ」




飯野 「ごちそうさまでした」




柿村 「ま、頼むわ、こいつ」




飯野 「はい」




安部 「な、何頼まれたの飯野君。あれ?もしかしてリストラ?

   お俺リストラの対象?うそ嫌だほんとに○×△□%」




6曲目 スローなブギにしてくれ (I want you) http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37401 南佳孝



店員 「グラッパでもいきますか」




柿村 「そうね。マスターも飲む?」




店員 「ええ。いただきます。いいですよね」




柿村 「え?グラッパ?」




   一瞬ジェームス・ブラウンのセックス・マシーンが流れる。




店員 「いえ、同期」




柿村 「あ、そうね。いいね」




7曲目 And I Love Her http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=38758 THE BEATLES




日産フーガのCM

http://www2.nissan.co.jp/FUGA/Y50/0508/CONCEPT/main1.html




日産ティーダのCM

http://www2.nissan.co.jp/TIIDA/top.html

N  「こうして安部礼司の緊張感に包まれた1週間は終わり、彼は今、

   自宅のPCに向かって、日課のブログを更新していると思ったら」




SE 「アタック!25~」




刈谷 「はーいどうもどうも皆さん、またまたこんにちはー、

   『花嫁ほんとに一体誰にするんですかぁ』司会の、刈谷華丸です。

   (児玉清の物真似)アタ~ックチャーンス、なぜ角を取らない。

   えーこの番組では、最も平均的なサラリーマンに出ていただき、3名の女性の中から

   花嫁を選んでいただこうという、夢のような夢の番組です。

   えー今回の挑戦者は?」




安部 「東京都から来ました、あ、安部礼司といいます」




   観客の拍手。




刈谷 「ありがとぅーありがとぅー!会社をサボって、よく来てくれましたねえ!

   えー安部さんは、好きな女性のホクロの数は」




安部 「えっと、口元に1つ、目元に2つです」




刈谷 「い~ですねういー趣味ですねー!ぎゃんばってください。

   では、今日の花嫁候補、3人の登場だい!」




SE 「アタック!」




優  「1番、倉橋優です。

   愛読している雑誌は、CanCam、女性セブン、からだにいいこと、いきいきです!」




刈谷 「イエーイイエイイエイイエーイ!巻き髪が素敵。品がある。品が立ち上ってくる。

   次行ってみよう」




加奈 「えっと、2番岩月加奈です。自分の性格を一言で言うと、親孝行です」




刈谷 「えらい!それが性格かは置いといてあんたはえらい!では、この中から」




柿村 「おーい。おい」




刈谷 「えー、この2人の中から」




柿村 「おかしいだろ。いるよ。いますよ3番。

   最初に3人の中からっていったじゃん」




刈谷 「オーアイムソーリー。

   3番、そう3番、前回のチャンピオン、3番を忘れていました」




柿村 「何のチャンピオンだよ」




刈谷 「(無愛想に)ではどうぞ」




柿村 「ええ~、柿村カテリーナかずこでえす!好きな俳優は、阿藤快でぇす!」




SE 「アタック!25~」




刈谷 「(無愛想に)はい。えー、では選んでいただきましょう。

   安部さん、ちょっと安部さん?安部礼司さん!(児玉清の物真似)なぜ、起きない。

   安部礼司、なぜ、起きない」




○安部礼司の自宅(夜)




安部 「(あくび)ふあ~ああ。あ~。また同じ夢見ちゃった。

   えっと、ブログブログと。(パソコンを打ちながら)えーっと、

   (あくび)柿村は、なんていうか、たくましくなっていて、俺も、頑張らないとなぁって、

   まじで思ったわけで」




   安部の携帯が鳴る。着信音はBOOWYのMarionetteマリオネットhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36288。




安部 「あっ、優ちゃん?」




   安部、携帯を取る。




安部 「はい、安部ですが」




優  「優でーす」




安部 「おお~うれしいなあ。やっぱり、1番の優ちゃんに決定」




優  「え?」




安部 「いや、なんでもない。どうした?」




優  「ディズニーシーの件なんだけど、タワーオブテラー」




安部 「あ、あの上から落ちるやつ」




優  「いつ行く?」




安部 「ええ・・・」




優  「誕生日のお詫びもあるし」




安部 「そっか・・・」




優  「優と行きたくないのぉ」




安部 「うんう、そんなこと無いそんなこと無いけど」




優  「あ、体調悪いの?」




安部 「うっいやそんなことない。たださあ」




優  「じゃまたねー」




   電話を切る優。




安部 「あぁぁ、優ちゃぁん・・・もう、高い所が苦手なだけだっつうの。

   しっかし俺、苦手なもの多いなあ。

   柿村も苦手っていえば、すっげえ苦手だったしなあ。

   でも、時々、会いたくなるんだよなあ。

   そうだ、また日比谷公園でも誘うか。なあ、柿村」




8曲目 パラダイス銀河http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35917 光GENJI




柿村N「あ、どうも、柿村カテリーナかずこです。

   安部礼司がいつもお世話になっています。

   皆彼に騙されないでくださいね~。

   なーんかゆるーい感じしますが、

   案外全て計算じゃないかって思う事ありますから。

   もしそうなら、彼、きっと社長になれます。

   えーそんな安部のブログあります。

   アドレスはwww.tfm.co.jp/abe。www.tfm.co.jp/abe。

   メールマガジンも配信してます。

   研修が終わった、柿村でした」




安部N「NISSAN あ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」




日産自動車がお送りしました。

10月22日の放送内容②

2007年03月12日 17時34分47秒 | 2006年10月
○日比谷公園(昼)




柿村 「いやあー気持ちいいなー。やっぱお昼は日比谷公園に限るなー」




安部 「てお前はオヤジか」




柿村 「ん?何か言った?」




安部 「い、いや」




柿村 「んーまい泉のヒレカツサンドがまた、公園にあうんだなあ。んふふうまいなあ」




安部 「ほんとにうまそうに食べるなあ」




柿村 「ねえ、コーチングの勉強してる?」




安部 「ん?コーチング?」




柿村 「うん。先月研修会あったじゃん」




安部 「ん?そうだっけ?」




柿村 「部下や後輩の隠れた才能や能力を引き出すにはどうしたらいいか、

   みたいなテーマでさあほら。アイスブレイクの手法とか皆でロールプレイしたじゃん」




安部 「え、ええ?知らない。俺いた?」




柿村 「さあ~いたようないなかったような。安部は影薄いかんな。あはは」




安部 「はっきり言うなよー」




柿村 「しっかしぬるいわね」




安部 「お茶?」




柿村 「違う。コンテンツビジネス部」




安部 「ええ?」




柿村 「安部がウチの部来たら3日で胃潰瘍になるな」




安部 「そんなにキツイ部がウチの会社にあったのか」




柿村 「こんなにぬるい部がウチの会社にあったのかっていいたいよ」




安部 「まあ、同期の中で柿村が、一番最初に課長になったしな。

   お前は、やっぱ、すごいんだな」




柿村 「感心している暇ないよー。

   ウチの会社だって、いつまで続くか分かんないんだから。

   スキルつけとかないと。

   安部は人がいいから、周りに流されるんだよなあ」




安部 「そんなことねえよぉ。

   俺だってさあ、なんていうか、結構やるときはやるっていうかぁ」




柿村 「来ねえよ」




安部 「え?」




柿村 「そんなこと言ってるやつんとこにやる時なんて来ねえよ」




安部 「決めつけんなよ。俺はさあ」




柿村 「やる時ってのは、自分で決めないと来ないの」




安部 「そうかも、しんないけど」




柿村 「ま、次いこっか」




安部 「えっ」




柿村 「まだ食べてないの?さっさと食べなよ」




安部 「ちょっと、待ってくれよお」




大場N「えー、ちょっと解説。

   コーチングとは、会話の中から相手の発想を引き出して、さらには

   それを行動に移す事を促すコミュニーケーションスキルのこと。

   主にビジネスの場で導入されています。

   部下の育成には欠かせないメニューとなってるんだよ安部礼司!

   研修さぼるな!」




3曲目 散歩道http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=63962 JUDY AND MARY

○大日本ジェネラル・ビジネスコンテンツ部・会議室




大場 「今日は、皆に柿村君から話があるそうなので集まってもらった。

   じゃ柿村君、よろしく」




柿村 「はい。お時間をいただきありがとうございます。

   皆さんはマーケティングを抽象的な、もしくは机上の空論的な、

   ただの知識だと思っていませんか。それは全くの間違いです。

   今やマーケティングを知らないセクションは、

   氷河期の恐竜のように生き残ることは出来ません」




安部N「語ってるよ~。柿村カテリーナかずこ、ボードに、

   図を書いて説明しているよ~」




柿村 「わが社の売り上げをいかに増やすか、それがマーケティングです。

   余計なものをいかに排除するか、それを見つけるのがマーケティングです」




安部N「今、余計なものってところでこっち見た。絶対見た!」




柿村 「無駄。これが一番よくない」




安部 「なあ飯野、今コッチ見たよな」




飯野 「そうですか~?」




安部 「優ちゃん、あいつ俺のこと無駄だと思ってるよな」




優  「そうですかー?」




安部 「絶対そうだよ。この演説で、俺をリストラする気だ」




優  「演説じゃないし」




飯野 「リストラする権限無いし」




安部 「分かんねえだろう」




柿村 「はい安部君何か質問ですか?」




安部 「あの、あ、いやなんでもないです」




柿村 「じゃ安部礼司君、質問です」




安部 「あ、はい」




柿村 「車の色で一番人気は何色でしょうか?」




安部 「え、ええと、それはやっぱり、(小声で)優ちゃん、何だと思う?」




優  「白じゃないですかやっぱり」




安部 「白です」




柿村 「違います。正解はシルバー。

   ソフト99という車のメンテナンスメーカーが調べた去年のデータでは、

   シルバーあるいはグレーが37%。

   白、パールホワイトは第2位ですが、全体の16%にとどまっています」




安部 「あ残念おしかったな~。あ~2位かぁああシルバーかあ」




柿村 「はいそこ。まじで悔しがっている場合ではありません」




安部 「はい」




柿村 「大切なのは、なぜシルバーかと検証することです」




安部 「何でかなあ。なあ飯野」




飯野 「それは、汚れが目立たない、とか」




柿村 「はいそこ、人に聞かない」




安部 「はい」




柿村 「それを考えることがマーケティングなんです」




安部 「なんか、分かったような分かんないような」







優  「まあーシルバー世代が今後の課題って事?」




飯野 「シルバーシートって、誰がつけたんでしょうねえ」




安部 「そうだなあ。そもそも何でシルバー層とかいうんだろうなあ。

   プラチナとかのほうがよくない?」




優・飯野「う~ん」




柿村 「大場部長、この部はどうなっているんでしょうか」




大場 「ん?」




柿村 「全く緊張感も危機感もありません」




大場 「そうか」




柿村 「何か反論なさらないんですか?」




大場 「ああ。しない」




柿村 「アタシはこの部での研修レポートを上司に提出するんですよ」




大場 「全く問題はない」




柿村 「だって」




大場 「私は、この部は素敵な部だと思っているし、

   もし仮に君に何か書かれた事で、私の進退に影響があるのなら、

   所詮その程度の部長だったという事だと思う」




柿村 「なぜ蛇に足が無いか知ってますか」




大場 「(即答)知らん」




柿村 「はやっ」




飯野 「あ、知ってるっす。蛇には、もともと足があったっす。

   ニシキヘビにも痕跡は残ってるっす。

   でも、蛇は昔、穴の中で暮らしていたから、

   狭いところで暮らしやすいように、足が必要なくなって、

   どんどん体が細長くなったっす」




   拍手する安部と優。同時にしゃべる。




安部 「いえ~いすごいぞ飯野お前」




優  「かっこいい~飯野君」




柿村 「いやそういうことじゃなくて、これはどうぶつ奇想天外!のクイズじゃな

   くて」




大場 「我が部は退化して、やがて無くなる。そう言いたいんだな」




柿村 「はい」




安部 「あーなんだ、そういうことだったの?はぁーっ気づかなかった。

   うまい例えだな」




優  「て感心してどうするんですか」




柿村 「もういいです。話してるのも無駄な感じしてきました。失礼します」




大場 「ああ、1ついいかな柿村君」




柿村 「何ですか」




大場 「蛇は、前に進まないか?」




柿村 「えっ」




大場 「足が無くなった蛇は、もう前に進むことは出来ないかな」




柿村 「そ、それは」




大場 「お腹の下にあるウロコを逆立て、それを前に倒すことでちゃーんと

   前に進んでいける。違うかな」




柿村 「そういうのを、詭弁ていうんだと思います。失礼します」




安部 「おおい、柿村」

   

   会議室を立ち去る柿村。




安部N「会議室に、普段には無い重い雰囲気が残ったわけで」




安部「おおい、柿村!」




4曲目 ガラガラヘビがやってくるhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37076 とんねるず


○コンビニ・店内(夜)

店員 「いらっしゃいませ」


安部 「(ため息)はあー。このコンビニに入ると、1日が終わったあーって

   感じがするなあ。何か今日は、くたびれた。重い空気だったなあ。

   えーと、今日はたまには、入浴剤でも買って、ゆっくりお風呂にでも浸か

   るかな」


刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっはっ。入浴剤、はっはっ♪、入浴剤、

   はっはっ♪」


安部 「あのこめかみに刺激を与える笑い方は刈谷勇!」


刈谷 「あーっはっはっはっはっはっはっこれはこれは。人生罰ゲームの安部礼司

   君。こにゃにゃちはー」

安部 「何で入浴剤コーナーにいるんだよ目障りだなあ」

刈谷 「いーんじゃない僕が入浴剤買ってもー」


安部 「それはいいけどさあ」


刈谷 「じゃ、ここで問題でーす」



安部 「問題?もういいよ問題は。このところ問題ばっかり出されてる感じだよ。

   大体、お前のテンションが問題だっつーの」


刈谷 「花王の入浴剤バブって、全部で何種類あるでしょーか」



安部 「さあーね」


刈谷 「まじめに考えてよー」


安部 「あーじゃあ、12種類ぐらい?」




刈谷 「ブー!ブー!(児玉清の物真似)はい、赤の人が、お立ちになって、

   次の問題は3人で、アタ~ックチャーンス」




安部 「何の番組だよ」




刈谷 「正解は、37種類でーす!」




安部 「そんなにあるの?」




刈谷 「じゃあその中で、最も人気が高いのは?」




安部 「うーん」




刈谷 「ヒント。2つあります。1つは「ゆ」で始まって、「ず」で終わります」




安部 「まあ、この品揃えから見ると」




刈谷 「分かっちゃうよなー!分かっちゃうよなー!」




   いい湯だなストップ。




安部 「ゆず?」




刈谷 「(児玉清の物真似)はい、正解、はい赤の方、何番」




安部 「もういいって」




刈谷 「実はもう1つはさあ、森林浴なんだってさあ」




安部 「なあ、刈谷」




刈谷 「はぁい?」




安部 「そういうのって、やっぱマーケティング?」




刈谷 「ん?どうしたの君。何か目覚めた?

   ビジネスってもんに、目覚めちゃった?」




安部 「そうじゃないけどさあ」




刈谷 「コンビニで何が売れてるかって考えるのは、そう、

   マーケティングかもねえ」




安部 「そうなんだ」




刈谷 「どうしたんだい。何かあった?」




安部 「そっか、刈谷も俺の同期だったな」




刈谷 「あーっはっはっはっはっ冗談は次長課長河本の微妙な物真似だけに

   しておくれよ」




安部 「え?」




刈谷 「お前と同期なんて、差がありすぎっしょ」




安部 「会社でさあ、差がありすぎの同期の女性がいるんだよ」




刈谷 「好きに、なったの?」




安部 「なんないよ。全くそういう気にならないよ。たださあ」




刈谷 「ただ?」




安部 「何ていうか、頑張ってるんだよなあ」




刈谷 「あーっはっはっはっはっ、所詮君の会社で頑張るといっても、

   たいしたことないよー。僕なんかねえ、今日1億だよ1億、儲けたの。

   すごい?ねえ、すごくなくなくない?」




安部 「あんまり金額が大きいと実感沸かない」




刈谷 「つまんなーい刈谷つまんなーい!」




安部 「彼女、戦っている感じがするんだよなあ。それに比べて俺は・・・」




刈谷 「それを聞いたら彼女怒ると思うよ~「安部礼司と比べないで!」ってね」




安部 「そうかなあ」




刈谷 「君はねえ、何ていうか、頑張ってる人のテンション、落とすよねえ」




安部 「そんなことねえよお。俺は、好きだよお頑張っている人」




刈谷 「お前が頑張れ」




安部 「まあな・・・」




刈谷 「入浴剤でゆっくり?160年早いっつうの!」




安部 「そんなこと言うなよぉ俺だって疲れたっていいでしょ」




刈谷 「そのゆずよこせよお!」




安部 「これは俺のゆずだ!」




   花王バブを取り合う安部と刈谷。




刈谷 「ゆずは譲れない!」




安部 「はははダジャレ!?」




刈谷 「カツィーン、テンプルに来た絶対譲れないからねぇ、ゆず!」




   ゆずの「夏色http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=65036」のサビが一瞬流れる。




店員 「お客さん、店で騒がないでもらえます?」




安部・刈谷「すいませーん」




店員 「あのー、ゆずなら、こちらに在庫たくさんありますから。喧嘩しないで」




安部・刈谷「はーい!」




店員 「しっかしサラリーマンも大変だねー。

   いやね、私も実は、かつて、サラリーマンだったわけよ。

   これが結構稼いでたんだー。不動産だったんだけど、まあバブルがねえ、

   あれがいけなかった。

   何か人生観というか、価値観?変わっちゃったっていうか。

   あれ?お客さん」




5曲目 サヨナラバスhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37076 / ゆず


10月22日の放送内容①

2007年03月12日 17時32分28秒 | 2006年10月
今週のみんなへの質問。

みんなの『こんなオススメ鍋』、教えてチョーダイ!

ご当地モノ、マイフェイバリット具材、とっておきの一人鍋レシピなど、

なんでもOK!

冬は寂しく『ポン酢で湯豆腐の一人鍋』がもはや定番になっている、

安部礼司の味気ない鍋ライフを、みなさん救ってください!



安部N「JFN各局でお聞きの皆さん、どうも、安部礼司です。

   皆さんにお願いがあります。

   ご当地ナビを完成させるために皆さんの町の隠れスポットを僕に教えてくだ

   さい。

   この番組のホームページtfm.co.jp/abeにある

   僕のブログに直接書き込んでください。

   待ってまーす!」




安部礼司の公式ブログ

http://www.tfm.co.jp/abe/blog/



○スタジオ




   観客拍手。




刈谷 「はーいどうもどうもみなさんこんにちはぁ。花嫁誰にする?司会の刈谷華丸です。

   (物真似)アタ~ックチャ~ンス。えーこの番組は、最も平均的なサラリーマンに

   出ていただき、3名の女性の中から花嫁を選んでいただこうという夢のような夢の

   番組です。えー今回の挑戦者は?」




安部 「東京都から来ました、あ、安部礼司といいます」




   観客拍手。




刈谷 「ありがとぅーありがとぅー!遠いところよく来てくれましたねえ。

   えー安部さんは今、おいくつですか?」




安部 「えっと、35歳になったばかりです」




刈谷 「うぃーですねうぃー歳ですねー。ぎゃんばってください。

   では、今日の花嫁候補の3人の登場だい!」




SE 「アタック!」




   出走の曲が流れる。




優  「1番、倉橋優です。特技は、キラキラ光ること。

   好きな食べものは、カラスミです」




刈谷 「イエイイエイイエーイ、ビューティホービューティホー!

   何だかCanCamのモデルに似てるねえ!ん~ソツクリ。次、いってみよーう」




加奈 「えと、2番、岩月加奈です。趣味は読書と旅行。

    好きな場所は、図書館と、鴨のいる公園です。よろしくお願いいたします」




刈谷 「か~わ~い~い~。なんかか~わ~うぃ~い~。

   ファッションもカジュアルに決めて、うぃ~ね~そのスキニーパンツ。

   いかしてるよ~、さあ、いよいよ最後の女性の登場だい!」




柿村 「3番、柿村カテリーヌかずこ、好きな言葉はやるときはやる。

   嫌いな言葉はやれるのにやらない、です」




刈谷 「(テンションが急に下がる)・・はい。以上の皆さんです」




柿村 「おい!司会者!」




刈谷 「はい?」




柿村 「無いの?私には無いの?」




刈谷 「はい?おっしゃっている、意味が」




柿村 「綺麗、とかさ、可愛い、とか」




刈谷 「オーマイガーッ、アイムソーリーそうでした、えぇ柿村さんは、

   柿村さんは、なんというか、強そう」




   笑い声が起きる。




柿村 「かかってこーい」




刈谷 「さぁ安部さん、この3人の女性の中から、花嫁を選んでいただくわけですが、

   なんかワクワクしますねえ」




安部 「ああ、はい」




刈谷 「では3人になんか質問はぁ」




安部「ええはい、えっと、全員にお聞きします。

   えー、僕が、例えばですよ、例えば、浮気したら、いや、絶対しませんけど、

   もししちゃったら、どうしますか」




   スタジオがどよめく。




刈谷 「うんわあー、いきなりすんごい質問だあ」




優 「1番、優です。私はー、えーと自分も浮気してフィフティーフィフティー

   っていうかそれで忘れます」




観客 「あー」




加奈 「2番、岩月です。私はその、ただ悲しいです、悲しいんで泣きます」




観客 「おー」




柿村 「3番柿村です。ぶっとばして2度と立ちあがれないようにします」




観客 「笑」




刈谷 「はーい皆さんと過ごしてきた楽しい時間もそろそろエンディング。

   最終決断の時間です。平均的サラリーマンの安部礼司さん、さあ、

   あなたが選ぶのは?(物真似)アタ~ックチャ~ンス」




SE 「アタック!」




安部 「えっ、も、もう!?もう選ぶの?ちょっちょっと待ってください」




優  「安部君!」




加奈 「安部さん」




柿村 「おい安部!同期だろ。分かってんだろうな」




安部 「ええっ」




柿村 「入社したばっかりの頃、面倒見てやったろ?」




安部 「そ、それは・・・」




柿村 「安部!返事は」




安部 「は、はい」




SE 「アタック!」




刈谷 「おめでとぃいー。3番の柿村カテリーナかずこさん、どうぞこちらへ」




安部 「ちょちょちょちょっと、ちょっちょっちょっと待ってください。

   あの僕は、僕は選んでいません、僕は、(エコーがかかる)僕は!」




○大日本ジェネラル・コンテンツ・ビジネス部




安部 「僕はっ」




大場 「安部礼司!」




安部 「僕は3番じゃなく」




大場 「おい!安部!」




安部 「ぶ、部長」




大場 「何が3番だって?」




安部 「えぇ、いや、夢?」




大場 「会議中に寝てるヤツはほっといて、今日から1週間、

   ウチの部で研修する女性を紹介する」




柿村 「えー3番、柿村カテリーナかずこです」




安部 「3番?」




柿村 「よお、安部。ひさしぶり!」




1曲目 目を閉じておいでよ http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35933 バービーボーイズ




N  「この物語は、ごくごく普通で、あくまで平均的な35歳安部礼司が、

   トレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた、

   勇気と成長のコメディである。日曜のたそがれ時、若さと渋さの間で揺れる

   ナイスサーティーズのあなたに送る、鼻歌みたいな応援歌を、つぼな選曲と

   ともにお楽しみください」




安部N「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」




日産自動車がお送りします。




ジングル安部「NISSANあ、安部礼司。BEYOND THE AVERAGE」




日産FUGAのCM

http://www.nissan.co.jp/FUGA/top_normal.html




飯野 「先輩、あの柿村さんって、何者ですか?」




安部 「俺にも分からん。なんか、アフリカのコンゴ川流域の、

   なんとかって小さな国で生まれたらしいんだけど」




飯野 「シリキ・ウトゥンドゥみたいですね」




安部 「ああ、ディズニーシー・タワーオブテラーに出て来る偶像の名前か」




飯野 「よく知ってましたねえ」




安部 「あ、ああ、今度優ちゃんと行くことになるかもしれないからな」




飯野 「そうっすか。昔からあの威圧感はあったんですか?」




安部 「シリキ・ウトゥンドゥ?」




飯野 「いえ、柿村さん」




安部 「あ、ああ、そうだなあ。俺たち、同期は11人なんだけど、

   女子のなかで一際目立ってたもんなあ。

   おまけに、なんか俺にはキツイんだよぉ」




飯野 「案外先輩の事好きだったりして」




安部 「や、やめてくれよ飯野ごめん。それだけは勘弁」




飯野 「よく見ると、結構美人ですよね。スタイルもいいし」




安部 「や、や、やめてありえないからマジ勘弁」




飯野 「いじめっ子って、意外にその子のこと好きだったりするでしょ」




安部 「小学生かっつうの。やめて勘弁それだけは勘弁」




柿村 「何が勘弁だって?」




安部 「かっ柿村」




飯野 「こんにちは、初めまして、飯野っす」




柿村 「ちーす。あなたが飯野君。

   いつもウチの安部がお世話になっているそうでありがとうございますー。

   ホントすみません。手がかかるでしょう?」




飯野 「い、いいえ、こちらこそです。

   (小声で)先輩、まるで先輩の奥さんのような発言っす」




安部 「(小声で)いいから、気にしないでいいから」




柿村 「おい安部。ちょっと聞きたいんだけどさあ」




安部 「ん?な、何?俺、何も言ってないよ」




柿村 「部長がさあ、急にリスケしてきたんだよ」




安部 「リスケ?」




柿村 「ありえないだろ?」




安部 「あ、ああ」




柿村 「私がさあ、リスケ嫌いなの知っているのかっていう話でしょう」




安部 「そ、そうだよな」




柿村 「部長の携帯分かる?メルアドでもいいよ」




安部 「分かるけど」




柿村 「じゃあさ、ちょっと電話かメールしてくれる?柿村は、リスケが嫌いです。

   予定通りでいきましょうってさ」




安部 「え、俺が?」




柿村 「だっていきなりあたしがかけても失礼でしょう?」




安部 「ああ?まあ、何か筋が通ってるような違うような。てかリスケ?」




柿村 「ほらかけてよ」




安部 「(小声で)おい飯野、なんだリスケって」




飯野 「リスケ?リスケ、りすけどん、江戸時代の人の名前ですかねえ」




安部 「リスケしてきたって?」




飯野 「りすけさんに会ってきたっていう意味じゃないっすか」




安部 「柿村は、りすけが嫌いらしい」




飯野 「よっぽど嫌われてるみたいですねぇ、りすけどん」




柿村 「ほら安部、早く!」




安部 「ははぁはい」




飯野 「とにかくかけたほうがいいっすよ」




安部 「そうだな」




   携帯をかける安部。




(電話)大場「はい、大場だが」




安部 「あ、安部です。部長、今ちょっといいですか」




(電話)大場「何だ」




安部 「あのお、柿村が、りすけどんには会いたくないっつうか、

   あんまり好きじゃないっていうか」




(電話)大場「りすけどん?」




安部 「はい」




(電話)大場 「何の事だかさっぱり分からん」




安部 「ええ実は僕も全く分からないんですが」




(電話)大場「オオバカモン!自分で分からない電話をするな!」




   電話を切る大場。




大場N「賢明で物知りな皆さんにはこんな説明不要でしょうが、あえて一言。

   リスケとはリ・スケジュールの略。つまりは、スケジュールの変更を意味します。

   とりあえずリスケして、仕切りなおしましょう、とか使います。

   けして人の名前じゃありません」




柿村 「部長、分かってくれた?」




安部 「オオバカモン!て、切られた」




柿村 「たくわっかんない部長だなあもう。まあ仕方ないか。いいよあんがと。

   リスケするわ。じゃ、行ってきまーす」




飯野 「先輩、よかったですね」




安部 「なんだか、冷静に考えてみると、俺がただ怒られて、

   損したの俺だけって気がするけど」




飯野 「それにしても、なんか柿村さんは自由っす」




安部 「そうだなあ、怖いもの無いって感じだよな」




飯野 「あれ?先輩は行かなくていいんですか、一緒に」




安部 「あっいっけねそうだ俺も行くんだった。

   おおい柿村俺も会いに行くよりすけどん、待ってくれぇ!」




2曲目 星のラブレターhttp://www.utamap.com/showkasi.php?surl=56053 THE BOOM




○神保町・ビヤホール ランチョン店内(昼)




優  「ねえ飯野君、ソース取ってくれる?」




飯野 「あ、はい」




優  「たまにここのハンバーグ食べたくなるよねえ」




飯野 「神保町のランチョンは、洋食発祥の場所といっても過言ではないっす」




優  「おいしいよねえービールほしくなる」




飯野 「まあ、まだお昼ですから」




優  「それにしても濃い感じするよねえ」




飯野 「ハンバーグ?」




優  「違うあの柿村さん」




飯野 「あ、あーそうっすねー。でも部長の話では、マーケティング部門では、

   最も期待されている逸材らしいっす」




優  「安部君と随分違うねえ」




飯野 「でも先輩には、先輩の持ち味がありますから」




優  「まあねえー。

   問題は、その持ち味が会社に利益に利益をもたらすかってことだよねえ。

   持ち味が薄いのよ味が」




飯野 「あ、これドレッシングです」




優  「ありがと」




飯野 「柿村さん、なんか高圧的っていうか、なんか上から人を見ている感じが、

   ちょっと苦手っす」




優  「そうかなあ。優は結構好きかも。だってはっきりしてるじゃない?」




飯野 「はっきり言うことが、全ていいとは思えないっす」




優  「ん~ん。飯野君はそんな風に思うんだ」




飯野 「はい」




優  「じゃあさあ、飯野君は全て曖昧なままがいい?

   この仕事が自分にあっているかどうかもよく分からない。

   好きな人もどれだけ好きか分からない。それでいい?」




飯野 「それは、なんか例えが極端っす」




優  「優は嫌だな。いつも自分の気持ちには正直でいたい」




飯野 「皆、そんなに強くないっす」




優  「強さなのそれって」




飯野 「よく分からないですけど」




優  「そういえば安部君って、アバウト代表って感じだもんねえ」




飯野 「確かに、今頃カテリーナ台風とどこ回ってるんでしょうねえ」




安部N「その頃、僕は台風とランチしていた。

   まあ、これがランチと呼べるか分からないけど」