美術家の宮下昌也さんのライブペインティングでギリシャの弦楽器・ブズーキなどを演奏されているKATSUさん。美しい色彩が放たれるキャンバスの傍らで彼が奏でる音色と響きには心を揺り動かされます。カフェ「ルバーブ」(東金市)で毎年春に公演を開き、心の琴線に触れる音楽を人々に与えてくれる彼の横顔に迫ってみました。
「十代後半、ロックに熱中し、以来ずっと音楽に携わってきました。現在、音楽を通じ、人はそれぞれの違いを超え、心を通わせることができるのではないかと考え、各地で様々なコンサート活動を展開しています」KATSUさんはそう語ります。
今回のライブ(2007.3.23)で彼は民族楽器演奏の他、東ティモールのお祭りソングとでもいうべき曲に歌詞をつけた「絆」、ロック風日本民謡「こきりこ節」などをギターで歌い上げました。神聖なネイティブアメリカンの詩の朗読では、聞き手の心を打ちました。最後は鳴り物の民族楽器を観客全員に配り、一緒に合奏。場をひとつにして盛り上げました。
宮下さんのペインティングと音との絡みについてたずねてみると、「そのへんは阿吽の呼吸ですね。ずっと絵を見ながら、演奏しているわけではありませんから。打ち合わせで決めたライブの構成が大幅に変わることはありません。ですが、宮下さんの刷毛の音が音楽に聞こえてくることもあり、それが音に影響していくということはあると思います」
――アーティストがとらえる音の世界では、私たちが気に留めない音にまでもイメージが与えられ、豊かな音色の源になるのかもしれません。
*2005年、2006年の公演ではグループKURI(KATSU&MIHO)として宮下さんとコラボ。今回MIHOさんがアイルランドでの演奏活動のため、KATSUさん単独での演奏となった。
〔プロフィール〕
ギリシャの弦楽器・ブズーキなど様々な民族楽器の音色や響きを取り入れた独自の音の世界を作り出す音の旅人。2000年ヨーロッパ5カ国横断ツアー、2003年フィリピン北部山岳地域ツアー、2005年愛・地球博出演、2006年国連60周年・別府国際平和映画祭出演など国内外にて活動。 グループKURIとして「風の舞」「遠い記憶」の2枚のCDを制作。オムニバスCD「しおのみち」にも参加。