波音が聞こえる
静かに
ゆっくり
よせては
戻る
夕陽が沈む
一日の終わりを
やがてくる
最期の時に重ね
遠い思い出に夢を馳せる
苦しみと悲しみ
憎しみ、怒り
そして笑いに満ちたあの時
もう過ぎ去った日々
慌ただしく走り回った日々
もう戻らぬあの時
ただ
懐かしさだけが
甦る
未来を夢見る時間はない
ひとり
夕暮れに佇み
過去に思いを馳せる
懐かしい友の声が
かすかに木霊する
やがて
日は沈む
空の青さの下で
希望を探した
ひとりぼっちだと
彷徨った
ああ
貴方はどこにいるのか
どこで出会えるのだろう
歩き続けたなら
願いは叶うのだろうか
僅かな望みがあるなら
生き続けよう
いつも唇に微笑みを
持って
ほんの少しの夢を
持とう
ああ
どこにあるのだろう
希望を探した
海の中を
森の木々の間を
彷徨った
どこに落ちているのだろうか
小鳥に聞いた
どこかで出会わなかったか
イルカに尋ねた
ふたりは
ほんの少し微笑んで
去ってしまった
何年も何年も
探し続け
生まれ故郷に
戻ってきた
そこに
何と
輝く光が待っていた
知らなかった
大事なものは
いつも近くにあることを
戻らぬ時が
悲しかった
愚かな私を
笑ってほしい
やっと
見つけた
とうとう
出会えた
見えないだけの
静かに横たわる
希望は
必ず
そこにある
もし
自分が誰か分からなくなったら
昨日を忘れてしまうのなら
私はもう1度
幼子に戻れるのだろうか
未来を疑わず
この世界に
絶対の信頼を寄せて
微笑むことが
できるのだろうか
ならば
老いることも
悪くはあるまい
恐れることが
ない
幸せな日々に
なるのだから