第4次安倍再改造内閣発足からわずか1カ月半余で経済産業相、法相という主要2閣僚が「政治とカネ」のスキャンダルで辞任し、同時進行で文部科学相の問題発言をきっかけに、安倍晋三首相の肝煎りで進められてきた教育改革の一環となる大学入試共通テストでの英語民間試験実施が、予定されていた2020年度からの実施の見送りを余儀なくされたことなどが、背景にあるとみられている。
これと連動する形で、1年10カ月後の「ポスト安倍」をにらむ各候補、派閥による水面下の動きも公然化し始めている。
一部週刊誌で公選法違反疑惑などが暴露され、2週連続で閣僚辞任に追い込まれた菅原一秀前経産相と河井克行前法相は、いずれも菅氏の側近で首相とも近いとされる。
さらに、英語民間試験に絡むいわゆる「身の丈」発言で、野党だけでなく一般国民からも集中砲火を浴びている萩生田光一文科相は、「首相の側近中の側近」(細田派幹部)だ。
それだけに「官邸が抜擢した3人の新人閣僚が起こした問題で、政権運営が混乱に陥った」(自民国対)ことについて、与党内では「首相と菅氏の“お友達人事”が原因」(閣僚経験者)との声も広がる。
苛立つ首相に「終わりの始まり」の声も
首相にとって、今臨時国会での最優先課題は日米新貿易協定の国会承認と、任期中の実現を目指す憲法改正のための、衆参両院憲法審査会での本格的改憲論議の促進だった。
しかし、2閣僚連続辞任や英語民間試験見送りによる国会審議の混乱で、日米両国が2020年1月1日発効を予定している貿易協定の会期内承認が不確実となり、改憲論議の前提となる国民投票法改正案の会期内成立も困難視される状況だ。
与党内では会期延長論も取り沙汰されているが、大規模な台風災害に対応するための大型補正予算案と20年度予算案の編成作業が急がれることや、首相の外交日程もあって、「大幅延長は困難」(自民国対幹部)なのが実態だ。
ただ、こうした国会混乱の原因が「“官邸人事”の失敗」(自民長老)とされたことで、「1強」と呼ばれてきた首相の求心力にも陰りが生じた。
河井氏が法相を辞任した10月31日夜に開かれた岸田派所属議員のパーティーでは、「出席議員から首相や菅氏を公然と批判する声が相次いだ」(出席者)とされる。
また、公明党の山口那津男代表が2閣僚辞任について「そもそも問題ありそうな人を閣僚に据えた」と、あえて首相に苦言を呈したことに象徴されるように、「安倍1強でたまっていた不満が一気に表に出始めた」(閣僚経験者)のは否定できない。
これまで、党内が動揺するたびに首相サイドが流してきたとされる事態打開のための衆院解散説も、「今回ばかりは誰もまともに取り合わない」(自民若手)のが現状だ。「こんな状況で解散すれば、自民大幅議席減で、首相が自分の首を絞めるだけ」(自民選対)と見切られているからだ。
自民が野党の要求に屈する形で応じた、11月6日と8日の衆参両院予算委での集中審議では、首相が「任命責任」と「国民へのお詫び」を繰り返したが、野党の激しい追及に苛立ってやじも連発し、かえって批判を拡大させた。
このため、自民党内でも「首相の態度が、1強の終わりの始まりを示唆している」(閣僚経験者)との声が広がり始めている。
(時事通信社「地方行政」2019年11月18日号より)
これ「【点描・永田町】揺らぎ始めた「安倍1強」の構図」と題した時事ドットコム2020 01/21の政治ジャーナリスト 泉 宏さんの記事である。
大体今地球温暖化の影響で、世界や日本各地で未曽有うの災害が発生し、環境や社会構造の変化を考えなければいけない時期に、直接国民生活にそんなにリスクが無いと思われる憲法改正に前のめりになっている安倍首相、優先順位を間違えてるとしか思えない。それは何の事ない国民と言うよりも岸元首相に連なる安倍家の問題であるのを国民に押し付けるようなものである。我が国は自国の憲法改正よりもっとやらなければならない重要な課題が山積みしてる事を首相たる者忘れてはならないのである。それを忘れては宰相たる資格は無い!
100歩譲っても嘘つき安倍首相のもとでの憲法改正だけはやってもらいたくない!
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