ようこそ落書きBLOGへ

落書きブログ

チョコレートの歴史

2010-02-12 14:54:53 | Weblog
2月に入ると、何かと話題に上るものの1つにチョコレートがあります。チョコ
レートは、今では気軽に口にできるお菓子ですが、いつごろからこれほど人々
に愛されるようになったのでしょうか?そこで今回は、チョコレートの歴史に
ついてひもといてみます。

チョコレートの原料であるカカオは、紀元前2,000年ごろから古代メキシコを
中心とする中南米で栽培されていたようです。カカオは大変貴重な植物とされ、
マヤ文明が栄えていた7~8世紀ごろの石像にもカカオが彫られているそうです。
当時のチョコレートは食べ物ではなく、カカオをすりつぶして水やとうもろこ
しの粉、香辛料などを混ぜた飲み物だったとか。どろっとした液体で、味は甘
みがなくスパイシーなもので、現在親しまれているチョコレートとはかなり異
なるものだったようです。そして、このチョコレートは王をはじめとする特権
階級だけが飲めるものだったそうですよ。

現在のようなチョコレートは、ヨーロッパで作られました。ヨーロッパ人で初
めてカカオに接したのは、航行中のコロンブスだといわれています。しかし、
ヨーロッパにカカオを持ち帰ったのは、アステカを征服したことで知られるエ
ルナン・コルテスという説が有力です。コルテスは1520年代後半、戦利品とと
もにカカオをスペインに持ち帰りました。

スペインでは当初、チョコレートはただ苦いだけの奇妙な飲み物だと考えられ
ていたのだとか。これを少しでも飲みやすくするために砂糖などが加えられる
ようになり、ここで初めて「甘いチョコレート」が誕生しました。甘くなった
チョコレートはそのおいしさが評判を呼び、王族や貴族の間でチョコレートブー
ムが起こったそうです。スペインは国外持ち出しを禁じるなどしてカカオを独
占しようとしましたが、徐々にヨーロッパ全体の上流階級の間でチョコレート
が広まっていったのです。

ただし、この時代のチョコレートは、まだ脂っこくざらざらした食感のもので
した。これが改善されるのは、1828年にオランダのヴァン・ホーテンがカカオ
に含まれる脂肪分(カカオバター)を取り出す技術を開発したことがきっかけ
になります。この技術によってチョコレートの味が改善され、保存しやすくなっ
たことで価格も比較的安価になり、カカオ産業は大きく発展。ついに1840年代
後半にはイギリスで「食べるチョコレート」が発明され、私たちのよく知る固
形のチョコレートが誕生しました。

日本にチョコレートが伝えられたのは、江戸時代だといわれています。長崎の
遊女がオランダ人から「しょくらあと」(チョコレート)をもらったという記
録も残っています。商品として初めて市場に出たのは1877(明治10)年で、新
聞に「新製猪口齢糖(しんせいちょこれいとう)」という名前で広告も掲載さ
れました。その後、日本でもチョコレートが製造されるようになり、チョコレー
トの消費は拡大。今では世界各国の有名なチョコレートも国内で買えるまでに
なりましたね。

長い時間をかけて研究と改良を重ねてきた先人たちの努力があったからこそ、
私たちがおいしいチョコレートを口にできるというわけです。次にチョコレー
トを食べるとき、そんなことを思い出してみると、より深い味わいを感じられ
るかもしれませんね。