画像診断

CT、MRI、US等による臓器別鑑別診断

肺癌リンパ節転移 lymph node metastasis of lung cancer

2009-09-03 23:20:00 | 
リンパ節転移の診断

・CT
  ・短径1cm以上が一般的基準
    ・偽陰性…腺癌では腫大がなくても転移があることも
    ・偽陽性…扁平上皮癌では、二次的変化による反応性腫大が多い
    ・部位によってサイズの基準を変える方法も
  ・皮膜外浸潤
    ・辺縁不整、不明瞭化

・MRI
  ・サイズによる判定
  ・血管との区別が容易
  ・STIR
    ・非転移では低信号
    ・慢性炎症性疾患によるリンパ節腫大と鑑別できる
  ・dynamic MRI
    ・信号強度の増強は、転移でより強い

・FDG-PET
  ・炎症による反応性変化との鑑別が困難


肺癌のN分類

・N1:直接浸潤を含む同側の肺門・肺内リンパ節
・N2:同側の縦隔リンパ節(気管前、気管分岐部は全て同側とする)、または原発巣の直接縦隔リンパ節浸潤
・N3:対側縦隔、対側肺門部、斜角筋前、鎖骨上窩リンパ節の何れか


胸腔内所属リンパ節

・縦隔リンパ節 #1~9

  ・#1 上縦隔上部リンパ節 superior mediastinal of highest mediastinal LN
    ・上限:肺尖の高さ
    ・下限:左腕頭静脈が気管正中線と交差する高さ
    ・左右の境界:気管正中線
  ・#2 気管傍リンパ節 paratracheal LN
    ・上限:左腕頭静脈が気管正中線と交差する高さより尾側
    ・下限:奇静脈弓
    ・前方:気管前壁線
    ・後方:気管後壁線
  ・#3 気管前リンパ節 pretracheal LN
    ・上限:左腕頭静脈が気管正中線と交差する高さより尾側
    ・下限:右主肺静脈
    ・前方:上大静脈前壁線
    ・後方:気管・主気管支前壁線
    ・左側:大動脈左側線または左鎖骨下動脈・左総頸動脈
    ・左右の別なし
  ・#3a 前縦隔リンパ節 anterior mediastinal LN
    ・上限:左腕頭静脈が気管正中線と交差する高さより尾側
    ・後方:上大静脈-上行大動脈前壁線
    ・左右の境界:前縦隔正中線
  ・#3p 気管後リンパ節 retrotracheal or posterior mediastinal LN
    ・上限:左腕頭静脈が気管正中線と交差する高さより尾側
    ・下限:気管分岐部
    ・前方:気管後壁線
    ・左右の境界:食道正中線
  ・#4 気管気管支リンパ節 tracheobronchial LN
    ・上限:奇静脈弓
    ・前方:気管前壁線
    ・後方:気管後壁線
    ・ただし気管から離れているものは#5
  ・#5 大動脈下(ボタロ)リンパ節 subaortic or Botallo's LN
    ・上限:大動脈弓
    ・下限:左主肺動脈
    ・右側:大動脈左側線
    ・前方:上行大動脈後壁線
  ・#6 大動脈傍リンパ節 paraaortic LN
    ・上限:大動脈弓上縁
    ・下限:上行大動脈起始部
    ・右側:上行大動脈~大動脈弓
    ・前方:上行大動脈前壁線
    ・後方:上行大動脈レベルでは上行大動脈後壁線
  ・#7 気管分岐部リンパ節 subcarinal LN
    ・気管分岐下に接する
    ・上限:気管分岐部
    ・前方:主気管支前壁線
    ・左右の別なし
  ・#8 食道傍リンパ節 paraesophageal LN
    ・上限:気管分岐部
    ・下限:下肺静脈の尾側
    ・食道に接し、気管から離れている
    ・左右の境界:食道正中線
  ・#9 肺靱帯リンパ節 pulmonary ligament LN
    ・上限:下肺静脈

・肺門リンパ節 #10~12

  ・#10 主気管支周囲リンパ節 hilar LN
    ・気管分岐下から離れている
    ・中間気管支幹周囲を含む
    ・左主肺動脈左側に接するものを含む
  ・#11 葉気管支間リンパ節 interlobar LN
  ・#12 葉気管支周囲リンパ節 lobar LN

・肺内リンパ節 #13・14

  ・#13 区域気管支周囲リンパ節 segmental LN
  ・#14 亜区域気管支周囲リンパ節 subsegmental LN