尼崎 兵庫北堀運河
黒いゴミ袋 恭一は入れられた
そのまま捨てられ 水に浮かんだ
恭一 愛されなかった男の子
母親から逃げて 児童施設
恭一はそれでもここまで生きてきた
だけど家に戻され 母さんとその男に
素麺を口に詰められ死んでしまった
ゴルフクラブで叩かれることだってあった
回し蹴りやそれはしつけだったと母さんは言った
お腹をすかせて泣いていた
施設に帰りたい 恭一傷だらけ
不幸な家庭環境 恭一の母親
次は恭一がそれを受け継いだ
カレーの染みがシャツについた
母親は恭一を許さなかった
ガムテープが塞いだのは口だけじゃなかった
布団たたきで叩かれた6歳のいのち
逃げたかった でも逃げ出せなかった
いのちの炎も もうすぐ消える
痛みから解放されたのは
恭一の呼吸が止まったから
恭一は黒いゴミ袋に入れられた
北堀運河に捨てられた
2001年8月の13日
もう20年も過ぎてしまった
黒いゴミ袋も半透明の袋に変わった
恭一のその瞳 誰も思い出せない
きっと今頃恭一は優しい女の人の
お腹に宿り生まれ変わったでしょう
今度こそ 優しい腕に抱かれて
幸せになっているよと俺は信じてる
でも北堀運河で男の子の幽霊を見ても
怖がらず優しく見守ってほしい
もう大丈夫 何も怖くはないさ
恭一 今度こそ 幸せになれ
むかし 恭一という男の子がいました
むかし 恭一という男の子がいました
北堀運河で捨てられた
北堀運河で捨てられた
https://anchor.fm/masaakimorita/episodes/for-kyoichi-e10u9h1