日ロ首脳会談は、日本側が北方領土返還を結果的に放棄した形で終わった。日本側が得たものは、１）元島民の自由な往来が可能になるかもしれない、２）北方四島において日本側が経済協力を行う（新たな法律はロシア側の言う通りになるとの見方）、というものだった。領土に関しては、現状維持（四島はロシア側のもの）だった。
領土を放棄するのと引き換えにこの２つとは、完全に日本の負けであった。ロシアの各新聞には、ロシア側の大勝利という見出しがおどっているという。これなら、評論家が言っていた通り、うやむや状態をたもちつつ数百年後にでも解決できれば良いと思った。急いであまりよくない結論を出す必要はなかった。
