マニアの本棚

コミック好きの、こだわりの作品などのエッセイ

奇跡の復刊「オバケのQ太郎」

2009-08-12 14:29:31 | Weblog
数年前、藤子不二夫A氏の全集が出たとき、F氏の全集は不可能ではないかと言われていた。
たとえば、「オバケのQ太郎」は、当時トキワ荘の仲間が、一部の作画に関わっている回があったり、「ジャングル黒べえ」は、かつての童話「ちびくろサンボ」と同じ理由で出版できなかったり、いろんな諸事情が、からんでいたからだ。
しかし、2011年に、川崎に記念館が設立される関係か、小学館より藤子・F・不二夫全集が刊行された。
第一期の創刊の1冊には「オバケのQ太郎」が発表順に掲載されている。
これが、思いの外、出来が良いのである。
2年ほど前、コロコロコミックの「熱血!!コロコロ伝説」で、てんとうむしコミック版の「オバケのQ太郎」が付録で付いたときは、絶版中の「オバケのQ太郎」が、こんな風に、小出しで発行されていくのだろうかと、危惧したものだった。
とにかく、当時この付録以外で「オバケのQ太郎」が読めるのは、「昭和漫画風雲録 火の巻 幻想漫画・ギャグ漫画編」くらいだったのだ。
藤子・F 全集版の「オバケのQ太郎」では、スタジオゼロで作成された、トキワ荘メンバーによる作品まで掲載されている。(誰がどこを担当しているか、見ても、私には判らないのだが)
ほぼ、カンペキな全集になりそうである。
「ほぼ」というのは、ひとつだけ不満な点がある。それは、白紙のページがあるのだ。編集の都合なのだろうが、勿体ない。
たとえば、コラムとか、年表とか、一コマの絵とかでも入れておいて欲しい。
というわけで、この全集は、ほぼ、完璧なのである。

さらに、講談社からは、あの手塚治虫全集が、文庫で再編集されて出るらしいという情報が。
かつて、B6版で出ていた手塚全集に入らなかった作品も網羅されるみたいで、こちらも楽しみである。こちらには、ぜひとも扉絵まで、きちんと掲載していただきたいと願う次第である。
B6版では、長編はともかく、短編の殆どが、タイトルだけ活字かロゴで記された味気ないものだった。全集と銘打つなら、扉絵も作品の一部と考えていただきたいのだが、ムリなのかなぁ?F氏の全集には扉絵も掲載されているのに、この違いは編集者なのか、プロダクションなのか。

小学館の藤子・F・不二夫全集ページ。

講談社の手塚文庫全集告知ページ。