puripochi

2006年札幌市で実際に起こったフレンチブルドッグの百代連れ去り事件です。
飼い主の皆さん、ぜひ一度読んでください…

本当のお別れの日

2006年09月03日 | お知らせ
なんとか百代の葬儀が終わりました。

感情を吐き出せばきりがないのでやめておきます。
葬儀に参列してくださった方、お花を贈ってくださった方、
感謝しています。

管理が難しくなったため、HPはいったん閉鎖としましたが
こちらは残しておきますね。
たくさんのメール、コメントいただいています。
ありがとうございます。


時間が足りなく、まだ全てに目を通せていません…
お返事もできない無礼を今はお許しください。
もう少し落ち着き次第、心して読ませていただきます。


正直、心も頭も体も正常に動かなくなっています。
またおかしな文になっていくと思いますが
今日はどうしても書かなければいけないことがあります。
Aちゃんからの伝言です。

Aちゃんが一番に伝えたい事は、犯人のことではありません。
犯人のことや刑罰のことは何も考えられないのです。
Aちゃんが伝えたい事は、

「お願いだから気をつけて!皆さんの身近にも危険があります!
愛犬を守って!私と百代のような思いは絶対にしないで!!!」


ただただそれだけなのです。


各メディアからの取材依頼、ありがたく思います。
ですが報道の仕方によってはAちゃんの思いが正確に
伝わらないかもしれませんので、お断りすることもあるかもしれません。
慎重に話を進めていますので
どうかご了承ください。

もちろんAちゃんも私も犯人を許せない。
だけどAちゃんは犯人の子供たちの心配ばかりしています。
本当に優しい女性なんです。
今はどうか見守ってください。



こんな結末になってしまったけれど百代は家に帰る事ができたのです。



ご協力ありがとうございました。


百代連れ去り事件真相

2006年09月01日 | お知らせ
今日は私の心情はできるだけ省き、心配してくださった皆さんに
真実をお知らせします。

あまりにもむごい結末ですが現実に起こったことです。

30日夜、南6条付近のスーパーやコンビニにビラを貼りに行く。

31日午前11時過ぎ、Aちゃんの携帯に情報が。

「28日の夜8時過ぎ、石山通のラルズ、アルペン付近を歩いていたところ
車にひかれたフレンチブルを見ました。
スパイクのついた赤い首輪をしていた。目玉が飛び出していた。
轢いた人間が犬を車にのせていた」と。

電話の相手は女。後ろでは子供の声が聞こえたそうです。
「どんなふうに捜してるの?」と聞かれ、
「ビラ貼りや友人たちがネットを使って捜してくれてます」
というやり取りがあったそうです。

その1時間後、このブログに皆さんご存知のコメントが入る。
すぐに各清掃局、環境工業に連絡。該当ナシ。

数分後、
Aちゃんからの電話。
「MOBBYに情報が入った!!3日前から
南6条に百代らしき犬と子供を連れている女がいる!」
「やっぱり生きてる!!!」

すぐにMOBBYへ向かうと情報をくれた方も来てくれていました。
なんと犯人と同じマンションに住んでおり、
以前から白い大きなわんこ、ダックスを連れ歩いていたので
覚えていた。
今度はフレブル飼ってるの…??と思い印象に残ったそうです。
別の住民がその女に声をかけているのを聞いた内容では

  住民「わんちゃんかわいいねぇ~」
   女「3日前に実家から連れてきたんです」
  住民「今 何歳?」
   女「一歳半くらい…

さらに女は百代に対し「こうめ~行くよ!」と声をかけたそうです。


話を聞きAちゃん、Aちゃんのお兄さん、私はマンション前へ。
必ず散歩に出るはず。出てきたときに取り押さえようと
車の中でしばらく待機することにしました。



情報をくださった女性、MOBBYオーナーのMさんもかけつけてくれたところ
管理人さんご夫妻を見つけ事情を話す。
この管理人さん、実は先月で交代となった前管理人さんなのですが
今もこのマンションに住み、
住民にとても詳しいとのこと。

女の特徴を話すとすぐに
「○○○号室の人だね!大丈夫だよ。普通の人だし
かけあってみてあげる」と言ってくれ、マンションの6階にあがる。

あまり大勢で行かないほうが良いかも…?と思い、
玄関口には管理人さん、ドアの外で私たちは聞き耳をたてました。



最初は冷静に、管理人さんが「わんちゃん見せてくれる?」と
話を進めますがのらりくらりと
話をかわす女。


管理人さんが
「だってチャイムならしたときに犬の声が聞こえたでしょう!!!」と
声を荒げたところで女の声もはっきりと聞こえた。

Aちゃんが、「電話の声と似ている!」と…
たまらず玄関を覗き込む。
散乱した物。子供を抱いた不健康そうな女。
そしてものすごいペット臭。
一匹や二匹のニオイじゃない。。

猫を抱いて見せ、
「だって知らないもん」
「うちには猫しかいない」
「部屋が散らかってるから」
「人が来てるから」
「子供がいるから」
「その犬探してるの知ってるよ?
だってビラみたもん。わたし電話したもん」

その間女は「ちょっと待って」と数十秒から一分くらい
居間に戻ったりもした。
私は押入れやお風呂に百代や見られたくないモノを
かくしているのだと思った。

見せる、見せないの押し問答が続く。
このままじゃダメだ。締め出され鍵でもされたら終わりだ。と思い
その場を少し離れたエレベーターホールで
110番した。
対応が遅い。
「盗まれたものは犬ですか?じゃあ南署へ」と
電話をかけなおしているところ
時間のない管理人さんご夫妻とMさんがエレベーターに
のって降りていくのを見た。

Mさんはご夫妻を下まで見送りに行ったんだと
思ったが、後に聞くとイヤな予感がしたらしい。
すぐに6階にMさんから電話。




「下!ベランダの下!!!下にいる!!!」

「こいつ~窓から捨てやがった~~~!」との声が6階に響いたと同時に
お兄さんが女を押しのけ室内に入った。
女は失禁する。
ベランダから見下ろすと、百代が倒れていた。


それからの記憶は飛び飛びかもしれない。
発狂しながらも百代の側に行こうとするAちゃんを
引き止めた私は間違っていたかもしれない。

お兄さんが百代を抱きかかえて連れてきてくれた。
私とお兄さんはすぐに石山通り動物病院へ向かう。
外傷はない。糞尿が少し出てしまっていたけど
元気なときの百代と変わりなく見える。
本当に近くのはずの病院が、果てしなく遠く感じた。
「ももよごめんね…ごめんね」って言うしかなかった。

病院の受付には百代のビラが貼られていた。

「この子です!6階から投げられた!すぐに診て!!」と
叫んだ。

待合室で数分待ち、中に入ったところ百代は心臓マッサージの
最中。
「これから電気ショックをかけます」
3回やった。百代の体がビクン!と跳ね上がる。
残酷すぎる…どうして…どうしてなの??
はやくこの夢から醒めたいと思った。

お兄さんが「もう一回やってください」と。
4度目のショックで反応があった。
ももよ!ももよ!って呼んだ。

先生から説明があった。
「これは機械が電気に反応してるんだよ。
体は反応してないんだ。」
「外傷もなくケガなどしてないように見えるけど
胸がめちゃめちゃに張り裂けてるんだ。」
百代の口から出ているチューブから血が漏れ始めた。
「これ以上マッサージをするともっと血があふれ出てきちゃう。
かわいそうだね。」

お兄さんが「そんなに…重傷だったんですか」と聞いたら
「重傷も重傷。きっと…即死だったね」と。

先生はとてもよくしてくれた。
「先生は百代ちゃん知ってるし、
生まれつき健康だったこともわかってるから。
レントゲンも撮ったし、必要だったらいつでも
証言できるからね」
と言ってくださった。



現場に戻ると警察が来ていた。
意識が戻らなかった百代を見てAちゃんは
立っていられなかった。
きっと入院させてくることを願っていたと思う。
現場は騒然としていた。

管理人室に警官と犯人の女が入っていた。
あいかわらずふてぶてしい態度。殺意がこみあげた。


自分がビラなんか貼らなければ…自分がもっとはやく踏み込んでいれば…
自分がこのマンションにいるって言わなければ…
自分が…買い物に行かなければ。
その場にいた全員が自責の念で押しつぶされそうになった。

犯人は39歳の女。二人の子供がいる。
18時頃。子供たちと一緒に連行された。
Aちゃんとお兄さんも警察署へ行った。


夜、Aちゃんが帰ったときにビラを見るのがツライだろうと
はがして歩いた。
「見つかったの~よかったねぇ」と声をかけてくれる人に
事情を話した。
ペットショップのお姉さんも、たこ焼きやのおばさんも
カレー屋の人も、みんな泣いた。


21時過ぎ。Aちゃんから事情聴取が終わったと
連絡が入り現場に戻ると…
犯人の部屋の電気がついていた。人の手も見えた。
署に問い合わせたら「今日のところは帰した」と。
「でもこのまま捜査を打ち切ることはしない」と。


以上が、昨日起きた事件の全貌。
私の記憶が間違っているかもしれないけど…



犯人に重い処罰を与えるには法の力だけでは難しいらしい。
でもマスコミが動けば警察も動かざるを得ないらしい。
幸い、協力してくれた皆さんの中には
警察に話を通してくれるという方、芸能関係者の方がいる。

深夜、Aちゃんと話しをした。

Aちゃんの気持ちはどうかな…?と。
いつまでも大騒ぎして、つらい気持ちをいつまでもいつまでも、
あれこれ話さなければいけないよ?
また、心ないことをする人もいるかもしれないよ?と。


Aちゃんはそれでもいい。
どの道ツライなら、百代のこと、たくさんの人に知って欲しい。
このまま風化されては百代だって
浮かばれないのではないか?とはっきりと
言ってくれました。



私はこんな記事を書くのが本当にイヤだった。
早朝から悩んで悩んで、書いた。

本当は「百代が元気に帰ってきました!
みんなありがとう♪」って書ける日を待ってた。
明日こそ、明日こそと…

結局何もできなかった。
ドア一枚隔てた向こうにいたのに。生きてたのに。
普段は滅多に吠えない百代が、わん!わん!って教えてくれたのに。
可愛い百代。ごめんなさい。


百代の葬儀は明日に決まりました。