三人寄れば文殊の知恵

組織学習に関する内容を中心に書いています。

美食デザイン

2009年06月09日 | クラッシック鑑賞
■鮪とCavaと餃子と共に



学習する組織研究会のメンバーで某社代表を務める方から、国際プロジェクトプログラムマネジメント学会の講演にお誘いを受ける。「インド鮪二尾買い付けたので懇親会でご提供しますよ」と言われたからでは決してない。寿司屋に持ち込んで握って貰い、懇親会までに会場へ運ばれるそうである。僕は中トロが大好物。でも天然物なら赤身か。じゅるり。

ゲストは国連大学の宮尾尊弘教授で、デザインを単に意匠という意味でしか使っていないことは残念である、という事を仰っていた。デザインとイノベーションシステムという論点では、「イノベーションはデザインによって引き起こされる。しかし、イノベーションを『技術革新』と訳してしまうようでは覚束ない」と言いながら、ボストン、ミラノの事例が紹介される。産学クラスターにIDEOなどのデザイン事務所が入り、重要な役割を担っているというのだ。

「ひょっとして、M&Aなどを会計事務所や経営コンサルじゃなくってデザイン事務所が主導するようになると面白そうですね」と質問の最後に付け加えると「ええ。一橋大の竹内弘高教授は新入生への講演で『マネジメントを学ぶのならビジネススクールに行くのではなくデザイン学校へ行きなさい』と訓辞したそうです」と、お答えいただく。

この資料の中に多摩大学院の紺野登教授の「知識デザイン企業」が紹介されており、翌朝クッキーさんと対話するウチに「紺野さんは僕と一緒だった博報堂時代にこの考え方を野中郁次郎教授と三人で一緒に打ち出したんです」と、平成元年の発表資料から過去の紺野氏の本、そして新刊の「知識デザイン企業」まで目の前に並べてくれる。何という偶然。そして何と恵まれた僕の環境。

清水博東大名誉教授の「場の思想」と併(再)読したのだが、実に香ばしい。

スペイン大使館主催のデザインセミナーがパークハイアットで行われ、応募するとnaomixさんも参加している。IDEO出身のモトローラ社デザイナー、イグナシオ・ヘルマンデのプレゼン資料に「Technology loves poetry」とあり、「矛盾の克服(共存)」がデザインの力であり「感情に沿った技術の必要性」を訴えるスピーチであった。惜しむらくは、パネラーがスペイン国外で活躍しているデザイナーだったので、期待した土臭さが薄かったところである。しかしこのセミナー、昼に行われたのだがレセプション付きで、軽食に加えてCavaもVinoも振る舞われる。わーい。赤はRioha産じゃん。流石スペイン大使館。

明るいウチから微酔いで、外の冷気にあたりデザインの蘊蓄を並べながら、morimoriwrappinさんに電話して、初台の蘭蘭酒家で皇帝餃子のランチを御一緒する。昼は出さないのだが、ある呪文を唱えると普通の定食の振りをしてこっそり出してくれる。これは僕の知っている焼餃子の国内最高峰である。餡から溢れる肉汁の旨さは新亞飯店の小龍包と並ぶ。しかも焼固められた分だけスープは濃厚である。きっと小アミの塩辛が入っているのではないか?と推測するのだが、うーん、アツアツの肉汁にラー油と酢醤油がセクシーに絡み、飯の甘味と一緒になって脳髄を溶かす。ふー。


ここのところ、デザインについての新しい知見を随分と仕入れたが、どういうワケか、全てに美食がついて回る。コレでは僕のメタボ気味体型のリデザインは遠退くばかりである。

最新の画像もっと見る