圧力で対話はできない。目の前の相手の首を絞めながら「さあ話し合いしよう」と言ってもそれは不可能。拉致被害者家族会の増本事務局長は「国際社会が拉致問題をもっと強く言ってくれたら、拉致問題の解決になる」とおっしゃる。もっと強く言うとは制裁を強化することで、朝鮮という国が、金正恩第一書記が「まいった。何でも言う事を聞く」と折れてくるなどと本気で思っているのだろうか。めでたい人と言う他はない。拉致問題解決が国交交渉の前提条件だとも。そんなことを言っていては一歩も交渉が進まない。物事は相手の身になればよく見える。自分の立場に固執すれば、出口が見えない事になる。日本が最大100人の拉致被害者を言うなら朝鮮は大日本帝国が犯した侵略戦争と植民地支配で犠牲になった無数の人々の補償を求めるではないか。わずか69年前までの、日本の首相も天皇も認めている実在の出来事だ。関東大震災の時だけでも数千人の朝鮮人が東京・神奈川などで虐殺されている。これも多くの証言に基づく事実だ。虚心坦懐に交渉を続けてその中で出口を見つけるしかない。その点ではむしろ現在の安倍政権・外務省の努力は評価したい。





