セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

議論~2007年の各ハードを振り返ってみる

2008年01月19日 01時53分45秒 | 【旧】コンテンツ集
◆2007年ハード別の国内販売台数と月別販売推移◆
(集計期間:2007年1月1日~12月30日)
(以下のデータは、1月18日発刊の週刊ファミ通2月1日増刊号に
 掲載されたものを元にしています)



●ニンテンドーDS●
2007年販売台数7,143,702台
累計販売台数21,105,742台
最も売れた月12月約105万台
2番目に売れた月1月約75万台
一番売れなかった月 10月約30万台


昨年も神が乗りかかったかのように売れたDS。累計販売台数では、ほんの若干ですが、あのPS2をもついに上回りました。
脳トレくらいのレベルの起爆剤がない限りは恐らく年々売上は落としていくとは思いますが、そのスピードはゆるやかだと思いますので、これからも着々と売上は伸ばしていくことでしょう。

しかし、昨年はあらゆるミリオンタイトルを生み出してはいるものの「これ!」といえる強烈な存在はなく、今年の『ドラゴンクエストIX』あたりに期待がかかりそうです。それこそ、またうまく推移が伸ばせれば今年中に3000万台売上達成も、不可能ではないとは思いますが…さすがにきついか。



●Wii●
2007年販売台数3,629,361台
累計販売台数4,618,479台
最も売れた月12月約80万台
2番目に売れた月1月約40万台
一番売れなかった月 10月約10万台


前世代機となるゲームキューブの累計販売台数をすでに上回り(ということが、いつぞやのファミ通に載っていたような…)、DSに続いて革命を起こしつつあるWiiですが、一方でDS以上に特色ある存在、そして方向性と購入層に対して懸念を見せるユーザーが多くなってきている事実もあります。おそらくWiiがホコリを被っているという人もわりといたりするハズです。

昨年末の『Wii Fit』の売上はすでに110万本に達し、そういった層へのプレイ意欲は再び取り戻せたと思います。そして次はゲーマーを目覚めさせなければいけません。その勝負どころが、最大の期待作とされている『大乱闘!スマッシュブラザーズX』です。

ユーザーに伝えたい『面白さ』とメーカーの都合である『効率』がどうしても渦巻くゲーム制作において、これほど「ゲームとして詰め込めるだけ詰め込んだ」タイトルはそうそうないと思います。
…ただ、初回生産本数がそんなに多くないっぽいという情報が届いており、満足な供給がなされるのは恐らく3月ぐらい…結局は年末度商戦が狙い目になるのではないかと考えています。発売日に買う気満々の人は、予約しておくことをオススメします。今から間に合うかどうかは分かりませんが…。

今年はWiiにとってどんな年になることでしょう?スマブラ以後、テンションが下がっているということのないようにお願いしたいところです。



●プレイステーション・ポータブル●
2007年販売台数3,022,659台
累計販売台数7,535,313台
最も売れた月12月約65万台
2番目に売れた月9月約55万台
一番売れなかった月 8月約10万台


新型PSPの効果は絶大のようで、発売された9月、そしてプレゼントやお年玉などの「媒体」によって年末年始もけっこうな数字を伸ばしています。
iNSIDE」様のこの記事によると、1月7日~13日のハード売上が、DSが97,369台に対してPSPが96,159台と、かなり健闘しています。そして3月の『モンスターハンターポータブル 2nd G』にまでつながれば、PSPは充分な成功を収められることでしょう。

ただしモンハン以降、これといったタイトルがないという事実もあり、この波がいつまで続くかは分からないですね。もっと、モンハンくらいのレベルのタイトルが現れたらいいんですが、なかなか難しいですよな…。



●プレイステーション3●
2007年販売台数1,206,347台
累計販売台数1,673,063台
最も売れた月12月約25万台
2番目に売れた月11月約20万台
一番売れなかった月 6月約3万台


年間売り上げで100万台は突破していますし、11月に発売した新型PS3で本体の売上は伸ばせています。ソフト郡も、わりと売れているソフトもあったりしますが…それでもまだまだ。「高い」という印象は完璧にはぬぐえていませんし、ウリとなる部分は、どうしてもまず理解するところから始めなければいけないものが多く、大きな魅力には繋がりにくくなっています。
PS3の今年の勝負どころとしては…やはり『メタルギアソリッド4』でしょうか?このソフトによる牽引がどれほどのものかによって、PS3の「ゲーム機としての」未来がもっとはっきり見えてくるかもしれません。



●プレイステーション2●
2007年販売台数816,419台
累計販売台数21,067,138台
最も売れた月1月約11万台
2番目に売れた月12月約10万台
一番売れなかった月 10月約3万台


何だかんだいいながらも見えないところで1年中、少なくはあるものの安定した売上を見せていました。PS2はハード売上がガツンと伸びることはもうないとは思いますが、発売するタイトルにはまだまだ期待できるものが多いとは思います。
それだけに、PS2互換ありのPS3生産を「終了」もとい「完了」させたことがどういう影響を及ぼすかは気になるところです。



●Xbox360●
2007年販売台数257,841台
累計販売台数548,308台
最も売れた月1月約4万台
2番目に売れた月12月約4万台
一番売れなかった月 5月約1万台


哀しいかな、相変わらず日本では売れる気配のないハードです。まあ、何回も言ってますが米国では売れているので、日本市場で売れないことがさほど大きなことでもないかのかもしれませんが…。
しかし、良質なソフトが揃ってきているのは確かなようです。PS3とのマルチタイトルになっているソフトも多いです。

日本市場だけ見れば「マルチにする意味が分からない」なんて思っている人もいるかもしれませんが、そう一概には言えません。
最近ゲームを考える時って、基本ローカライズ(海外版)も考えるのが当たり前になってきているようなので、それを考えればむしろXbox360で出したほうがいいんじゃない?なんて考えにもなってしまうわけです。


いい参考として、ここに「iNSIDE」様のこの記事で掲載された、2007年12月および2007年累計の米国市場におけるハード販売台数のデータがあります。

(以下、iNSIDE様のデータをもとに作成)



◆2007年ハード別の米国の12月販売台数と年間販売台数◆
(具体的な集計期間は不明)

ハード名12月販売台数年間販売台数日本+米国の
年間販売台数
ニンテンドーDS  247万台850万台1564万台
Wii135万台629万台991万台
Xbox360126万台462万台487万台
PS2110万台397万台478万台
PSP106万台382万台684万台
PS379万7600台256万台376万台




iNSIDE様のデータにプラスで、日本と米国を足した数字も出してみました。なぜかというと、我々クリエーターにとって重要な1つに「ゲームは世界で発売している」ということがあります。だから大抵のケースでは、日本ばかり見据えていては話にならないというのが事実だったりします。
もちろんここに欧州なども加わってくるわけですが…どうでしょう?こう見てみると、Xbox360とPS3、どっちで発売しようか迷っちゃうでしょ?そういうもんなんです。

また、市場規模が全く違う日本と米国で、売上に大した差が出ていないDSも注目どころ。これも、日本でDSが盛んになっていることの裏づけと言えるでしょう。「だって、DSくらいしか売れそうなところがないんだもん」という聞こえない本音が、あちらこちらに飛び交っているというわけです。



さらに、もう1つ。ファミ通データでこういうのも出ていました。



◆2006~2007年ハード別の米国の国内ソフト販売割合◆

ハード名2007年ソフト販売割合2006年ソフト販売割合
ニンテンドーDS  51.7%50.3%
PSP8.9%8.6%
PS217.5%31.6%
Wii15.4%2.5%
PS33.9%0.6%
Xbox3601.8%1.2%
その他のハード0.8%5.2%


(「その他のハード」の2006年ソフト販売割合には、ゲームボーイアドバンスとゲームキューブが含まれています)



面白い変化としては、WiiがPS2のシュアの約半分を奪っているかのようになっている点ですね。ここに、Wiiの支持の強さが見受けられます。
とはいえ、PS2はともかくとしても、Wiiはそれこそ4桁の売上で終わっているソフトも少なくありません。そういう点が今後非常に怖い意味で影響を及ぼしてこないかが気になるところです。『Wiiウェア』が始まっても、その点で安心できるわけではありませんしね。



以上。ザッと見てきましたが、やはり任天堂が強い。そしてソニーもPSPが充分な結果を見せ始めています。だからこそ、益々PS3を何とかしなくちゃいけないわけですが。

日本ゲーム市場は今、携帯機が主流として定着しているという、数年前までは考えられなかった状況になっています。それだけ、あらゆる事情が絡み合い、そして行き着いた先だったということだと思いますが、果たして今年もこの状況は変わらないんでしょうか?…まあ、たぶん変わらないでしょうね。一般的な日本ユーザーが面白いとか面白くない以前に「利便性」を求める限り、大きな変化はないと考えています。

もちろん、それを覆してこそ市場は活性化するというものですが。
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2 コメント

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PSPは (ハリコン)
2008-01-19 19:13:11
個人的にはスターオーシャンセカンドストーリーに期待しています。

PS1で楽しませてもらったタイトルですからね。



でもその前にスパロボSC2クリアして次にロストオデッセイ始めて…いつになるやら。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2008-01-19 19:29:28
>ハリコンさん
DSでもそうですが、PSPでもリメイクものが力を発揮し始めていますよね。これが一概にいいことと言えるのかどうかは難しいですが、スターオーシャンは初リメイクですからね。いいことだと思います。

まあ、そんな私もスパロボGO外伝とDSで3本ほど併用プレイ中です。
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