理科(自然科学)教育の実践の部屋

gooのHPのpaiwa314と連携して、教育実践を中心に発言します。HPが消失したので、これからは、書籍メモも

理科教育と実験

2004-12-18 09:48:10 | 理科
先日、子どもの化学のテストのお付き合いをした。
高校ともなれば、自分がすぐ使える内容とは限らない。

内容は熱化学で、熱化学方程式やポテンシャル図だが、
教えていてともかく物質の体験が少ないことだ。
具体例を挙げて、発熱や吸熱を確認しようとしてもなかなか要領をえない。

水素の酸化で発熱。「水素と酸素を混ぜて点火すると爆発するよね」「うーん」
逆に、水を電気分解すれば水素と酸素に分かれる。これは、電気エネルギーを加えてやっと
水素と酸素に分解するのだから吸熱。こちらはさすが実験をしていたようだが、エネルギーの
説明が分からない様子。

炭素や水素の化合物(つまり有機化合物のこと)を酸化すると、二酸化炭素と水ができる。
燃えたら何ができるか。実物が思い浮かばないだけでなく、炭素と酸素、水素と酸素で化合したらという
思考法がなかなかできない。

こうしてみると、ほとんど中学校の理科の内容だ。
中学校でどういう成績を取ったというだけでなく、高校や社会人になったとき、どれだけ生きて働く知識となって身についているかが大事だと思い至った次第。

前者は、水素と酸素の爆発実験の経験があるかどうか、せめて水素の確認の点火の時、大きな音がするときとしないとき見えない気体がどう混ざり合っているか思考しようととする教育がされているか。
昨日、中学1年で酸とアルカリの授業で酸性の確認で水素を発生をしたが、
マグネシウムを塩酸に入れたとき「あっ、熱くなっている」と言った生徒がいる。
パーンという爆発音だけに目が行き(耳というか思考がというか)他まで見落とす生徒が多いがやはり試験管の周りに水滴がつくことはみのがさないでほしい。水素が燃えた結果水ができたのだから。

自分の授業の自戒とともに、目の前だけで教育を判断するのではなくこうした場面で役に立っていると信じたい。(ところが、今年はいつも行うこの実験も行っていない)

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1 コメント

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10年後の生徒たち (paiwa314)
2005-01-08 02:13:47
昨日、10年前に中学2年の担任クラスの同窓会を持った。上の記事にまさに当てはまる。

「逆立ちしてストローでジュースを飲んだ」実験で理科が好きになり、食品検査を今行っているとのこと。コンピュータ関係の仕事をしている元科学部の部長あり、ホバークラフトを消火器で動かそうとしたけど無理だよねとの言葉あり。大学院で応用物理をしている彼は、自分が塩酸をなめさせるはずがアンモニアをなめたと今も研究室のアンモニアを見るたびに思い出すとのこと。「何かの心臓を解剖して持たせてくれたね。」と言う者あり、失敗も含めてお世辞にも「理科大好き!」なんて三唱してくれるなんて・・・・。学年集会での自分の演説を覚えてくれていた者もいて逆に感動する。さて、今もまだあの頃の熱い心で授業をしているか?反省しきり。
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