おやじバーテンダーの徒然日記

40代バツイチのバーテンダーが思うこと。
お酒の話 etc

白老 (澤田酒造)

2005年02月27日 | 日本酒
昨日、愛知県常滑市にある、澤田酒造の蔵開きにお邪魔した。

澤田酒造は1848年創業の、歴史ある造り酒屋だ。
毎年この時期の土日の2日間、蔵を一般に開放し、自由に見学させて頂けるのだ。
まぁ、私のお目当ては、ここの全商品が試飲できる試飲コーナーなのだが(^^)

「夏子の酒」という漫画をご存知か?
澤田酒造は、その漫画の舞台となる佐伯酒造のイメージそのままなのだ。
さすがに、酒を絞るのに「舟」は使っていないのだが、木の甑(こしき)での蒸米、麹蓋(こうじぶた)での麹造りり、暖気樽(だんきだる)を使っての酒母(もと)造りと、そのほとんどが、昔ながらの手作業なのである。
工業化されていない、木造の古い「蔵」は、見る者全てに「懐かしさ」を感じさせるに違いない。

仕込み水は、蔵から2km離れた丘陵地の湧き水で、江戸時代に造られた自家水道(竹と桧の樋)を使い、取り入れている。
「蔵開き」には、この水も自由に飲むことが出来る。
軟らかな、クセのない美味しい水だ。

澤田酒造の清酒の名称を「白老」という。
「白老」は今風の軽いタイプの酒ではなく、伝統的な分厚い味わいの酒である。
丹精込めて造られたこの酒は、食中酒としてその真価を発揮する。
酒が肴を美味しくさせ、肴が酒を美味しくする、そんなタイプの酒だ。

実は以前、澤田社長にお会いした時に、ローテクならではのご苦労を聞かせて頂いたことがある。
8年程前、甑(こしき)を新調しなければならなくなったとき、大きな問題があった。
それは、甑を作った経験のある桶職人が、(日本全体でも)もうほとんどいなかった事だそうだ。
結局、暖気樽職人、石川喜一さん(1907年生)に依頼することになったのだが、新調すれば60年は使う甑である、材料の杉選びから大変だったと聞いた。
樹齢110年の杉原木を、木目を見ながら慎重に製材するところからの作業になったと仰っていた。
50年後、甑を造れる桶職人は居るのだろうか?

何はともあれ、試飲コーナーで「3日前に上槽した」という「純米吟醸生酒」を頂いた。
2年後、この酒が「白老」の主力商品「豊穣」「瑤春」となる重要な酒だ。
ー よかった! 今年も美味しいお酒だ。

澤田酒造の皆さん、今年も美味しいお酒ありがとうございます。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
歯苦労 (アロハなK)
2005-02-27 23:53:50
ああ、白老。

ずっと飲んでないな。

横浜では「YOU」と言うお店で飲めます。

てか、持って行った。
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Re:アロハなKさん (おやじバーテンダー )
2005-02-28 13:18:38
美味しいお酒は、自慢のように人に教えたくなりますよね(^^)

私もです。

「白老」を横浜の皆さんに紹介してあげてください。
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白老 (komet)
2005-03-04 01:57:07
昨年の白老はできが良かったらしく、マスターのお店では「白老」を注文すると「それは、オレの酒じゃぁ」と言わんばかりにジロリと睨まむ常連さんが約1名。

澤田酒造でも名前をだせばすぐわかる方です。

今年はどうなんでしょうね。またレポートお待ちしています。
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Unknown (komet)
2005-03-04 08:05:47
あら!、失礼。

「今年もおいしい酒だぁ」とコメントありましたね。
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慌てて書き込まなくてもいいですよ(,, ) (おやじバーテンダー )
2005-03-04 12:13:05
SZさんの持ち込みの「白老」は一昨年の「豊穣」です。

彼の大事なコレクションですが、キープボトルではないので、どんどん飲んでください。
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