職業病

この仕事をやっていると、素直に物事を見る事が出来ない場面が多々ある。
先日、調査員と食事をしていた。隣に座っていたのは40代のカップル。夫婦なのか違うのか？職業は？年収は？調査員と色々な考えを張り巡らす。時間は平日の１３時頃。

調査員：中学の同級生。男は公務員。子供２人。
　　　　女はバツ１。子供１人。介護の仕事をしている。
　　　　同級会で再会し、交際約１年。

俺　　：会社の社長と事務員。現在、社長の奥さんに浮気が発覚しまずい状況。事務員の退職の
　　　　件で話をしている。

どっちにしても不倫の仲なのか…。
しかもこの場面ならあそこから映像を撮る、そんな話までしている俺たち。情けない…。
調査員は現在２４歳。こいつもまだ若いのに…。

修羅場

出張だと依頼者に告げ、泊まりで出かけた対象者がいる。今日は調査結果を報告に、依頼者宅へ。
依頼者は４１歳の奥さん。対象者は旦那で４３歳。結果は…まっ黒でした。女と接触し、伊豆に１泊旅行に。だいたいの調査結果は報告済みだ。報告書とビデオテープを持ち依頼者宅へ入ると。
何とそこには対象者が座っている。俺「あれ？」依頼者「いいの。気にしないで。出張だって言い張るから同席させるの。」こんな状況で報告したくない。勘弁してくれ！と思うがソファーに座らされる。対象者の視線が痛い。嫌だ、帰りたい！依頼者「これが報告書ね。そしてこれがビデオテープ。調査ありがと。」そして依頼者はビデオテープを再生し、同時に報告書を大声で読み上げる…。
そこには女と手をつなぎ、腕を組み、そして満面の笑みで歩く対象者の姿が。対象者の顔が見る見る青ざめて行く。一方、依頼者は真っ赤な顔に変わって行く。突然、対象者が正座をする。
対象者「すまん！勘弁してくれ！」頭を床にぶつけながら…。しかし依頼者は報告書を読み続ける。ビデオの再生も止めない。対象者「勘弁してくれ～！」悲痛の叫びを上げる。その時、正座をしている対象者に、依頼者のサッカーボールキックが！ここはプラ○ドのリングなのか？さすがに止めに入る俺。依頼者「もう２度とするんじゃないわよ！女とも会わせてもらうから！」対象者「もう絶対にしないから！許してくれ！」こんなやり取りが１時間近く続いた…。
疲れた。本当に疲れた。やっと帰れる。最後は依頼者と対象者に見送ってもらう。依頼者と対象者「ありがとうございました。」浮気調査で対象者にお礼を言われたのは始めてだ。複雑な気分。
俺（依頼者に）「あんなに反省してますから許してあげて下さい。」
最後に対象者に声を掛けた。俺「がんばって下さい。応援してます！」堅い握手を交わし、車に乗り込んだ。