俺、隠岐に立つ

2010年横浜から隠岐・海士町へ。
自然に囲まれ季節の移ろいを感じながら大好きな魚のことを考えて暮らす幸せな毎日を綴る

しげや(岡山県真庭市美甘)

2018-11-08 21:27:41 | 旨い店

缶詰づくり番外編。

歴史を感じさせる美甘の街並み。

かつて出雲街道の宿場町として栄えたそうです。

松江藩の殿様が参勤交代で江戸に向かう道だったということですね。

こんなところにも島根とのご縁を感じます。

また、隠岐の島町と美甘は交流があり数年前まではお互いに祭りのときに行き来していたそうです。

 

 

シェア工房美甘を経営する株式会社しげやさんは、もともと歴史ある旅館でした。

現在は旅館の営業はしていませんが、日本中から集まるお客様の要望にお応えして

お食事は提供していらっしゃるそうです。

今回の出張ではしげやさんのご厚意で、お宿に泊めていただきました。

 

お部屋には季節を感じさせる素敵な飾りがありました。

こちらにも。

ほんとうに様々な心遣いをいただいていました。

玄関に出されていたストーブ。

山間の美甘では、隠岐よりも先に冬が近づいていました。

夜にはこのあたりの豊かな自然の恵みをふんだんに使ったすばらしい食事をいただきました。

 

秋はなんといっても様々な種類のきのこ料理が味わえるということで、

この時期に来れたのはとても幸運でした。

こちらは香茸。

かぐわしい、という表現がぴったり。松茸よりも珍重されるのだとか。

ショウゲンジ。

しばかつぎ。

ねずみで、というきのこはネズミの手みたいに見えるからとか。

聞いたことない、そしてすごく美味しいきのこのオンパレード。

なめたけは自然薯と。

 

そして、きのこだけでなく山の魚もふんだんに。

アマゴの卵のしょうゆ漬け。

鯉の洗い。

 

ヤマメは焼き立てふっくら。

ここでも香茸!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

これが干した香茸。

干してから戻して使うほうが香りが強くなって美味しいようです。

今年は豊作だったとのことで、嘘みたいに贅沢に食べさせていただきました。

ここで本日作っていただいた海士町の缶詰をさっそく試食しました。

香茸と栗の炊き込みご飯。

鼻から香りがむはーっと出ます。

しげやさんのお料理は、土地のものにこだわり、ひとつひとつとても丁寧に作られていました。

きのこはどれも社長さんが自ら山を歩いて採ってきたもの。

自然は、向き合い方次第でとても豊かな暮らしを与えてくれます。

そして、その喜びを知っているからこそ人に食べてもらいたい。

そんな気持ちがとても伝わって、本当に有難いことだなと思いました。

 

今度は家族を連れてお邪魔したいと思います。 

 

あと、ちょっときのこに目覚めました。

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海士の缶詰を作ってくれる工場を見てきました

2018-11-07 00:25:45 | 魚食

ついに海士町産魚介類を使った缶詰を製造する日がやってきました。

 

前回記事を書いてから経過を完全にすっ飛ばしてしまっているので簡単にご紹介すると、

試作を3回行い、いろんな方に味を見てもらいました。

最初は可能性を広げるためにすごくたくさんの種類を作り、方向性を探る。

2回目は良かったものに絞って、さらにアイデアを固める。

そして3回目は味の細かい調整。

ようやく納得のいくものが出来上がりました。

小ロットで生産できる一番のメリットは、製造の度に改良していくことができるということ。

発売以降もどんどんおいしくなっていく前提で、まずは自分で美味しいと思える合格ラインまで来ました。

 

製造をしてくださるのは岡山県真庭市、美甘という地区にある工場。

旧・岡山県立美甘中学校の中にありました。

廃校になった中学校の一部を改装してできた缶詰加工場です。

シェア工房美甘。

地域の魅力を伝えて地域に活力を取り戻したいという想いを持った方が中心となり、今年整備された加工場です。

現在は地元出身で最近帰ってきた20代の若者が工場長となり、パートの女性スタッフとともにお仕事をされています。

美甘には山の恵み、ジビエやきのこ、川魚などがあり独自の商品製造もすすめておられます。

お邪魔したときはちょうど「サザエのアヒージョ」を作っているところ。

自分がひとつひとつ剥いたサザエを使って、ひとつひとつ丁寧に詰めていってくださっていました。

こちらは白いかを使った缶詰の準備。

出来上がった缶詰にひとつずつ蓋を載せていきます。

そして、圧をかけながら蓋をする機械に。これもひとつずつ。

 

蓋をした缶詰を洗濯機のような機械に入れ、高温で加熱殺菌していきます。

中はこんな感じ。

 

こうして海士町の缶詰ができていくんですね。手作業だからできることの一つに、中身が詰まって盛り上がった缶詰に蓋をすることがあるそうです。

海士のサザエが6個分ごろっと入った缶詰は、溢れんばかり。ベルトコンベアーで自動的に蓋をする製造ラインではすべてはねられてしまうそう。

しっかり詰まったところを売りにしていかなければw

 

大手メーカーの工場では美甘の約100倍もの製造量だそうですから、まったく設備も見た目も違うことでしょう。

効率的にオートメーション化されて味も均一化された缶詰。

もっとも、そんなに大量に作る原料もなく、人手もないのでやりたくてもできません。

 

海士町の原材料を使っていて持ち運びがしやすく、自信をもってお勧めできるお土産を作りたい。

そんな思いにこたえてくれる加工場に出会えてよかった。

軌道に乗れば島内に設備をもって製造まで自分たちでできるようになりたいけれど、まずは一歩ずつ、一歩ずつ進んでいきます。

 

12月初旬にはキンニャモニャセンターの直売所「大漁」で販売開始します。

お楽しみに。

 

 

 

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水産加工はじめてます

2018-06-27 06:00:41 | 魚食

5月から水産加工を始めています。

ここは漁協の水産加工場。

しばらく操業が止まっていたのですが、5月から復活に向けて動き出しています。

持続可能な島の漁業には、地元で獲れた魚を地元で消費する仕組みづくりが必要だと思っています。

地元で食べれば新鮮で、消費者にも生産者にも経済的なメリットがあって、関係性が生まれる。

そのためには、魚を取る人と食べる人の間をつなぐ食べやすさと品質を担保する役割が必要で

その部分を担おうと思っています。

作業用の白衣を買ったので、テンションあがって自撮りに挑戦。

まずは形から入るのが好き。

地元の定置網の水揚げされたところへ魚を仕入れに行き始めました。

もともとの業務を整理しながら新しい仕事の形を作り始めています。

これは地元の小学生・中学生が食べる給食用のサザエを加工しているところ。

ボイルしてむき身にした後、丁寧に掃除をしてスライス。

家でもよくやっていたことだけど、量が全く違います。

黙々と作業をこなしていると違う世界が見えてくることも。

 

これは直売所で売っているレンコダイの一夜干し。

初めて自分で製造したとき、1枚だけわずかに骨が切れてしまったので

泣く泣く試食用に回して出来栄えを確認。

ちゃんと美味しい!

 

かつての加工場の仕事は、地元の給食用の食材提供と土産品の製造がメインでした。

どちらも意義のあるものだけど、それだけでは採算が合わなかったのも事実。

違うやり方、組み合わせ、一工夫が必要。

 

学校給食は、地産地消の取り組みとしては一番わかりやすい。

けれど、「地元産」だけに満足してもいけない。

地産地消の本質的な良さは、頭でわかる「良さ」以外に

新鮮な食材の美味しさであったり、生産の現場が見える安心だったりすると思う。

ここにこだわらない限り漁協がやる意味も見いだせない。

その日に獲れた魚をその日のうちに加工して商品にすることに挑戦し始めている。 

 

土産品は本当に地元のもので作ることにこだわる。

そして、保存料や化学調味料などを使わない。

自分が食べたいもの、人に食べてほしいと思えるものを作る。

 

そして、日常的に家庭で食べる魚。

今までは魚まるごとでしか買うことができなかったけど、

食べやすいサイズの切り身にしたり、フライ用などひと手間かけた選択肢を作る。

お弁当用のおかずや、惣菜まで踏み込みたい。

特別なことじゃない、日々の暮らしに浸透していくことを目指します。

 

ビアガーデンやキンニャモにゃ祭りなど島内の食イベントには積極的に参加して

魚の美味しさを伝えられるように頑張ります。

 

  

誰か、一緒に働いてくれる人いませんか?

絶賛募集中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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海士の海産物で缶詰をつくりたい!

2018-06-01 06:02:43 | 魚食

缶詰のお土産を開発したい!というお話。

 

 

海士には地元の海産物を使って地元で作っているお土産がまだまだ少ないと思う。

島を訪れた人がその土地のものを買って帰りたいというのは当然で、

その想いに応えられるようにしたいと考えている。

冷凍ショーケースには地元の魚と塩を使ってできた干物や、あかもく、ナマコの加工品である

「このわた」や「ばちこ」などがあるけど、やっぱり冷凍ものって持って帰りにくい。

だから、常温で持ち運びができる商品がほしいと常々感じていた。

 

そして、化学調味料や保存料などは使わず、自分が食べたいと思えるものを

作るには缶詰が良さそうだけど、そんな設備はとてもそろえられない。

そう思っていたところ、ある会社に出会って考えが変わった。

 この缶詰を作っている会社は京都にある。
蒸した牡蠣と日本酒だけで作った牡蠣ペーストの缶詰なのだが、
牡蠣以上に牡蠣の味がしてすんごいのである。
お値段1個1,620円(税込)。
もちろん自分用、日常用ではないけれど、これならお土産やプレゼントにしたいと思える商品だった。
味はもちろん商品のパッケージも価格相応で魅力的だし、 
この会社は小ロットでの缶詰製造が可能なところが売りだった。
 
 
まさに運命的な出会い。
さっそく直接話を聞きに行ってきた。

京都の中心部、錦市場にほど近いお店兼工房。

いろいろな商品開発の事例について詳しく教えてもらう。

イメージを膨らませながら試食。

本当はワインを飲みながら実際に食べるシーンを想像したいところだけど、

出してもらった炭酸水で我慢。

でも、水やお茶じゃなくて炭酸水というところがすごくいいなと感じた。

 

工房には様々な器具がびっしり。

丸型の缶詰を入れられるギフトBOXもいい感じ。

 

海士でサザエの試作品を持って行って食べてもらったところ、

すごく美味しいけど缶詰の製造工程上アレンジが必要とのこと。

何度か試作品を作りながら、美味しいものを作りたい!!

 

これはへしこを使ったアヒージョというパンチの利いたヒット作だそう。

買って帰って家でもクオリティを確かめる。

  

年内に3種類くらい開発して直売所に並べられるようにしたいと思います。 

 

研究開発が楽しみだなー。

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津本式「究極の血抜き」で魚を熟成するとどうなるか

2018-05-29 21:33:32 | 魚食

水産関係者や釣り人の間で徐々に知名度を上げている魚の処理方法「究極の血抜き」をご存知でしょうか。

マニアックな話題なのでたぶんほとんどの人が知らないと思いますが、

宮崎の水産会社で働く津本さんが独自の理論を解説したyoutubeの動画が話題となり、

いまではfacebookの公式ページに949名のメンバーを集めるほどになっています。

まずは、動画を見てもらえれば魚の血抜き方法はわかるんですが・・・

普通の血抜きと何が違うか、というと

①エラを切って水中で血抜きに比べると血がよく抜ける

②魚を絞めた後でも硬直前なら血抜きができる

がすごいところだと思います。

 

①は魚を捌いてると目ではっきりと実感できます。

しかし、本当のポイントはそこじゃなくて長期熟成が可能になるということ。

もちろん温度をはじめとする保存状態には注意が必要なのですが、

違いを感じるのは身の張り、目の透明度、匂い。

 

この石鯛は1.3kg、刺網で獲れた魚でした。

まだ息があったのですぐに津本式で処理をして自分で買っちゃいましたw

5日目の状態でこの透明度。しかも、歯ごたえもばっちりなのに旨みも出てる。

 

そして、漁協の職員として一番うれしいのは、②。

活魚を自分で〆れればいい状態の魚は作れるけど、なかなかそうもいかない。

でも、刺網の魚や定置の魚でも硬直前ならバッチリ血抜きもできて刺身でいけちゃうんです。

もちろん、個体の目利きと鮮度の見極めは必要ですが。

 

このメジナ800g(海士ではクロヤ)の目はこれで7日目。

捌いてみても透き通った身と、血がよく抜けているのがわかると思います。

あえて脂乗りがよくない個体で試したのですが、旨みはしっかりでていました。

これは700gのタカノハダイ。

漁師が捨てる魚ですが、この魚は冬には脂が乗るのと磯の香りが薄れます。

こいつが「究極の血抜き」と長期熟成で化けるのです。

もう、とんでもなく旨い。

この魚は5日目と6日目がピークでした。

 

 

youtubeで知って見よう見まねでやり始め、facebookを通じて質問したりしながら

自分で食べて試してますが、もっと多くの人が知れば美味しい魚が増えるなーと思ってます。

先日、東京の寿司職人で津本さんのところまで修業に行ったという熱心な方のお店にも食べに行ってきました。

 

この技術を使って、美味しい刺身を島内に提供できるようにしたいです。

 

おまけ)一部抜粋 美味しいお寿司の写真

 

 

 

 

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