ハンター・ぽし／里中

暖かなくったせいか、部屋に虫がでるようになった。
細長いハエみたいな、そんなに不潔感はないが、まあいやな感じの黒い奴。

暖かくなったせいか、猫も春気分で最近活発化している。
地味に壁を飛んでいる虫野郎をみて激しくコーフンのトラぽし

「ご主人、アレを、アレをころさしてくだちい！」

と言わんばかりにアニャ、アニャ、と、鳴く。
しょうがないので猫を補助して、もちあげて虫野郎のところに掲げてやった。

とんがった口、野蛮な縞模様。
長い手足（と胴）にかっこいい尻尾。
いかにも優れた肉食獣のぽし。
こんな死にかけた細長いハエなんか一撃だろう！
…と思ったら、ぽしはどんぐさかった…。
ハエの１０センチ前まで持っていってやってるのに、
見当違いのトコ押さえてやがる…
逃げるハエにますますエキサイトする頭上の大猫。
（人間の上ということも忘れている）


肩の上でずっと戦ってました。
が、次の日の夜まで捕れなかったヨ…
ハエも最早狩られたのか自然死なのか分からないと思っているでショウ。

ひでたんは死ぬほどどんぐさそうだが、ああ見えて天性のハンターであった。
ぽしは………

ねこは見かけによらない。