全く臭いの無い世界、５日目。

今回の風邪は熱が無いもののかなり頑固だ。

喉がぜいぜいするし咳もしつこい。

それに全然臭いの無いものを食べるということに
面食らってしまう。
少しコツがいるけど目の前の食べ物の臭いを
想像して食べねばならない。
ひと手間かかって非常に厄介だ。

臭いを失ってやっとで
「食物の美味しさは臭いで感じるもの」とわかる。

ラーメンだって胡椒、シナチク、チャーシュウの臭いも
しないでは何を食べているのかわからない。

すべてにおいて
無味無臭の物体をつめこんでいるようで
全く味気ないかぎりだ。

憧れの「コンビニ弁当」の日。

風邪のため私の体調が悪かったこともあって
夫が「夕飯は弁当でも買おうか」
と言ってくれた。

何と嬉しいそして有り難い”お言葉”。

夕方張り切って近くのコンビニへ。
夫はミニかつ丼、わたしは豚肉の乗ったパスタのミニパック。

お茶だけわかして食べてはみたが・・・。
テレビのＣＭのようには美味しくなかった。
ふたりで無言のままボソボソと食べた。

やっぱり焼きたての魚に野菜の煮しめ
汁物など自分のいつものおかずが最高だと思えた。
夫だってきっとそう思ったにちがいない。
（私のうぬぼれかもしれないが）