「羽黒山二百話」 1972年12月25日初版発行 著者戸川安章 中央企画社
四七話 お社の縁の下に開山さまの木像がかくされていること
羽黒山上の開山堂に安置されていた開祖の木像は、僧形をしたものであった。
神仏分離の際には、このお堂は仏堂としてのこされることになっていたから、開山の像はそのまま安置されていた。そのため、後に再転して神社に改められたのちも、開山の像はそこにのこされた。
ところが、それをきらったあるひとが、宮司にせまって縁の下に板がこいをつくり、その中に押しこめてしまった。
その工事をさせられたのは、当時、社務所に出入りをしていた原田万五郎という大工と、その弟の本間栄吉であった。かれらは、生前、口ぐせのように、
「なんとかして、もう一度、開山さまをおてんとうさまにおあて申したい」
と、いっていた。
四七話 お社の縁の下に開山さまの木像がかくされていること
羽黒山上の開山堂に安置されていた開祖の木像は、僧形をしたものであった。
神仏分離の際には、このお堂は仏堂としてのこされることになっていたから、開山の像はそのまま安置されていた。そのため、後に再転して神社に改められたのちも、開山の像はそこにのこされた。
ところが、それをきらったあるひとが、宮司にせまって縁の下に板がこいをつくり、その中に押しこめてしまった。
その工事をさせられたのは、当時、社務所に出入りをしていた原田万五郎という大工と、その弟の本間栄吉であった。かれらは、生前、口ぐせのように、
「なんとかして、もう一度、開山さまをおてんとうさまにおあて申したい」
と、いっていた。