ある日の図書館 ~その4~
試験が終わったようだ。
図書館のある特別棟にも、生徒たちの声が響き始めた。
定期考査中は、選択授業の取り方によって
生徒一人ひとり、終了時間がまちまちだ。
午前中は、いくつものグループが
机の上に、色とりどりのファイルやノートを広げて
頭を寄せ合っている。
多少ザワザワしていても、ここで一緒に勉強する方が
一人で挫けてしまうより、きっといい。
「今日、ここ何時まで開いてる?」
提出締切の時間を気にしつつ、友達から借りた大量のプリントを
ものすごい勢いで写している生徒がいる。
「やる時にはやるんだね」と言うべきか
「同じするなら、テストの前にやっとこうよ」と言うべきか
「持つべきは、いい友達だね」
と言うべきか
ひと固まりのグループの一人が、手招きしている。
「先生、何の先生?」
手っ取り早く、手近なところで、とりあえず質問してくれるのだが
正直、忘却の彼方のものも、ある。
「職員室で聞いてきたら?」
しばらくして戻ってくると
「わかったでェ~」と、得意そうに教えてくれた。
なるほど、そうだったのか。
ちょっぴり、頼もしく見えたよ。