能勢謙三の鹿児島まち案内日記

587 北原先輩逝く

7月23日、北原先輩が亡くなった。深夜に帰宅途中、代行運転の車にはねられた。私より2つ年上の65歳だった。

名山堀でよく一緒に酒を飲んだ。歩くことが好きで、現役時代の夕方、与次郎ケ浜の会社から名山堀まで歩いてきてはおいしそうに好物のビールを飲んでいた。会社から店まで「33分」が最高タイムだったと記憶している。このタイムには自分もかなわなかった。

500円玉貯金をしていて、飲み屋の勘定は500円玉の釣りがもらえるように逆算して払っていた。

政治・経済問題に一家言を持ち、考え方が革新的だった。
飲みながら互いにそんな話もしたが、決してくどくはなかった。長居はせず、「じゃ」と言って、周りの知り合いにも必ず律儀にあいさつをして店を出て行った。こんな先輩の姿に、自然と学ばされた。

24日の昼間、事故現場を見に行った。テレビニュースを見て、池之上町の佐衛門坂あたりと漠然と思っていたが、本当の現場を確かめたかった。

坂の下から上へ向かって3軒の家と店に尋ねたが、はっきりしない。4軒目の一番上の店でようやくわかった。2階に寝ていた娘さんが物音で外を見たら、「あのへんに倒れておられた」。下手にあるセブンイレブンとこの店の間付近が現場だった。

事故現場

佐衛門坂の銘碑

2人の娘さん、奥さんたち家族にやさしかった北原先輩、やすらかにお眠りください。

北原さん(左)と一家

名山堀の「串幸」に残された北原さんの焼酎キープボトル(中央)。「きたはら」の文字がかすかにわかる








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