ゆきのすけさん、コメントありがとうございます。
鹿児島市電の路線延伸案として急浮上した新ルート(鹿児島中央駅~ナポリ通り~パース通り~鹿児島本港区)を、雨の27日(金)歩いてみました。
新屋敷町交差点から甲突橋、ナポリ通り方向を望む
同交差点からパース通り方向を望む
新屋敷町交差点は、上の写真のように市電1番線(谷山線)が通っています。新ルートができれば、ここで市電同士が平面交差(直交)することになります。路面電車同士の平面交差は全国的にとても珍しく、高知市の「とさでん交通」にあるくらいです。路面電車と鉄道電車の平面交差は、松山市で見られるようです。もし鹿児島市で実現すれば、少なくとも全国の鉄道ファンは大喜びするでしょう。乗り物大好きの私も興味はあります。
このルートを市電が走る姿を想像してみました。感覚的には何となく良さそうなのですが、新たに設置される架線や電柱が邪魔になるのではないかと思いました。ゆったりとして緑豊かな、せっかくの景観が損なわれるのではないか、と。
そして、費用対効果を考えました。経済・娯楽・文化機能が集中した加治屋町~高見馬場~天文館~金生町を走る現電車通りに比べて、新ルートは文字通りの裏通り。乗客がそんなにいるでしょうか。中央駅から本港区へ向かう客にとっては、確かに便利になるでしょう。しかし今でもバス便は多数あります。既存のバスをさらにわかりやすく、利用しやすいように改善した方が、お金もかからず簡単ではないでしょうか。市電新ルートを走るバスを新設してもいいかもしれません。中央駅からパース通り方面へ直行したい人にとって、今は確かに不便です。
市電を延伸するなら、谷山方面へさらに延ばした方がよほど市民のためになると私は考えます。今回、新ルートを提示した「市電観光路線基本計画策定委員会」なる市の会合。市交通局の慢性的な赤字を減らすため多くの市営バス路線を民間へ手放そうとしているこの今、「観光路線」とは能天気な気がします。わかりにくいと内外の人に不評な鹿児島中央駅東口バスターミナルの改善に何ら手をつけないで、何が観光路線策定でしょうか。
そもそも車内から街の風景を眺めるには、座席の構造上、電車よりバスの方が優れています。市電は「生活路線」に徹してほしいものです。
中央町。建設中の一番街再開発ビルを望む