「敦賀さん…!!」
きらびやかなLMEの社長室で、体が埋まりそうなソファに座って待っていると、懐かしい彼が入ってきた。
立ち上がった私の姿をみとめ、驚いたように目を見開いて…。
「--------も…、最上さん… どうして---------」
「社長さんにお願いしたんです、どうしても敦賀さんとお話したくて………」
自分から彼に近づく。 もう怖くなかった。むしろ会えないでいた“時”が、
愛しさと慕わしさをいや増してくれていた。
何から話そう?どうやって… そこでふと、手提げの中のスタンプセットを思い出す。
とってかえしてごそごそと。
「敦賀さん、これ…」
差し出すと、彼はどこかぎこちない仕草でそれを受け取った。
「…さいごのページ以外、埋まりました」
ちょっと照れくさくて笑ってしまう。
彼の手が、ゆっくりとページを繰る。
「それで、社長さんにお願いしました、敦賀さんに会わせて下さいって-----」
彼は、目をあげて私を見た。
しっかりと、そのきれいな目を、見て…。
「さいごのページに…敦賀さんのスタンプがほしくて…-----------」
さぁっ、頑張れ、私。
目を見つめて、その姿をやきつけて、こんなにも…好き、だから---------。
「敦賀さんが……大好きです」
心臓がぎゅっとよじれた。
私はそのままスタンプボックスを差し出した。やっぱり手はちょっと…かなりふるえた。
恐怖からでなく、期待と、不安で…----------。
いったん小さく息をついて、一息に続ける。
「--------私を、愛して下さいませんか…------」
深々とお辞儀をする。
そのまま………実際どのくらいの時間だったかわからないけれど、随分長くかかったような気がした。
口から心臓が飛び出してしまいそうなくらい緊張した。
「……………」
差し出したスタンプボックスが敦賀さんの手に渡った。
……まさか、マイナス10点とか…------あったりして。
『今更図々しいんだよ、ハッ』 …とか、鼻で笑われたりして。
…いや、それか------------。
沈黙の重さにネガティブワールドに引き込まれそうになった時…。
「………はい 」
敦賀さんがスタンプセットを返してくれた。
ごくりと小さく息をのんで、開けたままの最後のページを見る。
(……………)
知らず、笑みがこぼれてきた。
うれしい…。 心から喜びがあふれてくる。 うれしい…… うれしい。
私のなかでいつか敦賀さんが撒いた種が今いっせいに花ひらいた気がした。
敦賀さんをふりあおぐと、彼もまた、今まででいちばんの神々しい笑顔でいてくれていた。
…スタンプ帳には彼らしくなくびっしりと100点のスタンプが押してあった。
その下には、きれいな字で 『 もう愛しています 』 のメッセージ---------。
ありがとう。
最上キョーコは、敦賀蓮さんを、心から愛しています…。
きらびやかなLMEの社長室で、体が埋まりそうなソファに座って待っていると、懐かしい彼が入ってきた。
立ち上がった私の姿をみとめ、驚いたように目を見開いて…。
「--------も…、最上さん… どうして---------」
「社長さんにお願いしたんです、どうしても敦賀さんとお話したくて………」
自分から彼に近づく。 もう怖くなかった。むしろ会えないでいた“時”が、
愛しさと慕わしさをいや増してくれていた。
何から話そう?どうやって… そこでふと、手提げの中のスタンプセットを思い出す。
とってかえしてごそごそと。
「敦賀さん、これ…」
差し出すと、彼はどこかぎこちない仕草でそれを受け取った。
「…さいごのページ以外、埋まりました」
ちょっと照れくさくて笑ってしまう。
彼の手が、ゆっくりとページを繰る。
「それで、社長さんにお願いしました、敦賀さんに会わせて下さいって-----」
彼は、目をあげて私を見た。
しっかりと、そのきれいな目を、見て…。
「さいごのページに…敦賀さんのスタンプがほしくて…-----------」
さぁっ、頑張れ、私。
目を見つめて、その姿をやきつけて、こんなにも…好き、だから---------。
「敦賀さんが……大好きです」
心臓がぎゅっとよじれた。
私はそのままスタンプボックスを差し出した。やっぱり手はちょっと…かなりふるえた。
恐怖からでなく、期待と、不安で…----------。
いったん小さく息をついて、一息に続ける。
「--------私を、愛して下さいませんか…------」
深々とお辞儀をする。
そのまま………実際どのくらいの時間だったかわからないけれど、随分長くかかったような気がした。
口から心臓が飛び出してしまいそうなくらい緊張した。
「……………」
差し出したスタンプボックスが敦賀さんの手に渡った。
……まさか、マイナス10点とか…------あったりして。
『今更図々しいんだよ、ハッ』 …とか、鼻で笑われたりして。
…いや、それか------------。
沈黙の重さにネガティブワールドに引き込まれそうになった時…。
「………はい 」
敦賀さんがスタンプセットを返してくれた。
ごくりと小さく息をのんで、開けたままの最後のページを見る。
(……………)
知らず、笑みがこぼれてきた。
うれしい…。 心から喜びがあふれてくる。 うれしい…… うれしい。
私のなかでいつか敦賀さんが撒いた種が今いっせいに花ひらいた気がした。
敦賀さんをふりあおぐと、彼もまた、今まででいちばんの神々しい笑顔でいてくれていた。
…スタンプ帳には彼らしくなくびっしりと100点のスタンプが押してあった。
その下には、きれいな字で 『 もう愛しています 』 のメッセージ---------。
ありがとう。
最上キョーコは、敦賀蓮さんを、心から愛しています…。